ご参考資料 Vol. 132 (対象期間:2016年6月20日~2016年7月1日) インド準備銀行(RBI、中央銀行)ラジャン総裁の辞意表明や英国の欧州連合(EU)離脱問題という悪材料はありましたが、モン スーン期(6月から9月にかけての雨季)の降雨量が改善していることなどから、インドの代表的株価指数であるSENSEX指数は 期 月 月 季 改善 、 代表 株 数 あ 数 対象期間中に1.9%高となり、インド10年国債利回りは低下(価格は上昇)しました。中小型株は大型株以上に上昇し、ボンベイ 中型株指数は対象期間中に4.4%高、同小型株指数は3.9%高となりました。為替市場では、英国のEU離脱問題を受けて円高 が進む中でインドルピー安となりました。モンスーン期の降雨量については、ニュース欄をご参照ください。 [株式市場]SENSEX指数の推移 [株式市場] (2002年12月31日~2016年7月1日) 個別銘柄では、英国のジャガー・ランドローバーを傘下に持つ自動 車メーカーのタタ・モーターズが英国のEU離脱問題を受けて6月24 日に前日比8.0%安となるなど、英国関連銘柄が一時的に大きく売 られました。しかし、対象期間を通して見ると、SENSEX指数構成30 銘柄の中で下落したのは5銘柄のみで、タタ・モーターズも1.1%の 小幅安に留まりました。 (ポイント) 40,000 30,000 週間騰落率 日付 終値 (前週末比) 6月17日 26,625.91 6月24日 26,397.71 -0.9% 7月1日 27,144.91 2.8% 20,000 [債券市場] 10,000 インド10年国債利回りは、モンスーン期の降雨量が改善しているこ とや英国のEU離脱に伴って世界的に金融政策が緩和色を強める との見方などから低下(価格は上昇)しました。 0 2002年12月 2005年12月 2008年12月 2011年12月 2014年12月 [為替市場] 英国でEU離脱派の勝利が確定した6月24日に急速な円高が進む 中、インドルピーの対円レートは、2013年9月以来の1ルピー1.5円 割れとなりましたが、その後は1.5円を回復しました。インドルピー は対象期間中に対円で1.9%安、対米ドルで0.4%安となりました。 [債券市場]インド自国通貨建て10年国債利回りの推移 (2002年12月31日~2016年7月1日) 10% 日付 利回り 6月17日 6月24日 7月1日 7.50% 7.48% 7.42% 変化幅 (前週末比) -0.02% -0.06% [ニュース] モンスーン期の降雨量は増加傾向 9% 8% 7% 6% 経済 5% 4% 2002年12月 2005年12月 2008年12月 2011年12月 2014年12月 [為替市場]インドルピーの対円レートの推移 (2002年12月31日~2016年7月1日) (円) 3.5 円安インドルピー高 3.0 日付 為替レート 6月17日 6月24日 7月1日 1.554 1.504 1.524 週間騰落率 (前週末比) -3.2% 1.3% 公務員給与等引き上げ、消費押し上げの効果 2.5 2.0 1.5 インド気象局は6月30日、23~29日の降雨量が平年比 1%増加したと発表しました。農業の経済に占める割合 が高 イ ド は降雨量が経済と物価に与える影響が が高いインドでは降雨量が経済と物価に与える影響が 大きいため、市場関係者の間では、モンスーン期の降雨 量の方が英国のEU離脱問題よりも重要という見方もあ ります。モンスーン期の降雨量は2年連続で平年を下回 りましたが、今年は平年を上回ると気象局は予想してお り、インドの経済状況が改善していることに加えて、イン ド株強気派の拠り所となっています。今年のモンスーン (季節風)がインド本土に到達したのは平年よりも7日遅 く、6月の累計降雨量は15日時点で平年比-25%、22日 時点で同 時点で同-18%でしたが、29日時点では同-12%となり、 でしたが 日時点では同 となり 日数の経過とともに平年との差が縮まっています。 政治 円高インドルピー安 1.0 2002年12月 2005年12月 2008年12月 2011年12月 2014年12月 出所:上記のグラフはいずれもBloomberg L.P.のデータに基づきイーストスプリング・インベ ストメンツ作成。 インド政府は6月29日、昨年11月に諮問会議が勧告した 国家公務員の給与と年金の引き上げを承認しました。国 家公務員約470万人の給与と退職者約530万人の年金 受給額が、今年1月に遡って引き上げられます。今回の 引き上げに伴う来年3月までの支給総額はおよそ8,490 億ルピ (約1兆3 000億円)で フィ チ傘下の現地格付 億ルピー(約1兆3,000億円)で、フィッチ傘下の現地格付 け会社は、インドの消費を国内総生産(GDP)の0.3%、 貯蓄を同0.2%押し上げると予想しています。一方、財政 には悪影響を及ぼす可能性がありますが、ジャイトリー 財務相は「今年度(2016年4月~2017年3月)のGDP比 3.5%の財政赤字目標は堅持する」と述べています。 英国プルーデンシャル社はイーストスプリング・インベストメンツ株式会社の最終親会社です。最終親会社およびそのグループ会社は主に米国で事業を展開 しているプルデンシャル・ファイナンシャル社とは関係がありません。 1/2 ご参考資料 Vol.132(対象期間:2016年6月20日~2016年7月1日) (図表2)SENSEX指数の推移 [インド基礎講座] 2016年上半期の振り返り:財政・金融が噛み合った政策運営 インドは主要新興国の中で最も高い7%台の経済成長を続けており、政府 は一段の経済活性化を図るべく構造改革を進めています。政府が予算案 で財政赤字目標を堅持したことを受けて 中央銀行が追加利下げに踏み で財政赤字目標を堅持したことを受けて、中央銀行が追加利下げに踏み 切るなど、財政と金融が噛み合った政策運営が行われました(図表1)。 SENSEX指数は世界的な株安の中で下落する局面もありましたが、上半 期を通して見ると3.4%上昇しました(図表2)。インド10年国債利回りは、 財政規律が維持される中で低下(価格は上昇)しました(図表3)。為替市 場では、昨年末の1米ドル=120円台から6月末の103円台まで円高が進む 中、インドルピーは対円で16.3%の大幅安となりました。 28,000 26 000 26,000 24,000 22,000 2015年12月 2016年3月 2016年6月 (図表3)インド自国通貨建て10年国債利回りの推移 (図表1)政治経済の振り返り(2016年上半期) 構造改革進み、国政与党地方選で躍進 (2015年12月31日~2016年6月30日) 8.0% 政 モディ政権の構造改革の一環で、不良債権削減により経済の活性 治 化を図る「破産法」が5月に国会で可決されました。国政与党のイン 7.8% 7.6% ド人民党は、5月に開票された地方議会選挙で躍進しました。 経済成長率7%台後半に加速、物価上昇率6%以下で推移 7.4% 経 実質GDP成長率は2014年度(2014年4月~2015年3月)の前年度比 +7.2%から、2015年度は+7.6%に加速しました。消費者物価指数 済 (CPI)上昇率は、2014年9月から21ヵ月連続で、2016年1月までの目 標であった6%を下回る水準で推移しています。 7.2% 2015年12月 RBIは、物価上昇率が鈍化する中で政策金利を昨年1年間で8.00% から6.75%に引き下げましたが、政府予算案で財政規律が維持さ れる中、今年4月に6.75%から6.50%への追加利下げに踏み切りま した。 2016年3月 2016年6月 (図表4)インドルピーの対円レートの推移 (円) 財 政府予算案、財政赤字目標を堅持 政 インド政府は2月末に発表した予算案で、財政赤字の対GDP比を 政 2015年度予算の3.9%から2016年度は3.5%に縮小する目標を堅持 策 しました。 物価安定、財政規律維持の中で、追加利下げ 金 融 政 策 (2015年12月31日~2016年6月30日) (ポイント) 1.9 1.8 1.7 1.6 1.5 1.4 2015年12月 (2015年12月31日~2016年6月30日) 2016年3月 2016年6月 出所:Bloomberg L.P.のデータに基づきイーストスプリング・インベストメンツ作成。 イーストスプリング・インベストメンツ株式会社について 165年以上の歴史を有する英国の金融サービスグループの一員です。 ●イーストスプリング・インベストメンツ株式会社は、1999年の設立以来、日本の投資家のみなさまに資産 運用サービスを提供しています。 ●イーストスプリング・インベストメンツ株式会社の最終親会社は、英国、米国、アジアをはじめとした世界 各国で業務を展開しています。 ●最終親会社グループはいち早くアジアの成長性に着目し、アジアでは14の国や地域で生命保険および 資産運用を中心に金融サ ビスを提供しています 最終親会社グル プの運用資産総額は 2015年 資産運用を中心に金融サービスを提供しています。最終親会社グループの運用資産総額は、2015年 12月末現在、約5,090億ポンド(約90兆円、1ポンド=178.78円)に上ります。 イーストスプリング・インベストメンツ(シンガポール)リミテッドについて ■アジア地域を幅広くカバーする資産運用会社で、インドを含むアジア株式・債券に関する専門知識と豊富な経験を最大限活用した 運用を行います。 イーストスプリング・インベストメンツの属するグループのインドの運用会社(ICICIAM)について ■1993年にインド大手の民間銀行ICICI銀行の資産運用会社として設立され、1998年からはイーストスプリング・インベストメンツの属 するグループとの合弁で事業を展開しています。ICICI銀行は、1955年に設立され、2015年3月末現在、総資産は約6兆4,612億ル す 弁 展 す 銀 、 設 、 月 、 資産 約 , ピー(約12兆3,798億円、1ルピー=1.916円で換算)となっています。 ■設立以来、インドで資産運用事業に注力している、インド大手の運用会社です。運用資産総額は約1兆7,588億ルピー(インドにおけ るシェア約13.0%、2016年1-3月平均)となっています(出所:Association of Mutual Funds in India)。 [当資料に関しご留意いただきたい事項] 当資料は、インドの証券市場と政治、経済、文化等にかかる情報提供のみを目的として、イーストスプリング・インベストメンツ株式会社(「当社」)が株式 会社DZHフィナンシャルリサーチに情報提供を依頼し作成したもので、特定の金融商品等の勧誘・販売を目的とするものではありません。また、金融商品 取引法に基づく開示資料でもありません。当資料には、現在の見解および予想に基づく将来の見通しが含まれることがありますが、事前の通知なくこれら を変更したり修正したりすることがあります。また、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。当資料で使用しているグラフ、パフォーマン を変更 り修 りする あります。ま 、将来 市場環境 変動等を保証するも ありま 。当資料 使用 るグラ 、 ォ ン ス等は参考データをご提供する目的で作成したものです。数値等の内容は過去の実績や将来の予測を示したものであり、将来を保証するものではありま せん。当資料は信頼できると判断された材料を使い、十分な注意を払って作成していますが、当社および株式会社DZHフィナンシャルリサーチは、必ずし もその正確性、完全性をお約束するものではありません。また、掲載された企業につきましては、あくまで直近のトピックとしてご紹介させていただいたも のであり、個別銘柄の売買の推奨を意図したものではなく、当社が運用を行う投資信託への組入れを示唆するものでもありません。 イーストスプリング・インベストメンツ株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第379号 加入協会 一般社団法人投資信託協会/一般社団法人日本投資顧問業協会 2/2 160706(01)
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