Vol. 135

ご参考資料
Vol. 135
(対象期間:2016年8月8日~2016年8月19日)
インドネシアの代表的株価指数であるジャカルタ総合指数は、8月18日に政府予算案などを好感して年初来高値を更新しました
インドネシアの代表的株価指数であるジャカルタ総合指数は
8月18日に政府予算案などを好感して年初来高値を更新しました
が、対象期間を通して見るとわずかな下落となりました。年初来高値となった18日の終値は、昨年4月7日に付けた終値ベース
の史上最高値5,523.29ポイントに、あと62ポイントの水準まで迫りました。10年国債利回りは2013年6月以来の低水準で推移し、
対象期間中も小幅に低下(価格は上昇)しました。為替市場では、対円、対米ドルともにインドネシアルピア安となりました。政府
予算案については、2ページ目の基礎講座をご参照ください。
[株式市場]
[株式市場]ジャカルタ総合指数の推移
株高の背景にある海外投資家によるインドネシア株式の売買状況
(ポイント)
6,000
5,000
日付
終値
8月5日
8月12日
8月19日
5,420.25
5,377.20
5,416.04
週間騰落率
(前週末比)
-0.8%
0.7%
を見ると、7月は11.9兆ルピアと2014年7月以来の高水準の買越しと
なりました。8月は19日までで7月を上回る14.5兆ルピア(約1,100億
円)の買越しとなっています
円)の買越しとなっています。
[債券市場]
インドネシア10年国債利回りは、昨年9月の10%近い水準から低下
(価格は上昇)基調が続いています。対象期間中も、8月5日の
6.86%から19日には6.85%へやや低下しました。海外投資家による
インドネシア国債の保有残高は増加基調が続いており、8月も18日
までで前月末比13.2兆ルピア(約1,000億円)の増加となりました。
4,000
3,000
2,000
[為替市場]
1,000
2006年12月
2009年12月
2012年12月
2015年12月
出所:Bloomberg L.P.のデータに基づきイーストスプリング・インベストメンツ作成。
上記のグラフは2006年12月28日からの推移を示しています。
為替市場では、米国の追加利上げが遠のくとの市場の見方などか
ら円高が進む中で、対象期間中に対円では1.3%のルピア安、対米
ドルでも0.5%のルピア安となりました。
[ニュース]
[債券市場]インドネシア自国通貨建て10年国債利回りの推移
25%
日付
利回り
20%
8月5日
8月12日
8月19日
6.86%
6.80%
6.85%
15%
政策金利据え置くも、追加緩和の余地大きい
変化幅
(前週末比)
-0.06%
0.05%
10%
5%
金融
0%
2006年12月
2009年12月
2012年12月
2015年12月
出所:Bloomberg L.P.のデータに基づきイーストスプリング・インベトメンツ作成。
上記のグラフは2006年12月29日からの推移を示しています。
[為替市場]インドネシアルピアの対円レートの推移
(円)
インドネシアルピア高円安
1.5
1.3
日付
為替レ ト
為替レート
8月5日
8月12日
8月19日
0.771
0.778
0.761
週間騰落率
(前週末比)
0.9%
-2.2%
独立記念日に、金メダルのプレゼント
1.1
0.9
インドネシア
ルピア安
円高
0.7
2006年12月
五輪
2009年12月
2012年12月
インドネシア中央銀行(BI)は8月18~19日の金融政策決
定会合で、新しく政策金利とした7日物リバースレポ金利
を5.25%に据え置きました。ブルームバーグのエコノミスト
調査では、「据え置き」と「0.25%引き下げ」の見方がほぼ
半々でした。BIは会合後の声明文で「マクロ経済の安定、
特に インフレの抑制 経常収支の改善 為替レ トの安
特に、インフレの抑制、経常収支の改善、為替レートの安
定が続けば、引き続き金融緩和余地はある」と述べてい
ます。インドネシアの消費者物価指数(CPI)上昇率は昨
年11月以降9ヵ月連続で政府目標の対前年同月比+3~
5%内で推移し、経常赤字は1-3月期の対国内総生産
(GDP)比2.2%から4-6月期には同2.0%に低下しました。8
月19日現在、インドネシアルピアは対米ドルで年初来
5.2%上昇しています。BIは旧政策金利のレファレンス金
利を今年1月から6月まで4回にわたって7.50%から6.50%
に引き下げていますが 物価が低位安定していることか
に引き下げていますが、物価が低位安定していることか
ら、追加金融緩和の余地は大きいと考えられます。
2015年12月
出所:Bloomberg L.P.のデータに基づきイーストスプリング・インベストメンツ作成。
上記のグラフは2006年12月29日からの推移を示しています。 (100インドネシアルピア対
円レート)
リオデジャネイロ五輪のバドミントン混合ダブルス決勝で
は、インドネシアのナッチルとアフマドのペアがマレーシア
のペアを2-0(21-14、21-12)で下し、インドネシアに今大
会初の金メダルをもたらしました。決勝の行われた8月17
日はインドネシアの独立記念日で、地元紙ジャカルタ・グ
ローブは「独立記念日に、金メダルのプレゼント」と報じて
います。ナッチルは、「少し休んで、勝利を祝いたい。正直
ます ナ
は 「少し休ん
勝利を祝 た
直
言って、オリンピック期間中は大変なプレッシャーだった」
と安堵の様子を見せました。アフマドは、ペアに授与され
る50億ルピア(約3,800万円)の賞金の使い道を聞かれて
「子供のために貯金する」と答えています。このほか、イン
ドネシアは重量挙げで2個の銀メダルを獲得しました。
英国プルーデンシャル社はイーストスプリング・インベストメンツ株式会社の最終親会社です。最終親会社およびそのグループ会社は主に米国で事業を展開
しているプルデンシャル・ファイナンシャル社とは関係がありません。
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ご参考資料
Vol.135(対象期間:2016年8月8日~2016年8月19日)
[インドネシア基礎講座] ジョコ大統領: 実現性の高い予算で、信用度を高め対内直接投資を促進
インドネシアのジョコ大統領は8月16日、国会に2017年度の政府予算案を提出しました。歳入と歳出をともに前年度予算比マイナスに抑える
内容で 財政赤字の対GDP比は2 41%と2016年度推計の2 5%から改善する見通しです しかしながら 歳入は近年予算を達成できない状
内容で、財政赤字の対GDP比は2.41%と2016年度推計の2.5%から改善する見通しです。しかしながら、歳入は近年予算を達成できない状
況が続いています(図表1)。インドネシアでは、法律上定められている財政赤字の対GDP比3%という上限を守るために、歳入が予算に届か
ない場合には歳出の削減を迫られます。実際、2014年度と2015年度の歳出は予算を大きく下回りました(図表2)。今年度も、歳入は予算を
大きく下回る見通しで、スリ・ムルヤニ財務相は7月の就任直後に歳出の大幅削減に踏み切りました。ジョコ大統領は予算案を提出した16
日、翌日の独立記念日を前にして演説を行い、インフラ開発の促進、生産性の向上と人材の育成、規制緩和と官僚主義の排除により、国土
の隅々まで改革を進展させて、貧困、失業、社会的不平等を撲滅すると表明しました。実現性の高い予算案の作成で財政規律を強め、イン
ドネシアの信用度を高めることにより、海外からの投資拡大を図る狙いがみられます。
(図表2)歳出の推移と予算(2014~2017年度)
(図表1)歳入の推移と予算(2014~2017年度)
(兆ルピア)
(兆ルピア)
2,500
2,000
2,500
予算*
1,635
予算*
1,762
予算*
1,786
予算*
1,738
2,000
1,500
1,000
予算*
1,877
予算*
1,984
予算*
2,083
予算*
2,071
2016
2017
1,500
決算
1,550
1,000
決算
1,508
500
決算
1,777
決算
1,806
2014
2015
500
0
0
2014
2015
2016
2017
(年度)
(年度)
* 2014~2016年度は、補正後の予算。2017年度は政府予算案。
出所:上記の図表はいずれも、インドネシア財務省および世界銀行のデータと各種報道に基づきイーストスプリング・インベストメンツ作成。
イーストスプリング・インベストメンツ株式会社について
165年以上の歴史を有する英国の金融サービスグループの一員です。
●イーストスプリング・インベストメンツ株式会社は、1999年の設立以来、日本の投資家のみなさまに資産
運用サービスを提供しています。
●イーストスプリング・インベストメンツ株式会社の最終親会社は、英国、米国、アジアをはじめとした世界
各国で業務を展開しています。
●最終親会社グル プはいち早くアジアの成長性に着目し アジアでは14の国や地域で生命保険および
●最終親会社グループはいち早くアジアの成長性に着目し、アジアでは14の国や地域で生命保険および
資産運用を中心に金融サービスを提供しています。最終親会社グループの運用資産総額は、2015年
12月末現在、約5,090億ポンド(約90兆円、1ポンド=178.78円)に上ります。
アジア株式・債券の運用拠点であるイーストスプリング・インベストメンツ(シンガポール)リミテッドについて
■アジア地域を幅広くカバーする資産運用会社で、インドネシアを含むアジア株式・債券に関する専門知識と豊富な経験を最大限活用した運用を行い
ます。
■株式運用においてはボトムアップ・アプローチによる銘柄選択で厳選したポートフォリオの構築とリスク管理を重視、債券運用においては金利、クレ
ジ ト 為替に対して
ジット、為替に対してファンダメンタルズ、バリュエーション、テクニカル等複数の視点で分析、ポートフォリオを構築し、トータル・リターンの最大化を目
ダメ タ ズ バリ
シ
テク カ 等複数の視点で分析 ポ ト
リオを構築し ト タ
リタ
の最大化を目
指した運用を行います。
[当資料に関しご留意いただきたい事項]
当資料は、インドネシアの証券市場と政治、経済、文化等にかかる情報提供のみを目的として、イーストスプリング・インベストメンツ株式会社(「当社」)が
株式会社DZHフィナンシャルリサーチに情報提供を依頼し作成したもので、特定の金融商品等の勧誘・販売を目的とするものではありません。また、金融
商品取引法に基づく開示資料でもありません。当資料には、現在の見解および予想に基づく将来の見通しが含まれることがありますが、事前の通知なく
これらを変更したり修正したりすることがあります。また、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。当資料で使用しているグラフ、パ
フォーマンス等は参考データをご提供する目的で作成したものです。数値等の内容は過去の実績や将来の予測を示したものであり、将来を保証するもの
ではありません。当資料は信頼できると判断された材料を使い、十分な注意を払って作成していますが、当社および株式会社DZHフィナンシャルリサーチ
はありません 当資料は信頼 きると判断された材料を使
十分な注意を払
作成し
ますが 当社および株式会社
ナ シ
リサ チ
は、必ずしもその正確性、完全性をお約束するものではありません。また、掲載された企業につきましては、あくまで直近のトピックとしてご紹介させてい
ただいたものであり、個別銘柄の売買の推奨を意図したものではなく、当社が運用を行う投資信託への組入れを示唆するものでもありません。
イーストスプリング・インベストメンツ株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第379号
加入協会 一般社団法人投資信託協会/一般社団法人日本投資顧問業協会
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