ご参考資料 Vol. 132 (対象期間:2016年6月27日~2016年7月8日) インドネシアの金融市場では、国外からの資金還流による歳入増が期待される租税恩赦法案が国会で可決されたことを受け インドネシアの金融市場では 国外からの資金還流による歳入増が期待される租税恩赦法案が国会で可決されたことを受け て、株高、債券高、通貨高となりました。代表的株価指数であるジャカルタ総合指数は、5,000ポイントを今年初めて超える局面も あり、対象期間中に+2.8%となりました。インドネシア10年国債利回りは、昨年4月以来の水準に低下(価格は上昇)しました。為 替市場では、対円、対米ドルともにインドネシアルピア高となりました。租税恩赦法案については、ニュース欄をご参照ください。 [株式市場]ジャカルタ総合指数の推移 (ポイント) 日付 終値 6,000 6月24日 7月1日 -* , 4,834.57 4,971.58 - 5,000 4,000 [株式市場] 個別銘柄では、自動車関連をはじめ複数の事業を展開するアスト ラ・インターナショナルが対象期間中に+10.4%、医薬品メーカーの カルベ・ファルマが+9.4%となるなど、広範な銘柄が上昇しました。 カル ファルマが 9.4%となるなど、広範な銘柄が上昇しました。 週間騰落率 (前週末比) 2.8% - [債券市場] インドネシア10年国債利回りは、租税恩赦法案の可決や、英国の 欧州連合(EU)離脱問題に伴う国際金融市場の動揺から米国の追 加利上げが遅れるとの見方を受け、6月24日の7.79%から7月1日の 7.38%に大きく低下しました。 * 7月4日から8日までは、 祝日のため休場。 3,000 2,000 1,000 2006年12月 [為替市場] インドネシアルピアは、租税恩赦法案の可決を受けて大きく上昇し 2015年12月 ました ました。インドネシア中央銀行(BI)の副総裁は、急激な為替レート インドネシア中央銀行(BI)の副総裁は 急激な為替レ ト 出所:Bloomberg L.P.のデータに基づきイーストスプリング・インベストメンツ作成。 の変動があれば介入に踏み切る用意があると述べました。対米ド 上記のグラフは2006年12月28日からの推移を示しています。 ルでは対象期間中に2.0%のルピア高となり、対円でも6月24日の1 [債券市場]インドネシア自国通貨建て10年国債利回りの推移 米ドル=102円台から7月8日の100円台に円高が進んだにもかかわ 変化幅 らず、0.4%のルピア高となりました。 日付 利回り 25% 2009年12月 2012年12月 6月24日 7月1日 -* 20% 15% 7.79% 7.38% - (前週末比) -0.41% - [ニュース] 租税恩赦法案により成長加速、金融緩和余地 * 7月4日から8日までは、祝日のため休場。 10% 5% 0% 2006年12月 2009年12月 2012年12月 2015年12月 政治 出所:Bloomberg L.P.のデータに基づきイーストスプリング・インベトメンツ作成。 上記のグラフは2006年12月29日からの推移を示しています。 [為替市場]インドネシアルピアの対円レートの推移 (円) インドネシアルピア高円安 1.5 1.3 日付 為替レート 6月24日 7月1日 7月8日 0.758 0.783 0.761 週間騰落率 (前週末比) 3.3% -2.8% 海外からの資金流入、6月は大幅増 1.1 0.9 インドネシア ルピア安 円高 0.7 2006年12月 金融 2009年12月 2012年12月 租税恩赦法案は6月28日に国会で可決され、7月1日に 法律として施行されました。同法案は、課税逃れを目的 に海外に退避させている資産について、7月から一定期 間内に申告してインドネシアに送金すれば、2~5%の低 い税率を適用するというものです。今回の法案は、税収 増や経済成長率の加速に加えて、一段の金融緩和を促 すものと期待されています。政府は今年の税収が165兆 ルピア(約1兆2,600億円)増加すると見込んでおり、BIは 今年の実質国内総生産(GDP)成長率が0.3%押し上げ られると試算しています。BIの副総裁は29日の記者会見 で、租税恩赦法案によるインドネシアへの資金還流はイ ンドネシアルピア高とインフレ鈍化につながり、一段の金 融緩和が可能になるとの見方を示しました。 2015年12月 出所:Bloomberg L.P.のデータに基づきイーストスプリング・インベストメンツ作成。 上記のグラフは2006年12月29日からの推移を示しています。 (100インドネシアルピア対 円レート) 海外投資家によるインドネシア株式の売買状況を見る と、租税恩赦法案が成立した翌日の6月29日に1.73兆ル ピア、翌々日の30日に1.74兆ルピアの買越しとなりまし た。1日の買越し額としては、2015年10-12月期の実質 GDP成長率が前年同期比5%台を回復したと発表された 今年2月5日の2.32兆ルピア以来の高水準です。月間で も6月は8.81兆ルピア(約670億円)と、昨年2月以来の高 水準の買越しとなりました。海外投資家によるインドネシ ア国債の保有残高も、6月は22.0兆ルピア(約1,700億円) と昨年6月以来の大幅増となりました。 英国プルーデンシャル社はイーストスプリング・インベストメンツ株式会社の最終親会社です。最終親会社およびそのグループ会社は主に米国で事業を展開 しているプルデンシャル・ファイナンシャル社とは関係がありません。 1/2 ご参考資料 Vol.132(対象期間:2016年6月27日~2016年7月8日) [インドネシア基礎講座] 2016年上半期の振り返り:経済改善で株高、債券高、通貨高(対米ドル) インドネシア経済の改善を背景にジョコ政権の基盤が強化される中、財政面では インドネシア経済の改善を背景にジョコ政権の基盤が強化される中 財政面では 歳入増を図る租税恩赦法案が国会で可決され、金融面では4回にわたる政策金 利の引下げで緩和政策が進められました(図表1)。金融市場では、ファンダメンタ ルズの改善を好感した海外からの資金流入が続いて、ジャカルタ総合指数は上 半期に+9.2%となり(図表2)、インドネシア10年国債利回りは昨年末の8.75%から 6月末には7.45%に大きく低下(価格は上昇)しました(図表3)。為替市場では、昨 年末の1米ドル=120円台から6月末の102円台まで円高が進む中、インドネシア ルピアは対円で9.9%の大幅安となりました(図表4)。一方、対米ドルでは海外か らの資金流入を背景に5.4%のルピア高となりました。 (ポイント) (図表2)ジャカルタ総合指数の推移 (2015年12月30日~2016年6月30日) 5 100 5,100 4,800 4,500 4,200 2015年12月 2016年3月 2016年6月 (図表3)インドネシア自国通貨建て10年国債利回りの推移 (2015年12月31日~2016年6月30日) 9% (図表1)政治経済の振り返り(2016年上半期) ゴルカル党の支持で、ジョコ政権の基盤強化 ジョコ大統領の支持率がファンダメンタルズの改善に伴って上昇する 政治 中、最大野党であったゴルカル党は5月の党大会で大統領支持を正式 に表明しました。この結果、ジョコ政権は国会議員の過半数が支持する 安定政権となり、政権の基盤が強化されました。 10-12月期の成長率は5%台を回復、物価は目標内で推移 8% 7% 2015年12月 0.90 租税恩赦法案、国会で可決 財政 政府が歳入増を図るために成立を目指してきた租税恩赦法案が、6月に 政策 0.80 政策金利、4回にわたって引き下げ 金融 インドネシア中央銀行(BI)は今年に入り4回にわたって政策金利を引き インドネシア中央銀行(BI)は今年に入り4回にわた て政策金利を引き 政策 下げました(7.50%→6.50%)。 2016年6月 (図表4)インドネシアルピアの対円レ ト*の推移 (図表4)インドネシアルピアの対円レート*の推移 (2015年12月31日~2016年6月30日) (円) 2 月 に 発 表 さ れ た 2015 年 10-12 月 期 の GDP 成 長 率 は 、 前 年 同 期 比 経済 +5.04%と4四半期ぶりに5%台を回復し、今年の1-3月期は同+4.92%と なりました。消費者物価指数(CPI)上昇率は昨年11月以降8ヵ月連続で 政府目標の+3~5%で推移しています。 国会で可決されました。 2016年3月 インドネシアルピア高円安 0.85 インドネシアルピア安円高 0.75 2015年12月 2016年3月 2016年6月 出所: Bloomberg L.P.のデータに基づきイーストスプリング・インベスト メンツ作成。* 100インドネシアルピア対円レート イーストスプリング・インベストメンツ株式会社について 165年以上の歴史を有する英国の金融サービスグループの一員です。 ●イーストスプリング・インベストメンツ株式会社は、1999年の設立以来、日本の投資家のみなさまに資産 運用サービスを提供しています。 ●イーストスプリング・インベストメンツ株式会社の最終親会社は、英国、米国、アジアをはじめとした世界 各国で業務を展開しています。 ●最終親会社グル プはいち早くアジアの成長性に着目し アジアでは14の国や地域で生命保険および ●最終親会社グループはいち早くアジアの成長性に着目し、アジアでは14の国や地域で生命保険および 資産運用を中心に金融サービスを提供しています。最終親会社グループの運用資産総額は、2015年 12月末現在、約5,090億ポンド(約90兆円、1ポンド=178.78円)に上ります。 アジア株式・債券の運用拠点であるイーストスプリング・インベストメンツ(シンガポール)リミテッドについて ■アジア地域を幅広くカバーする資産運用会社で、インドネシアを含むアジア株式・債券に関する専門知識と豊富な経験を最大限活用した運用を行い ます。 ■株式運用においてはボトムアップ・アプローチによる銘柄選択で厳選したポートフォリオの構築とリスク管理を重視、債券運用においては金利、クレ ジ ト 為替に対して ジット、為替に対してファンダメンタルズ、バリュエーション、テクニカル等複数の視点で分析、ポートフォリオを構築し、トータル・リターンの最大化を目 ダメ タ ズ バリ シ テク カ 等複数の視点で分析 ポ ト リオを構築し ト タ リタ の最大化を目 指した運用を行います。 [当資料に関しご留意いただきたい事項] 当資料は、インドネシアの証券市場と政治、経済、文化等にかかる情報提供のみを目的として、イーストスプリング・インベストメンツ株式会社(「当社」)が 株式会社DZHフィナンシャルリサーチに情報提供を依頼し作成したもので、特定の金融商品等の勧誘・販売を目的とするものではありません。また、金融 商品取引法に基づく開示資料でもありません。当資料には、現在の見解および予想に基づく将来の見通しが含まれることがありますが、事前の通知なく これらを変更したり修正したりすることがあります。また、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。当資料で使用しているグラフ、パ フォーマンス等は参考データをご提供する目的で作成したものです。数値等の内容は過去の実績や将来の予測を示したものであり、将来を保証するもの ではありません。当資料は信頼できると判断された材料を使い、十分な注意を払って作成していますが、当社および株式会社DZHフィナンシャルリサーチ はありません 当資料は信頼 きると判断された材料を使 十分な注意を払 作成し ますが 当社および株式会社 ナ シ リサ チ は、必ずしもその正確性、完全性をお約束するものではありません。また、掲載された企業につきましては、あくまで直近のトピックとしてご紹介させてい ただいたものであり、個別銘柄の売買の推奨を意図したものではなく、当社が運用を行う投資信託への組入れを示唆するものでもありません。 イーストスプリング・インベストメンツ株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第379号 加入協会 一般社団法人投資信託協会/一般社団法人日本投資顧問業協会 160713(05) 2/2
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