ご参考資料 Vol. 130 (対象期間:2016年5月30日~2016年6月10日) インドネシアの金融市場では、経済成長率や物価などファンダメンタルズの改善を好感した海外からの資金流入を背景に、株 インドネシアの金融市場では 経済成長率や物価などファンダメンタルズの改善を好感した海外からの資金流入を背景に 株 高、債券高の基調が続いています。対象期間中は、6月3日に発表された5月の米雇用統計で非農業部門雇用者の伸びが事 前予想より低かったことから、米連邦準備制度理事会(FRB)による6月の追加利上げ観測が後退したことも、株高、債券高、お よび対米ドルでのインドネシアルピア高の要因となりました。経済成長率については2ページ目の基礎講座、物価と海外投資家 の動向についてはニュース欄をご参照ください。 [株式市場]ジャカルタ総合指数の推移 [株式市場] (ポイント) 6,000 5,000 日付 終値 5月27日 6月3日 6月10日 , 4,814.73 4,853.92 4,848.06 代表的株価指数であるジャカルタ総合指数は、5月の米雇用統計を 受けて、年初来高値を更新した後に利益確定売りに押されました が、対象期間を通して見ると+0.7%となりました。 が、対象期間を通して見ると 0.7%となりました。 週間騰落率 (前週末比) 0.8% -0.1% [債券市場] インドネシア10年国債利回りは、海外からの資金流入を背景に低 下(価格は上昇)しました。一部で期待されていた大手格付け会社 S&Pによるインドネシアのソブリン格付けの引上げは見送られまし たが、投資家のインドネシア国債に対する評価に大きな影響はあり ませんでした。 4,000 3,000 2,000 [為替市場] 1,000 2006年12月 海外からインドネシア金融市場への資金流入や、米早期利上げ観 2009年12月 2012年12月 2015年12月 測の後退などを背景に、インドネシアルピアは対象期間中に対米ド 出所:Bloomberg L.P.のデータに基づきイーストスプリング・インベストメンツ作成。 ルで2.0%上昇しました。S&Pの格上げ見送りを受けて一時ルピア安 上記のグラフは2006年12月28日からの推移を示しています。 となる局面もありましたが、影響は限定的でした。対円では、円高が [債券市場]インドネシア自国通貨建て10年国債利回りの推移 進む中で対象期間中に0.6%のルピア安となりました。 変化幅 25% 日付 利回り 5月27日 6月3日 6月10日 20% 15% 7.85% 7.86% 7.65% [ニュース] (前週末比) 0.01% -0.21% 5月の物価上昇率、2015年12月以来の低水準 10% 5% 0% 2006年12月 経済 2009年12月 2012年12月 2015年12月 出所:Bloomberg L.P.のデータに基づきイーストスプリング・インベトメンツ作成。 上記のグラフは2006年12月29日からの推移を示しています。 [為替市場]インドネシアルピアの対円レートの推移 インドネシアルピア高円安 (円) 1.5 1.3 日付 為替レ ト 為替レート 5月27日 6月3日 6月10日 0.808 0.803 0.803 週間騰落率 (前週末比) -0.6% 0.0% 成長回復や経済対策を好感し、海外資金の流入続く 1.1 0.9 インドネシア ルピア安 円高 0.7 2006年12月 金融 2009年12月 2012年12月 6月1日に発表された5月の消費者物価指数(CPI)上昇率 は前年同月比+3.33%で、4月の同+3.60%から鈍化し、 2015年12月以来の低水準となりました インドネシアの 2015年12月以来の低水準となりました。インドネシアの CPI上昇率は、ガソリンなど燃料価格が引き上げられた 2014年11月の翌12月には前年同月比+8.36%まで加速し ましたが、2015年11月以降は7ヵ月連続で政府目標の+3 ~5%に収まっています。物価の安定が続く中、インドネシ ア中央銀行(BI)は昨年11月に預金準備率の引下げを決 めて政策の軸足を緩和方向に移し、政策金利を1月から3 月までに7.50%から6.75%に引き下げました。4月と5月は 2会合連続で据え置きましたが、BIは5月会合後の声明文 で「マクロ経済の安定が続けば早期の追加金融緩和余地 がある」と緩和スタンスを継続する方針を示しています。 2015年12月 出所:Bloomberg L.P.のデータに基づきイーストスプリング・インベストメンツ作成。 上記のグラフは2006年12月29日からの推移を示しています。 (100インドネシアルピア対 円レート) 海外投資家によるインドネシア株式の取引状況を見ると、 ジャカルタ総合指数が史上最高値を付けた昨年4月に5.9 兆ルピアの買越しとなった後は売越し基調が続きました。 しかし、2015年10-12月期の実質国内総生産(GDP)成長 率が4四半期ぶりに5%台に回復したと発表された今年2 月以降は買越し基調となり、6月も10日までで2.3兆ルピア (約180億円)の買越しとな ています (約180億円)の買越しとなっています。一方、海外投資家 方 海外投資家 によるインドネシア国債の保有額は、政府の相次ぐ経済 対策を好感して昨年9月末から今年4月末まで102.8兆ル ピア増加しました。5月は米国の早期追加利上げ観測が 強まる中で4.2兆ルピア減少しましたが、6月は9日までで 13.7兆ルピア(約1,100億円)の増加となっています。 英国プルーデンシャル社はイーストスプリング・インベストメンツ株式会社の最終親会社です。最終親会社およびそのグループ会社は主に米国で事業を展開 しているプルデンシャル・ファイナンシャル社とは関係がありません。 1/2 ご参考資料 Vol.130(対象期間:2016年5月30日~2016年6月10日) [インドネシア基礎講座] 国家経済工業委員会(KEIN):投資拡大などで、2018年の経済成長率は7%に インドネシアの国家経済工業委員会(KEIN)議長は、6月7日にジョコ大統領と会談した後、経済成長率を2017年は6%、2018年は7%まで高 めることが可能だと述べました インドネシアの実質国内総生産(GDP)成長率は 世界景気が減速する中 インフレ抑制を目的とした引締 めることが可能だと述べました。インドネシアの実質国内総生産(GDP)成長率は、世界景気が減速する中、インフレ抑制を目的とした引締 め傾向の金融政策が取られたこともあり、2015年は前年比+4.8%まで鈍化しました(図表1)。昨年9月より政府が相次いで経済対策を打ち 出し、インフレが沈静化して金融政策の軸足が緩和方向に移る中、経済成長率は今年以降加速すると予想されています(図表2)。KEINは 国際機関と比べて高い成長率を掲げていますが、これは毎年10%のペースで投資が拡大するなどの条件を前提としています。実質GDPに 占める投資の伸びが2015年は前年比+5.07%であったことを考えると達成は困難との見方もできます。このような状況の中、大統領はKEIN 議長との会談で、インドネシアに対する投資意欲は極めて高いことを指摘すると共に、高い意欲を実際の投資につなげるためのさまざまな 方策を協議しました。政府が指導力を発揮して、高いハードルを越えることが期待されます。 (図表1)実質GDP成長率(前年比)の推移 (2010年~2015年) 7% 6.2% 6.2% 6.0% 6% (図表2)実質GDP成長率(前年比)の見通し (2016年~2018年) 7% 5.6% 5.0% 5% 6% 4.8% 5% 4% 4% 3% 3% 2% 2% 1% 1% 0% KEIN 世界銀行 IMF 7.0% 6.0% 5.3% 5.1% 4.9% 5.3% 5.3% 5.5% 5.5% 0% 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 出所:世界銀行「世界経済見通し」(6月7日公表)、IMF世界経済見通しデータベース (2016年4月)、各種報道のデータに基づきイーストスプリング・インベストメンツ作成。 出所:世界銀行「インドネシア・エクノミック・クォータリー」(2016年3月)のデータに 基づきイーストスプリング・インベストメンツ作成。 イーストスプリング・インベストメンツ株式会社について 165年以上の歴史を有する英国の金融サービスグループの一員です。 ●イーストスプリング・インベストメンツ株式会社は、1999年の設立以来、日本の投資家のみなさまに資産 運用サービスを提供しています。 ●イーストスプリング・インベストメンツ株式会社の最終親会社は、英国、米国、アジアをはじめとした世界 各国で業務を展開しています。 ●最終親会社グル プはいち早くアジアの成長性に着目し アジアでは14の国や地域で生命保険および ●最終親会社グループはいち早くアジアの成長性に着目し、アジアでは14の国や地域で生命保険および 資産運用を中心に金融サービスを提供しています。最終親会社グループの運用資産総額は、2015年 12月末現在、約5,090億ポンド(約90兆円、1ポンド=178.78円)に上ります。 アジア株式・債券の運用拠点であるイーストスプリング・インベストメンツ(シンガポール)リミテッドについて ■アジア地域を幅広くカバーする資産運用会社で、インドネシアを含むアジア株式・債券に関する専門知識と豊富な経験を最大限活用した運用を行い ます。 ■株式運用においてはボトムアップ・アプローチによる銘柄選択で厳選したポートフォリオの構築とリスク管理を重視、債券運用においては金利、クレ ジ ト 為替に対して ジット、為替に対してファンダメンタルズ、バリュエーション、テクニカル等複数の視点で分析、ポートフォリオを構築し、トータル・リターンの最大化を目 ダメ タ ズ バリ シ テク カ 等複数の視点で分析 ポ ト リオを構築し ト タ リタ の最大化を目 指した運用を行います。 [当資料に関しご留意いただきたい事項] 当資料は、インドネシアの証券市場と政治、経済、文化等にかかる情報提供のみを目的として、イーストスプリング・インベストメンツ株式会社(「当社」)が 株式会社DZHフィナンシャルリサーチに情報提供を依頼し作成したもので、特定の金融商品等の勧誘・販売を目的とするものではありません。また、金融 商品取引法に基づく開示資料でもありません。当資料には、現在の見解および予想に基づく将来の見通しが含まれることがありますが、事前の通知なく これらを変更したり修正したりすることがあります。また、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。当資料で使用しているグラフ、パ フォーマンス等は参考データをご提供する目的で作成したものです。数値等の内容は過去の実績や将来の予測を示したものであり、将来を保証するもの ではありません。当資料は信頼できると判断された材料を使い、十分な注意を払って作成していますが、当社および株式会社DZHフィナンシャルリサーチ はありません 当資料は信頼 きると判断された材料を使 十分な注意を払 作成し ますが 当社および株式会社 ナ シ リサ チ は、必ずしもその正確性、完全性をお約束するものではありません。また、掲載された企業につきましては、あくまで直近のトピックとしてご紹介させてい ただいたものであり、個別銘柄の売買の推奨を意図したものではなく、当社が運用を行う投資信託への組入れを示唆するものでもありません。 イーストスプリング・インベストメンツ株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第379号 加入協会 一般社団法人投資信託協会/一般社団法人日本投資顧問業協会 160614(03) 2/2
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