ご参考資料 Vol. 141 (対象期間:2016年10月31日~2016年11月11日) 国際金融市場は、11月8日の米大統領選を巡って大きく揺れる展開となりました。株式市場では、世界的な乱高下の中でイン ドネシアの代表的株価指数であるジャカルタ総合指数も上下に振れ、9日には取引時間中の年初来高値を更新しましたが、 11日にはインドネシアルピアが急落する中で前日比4.0%の大幅安となり、対象期間を通して見ると3.3%安となりました。債券 市場では、米国債利回りの急騰(価格は急落)など世界的な債券安となる中で、インドネシア10年国債利回りも上昇しました。 為替市場では、新興国全般から投資資金が流出する中で、インドネシアルピア安となりました。 [株式市場]ジャカルタ総合指数の推移 [株式市場] (ポイント) 6,000 5,000 日付 終値 10月28日 5,410.27 11月4日 5,362.66 11月11日 5,231.97 セクター別では、インフラ投資の大幅な拡大を掲げるトランプ氏が 次期米大統領に決まったことを受けて、銅など産業用金属の国際 価格がほぼ全面高となる中、鉱業セクターが対象期間中に10.6% 高となりました。個別銘柄では、世界のニッケルの約5%を供給す るヴァーレ・インドネシアが対象期間中に33.1%上昇しました。 週間騰落率 (前週末比) -0.9% -2.4% 4,000 [債券市場] トランプ氏の掲げるインフラ投資の大幅拡大や法人税の大規模減 税などの政策が、財政赤字の拡大やインフレの加速につながると の懸念から、米国債利回りは急騰し、世界的な債券安となりまし た。このような状況下で、インドネシア10年国債利回りも6月以来の 高水準まで上昇しました。 3,000 2,000 1,000 2006年12月 2009年12月 2012年12月 2015年12月 出所:Bloomberg L.P.のデータに基づきイーストスプリング・インベストメンツ作成。 上記のグラフは2006年12月28日からの推移を示しています。 米国債利回りの上昇を受けて米ドル高が進む中で、新興国通貨 は全般に売られました。インドネシアルピアは対米ドルで11月11日 に一時前日比4%を超える急落となりましたが、インドネシア中央 銀行の介入もあって急速に値を戻しました。対象期間を通して見る と、対米ドルでは1.6%、対円では0.6%のルピア安となりました。 [債券市場]インドネシア自国通貨建て10年国債利回りの推移 25% 日付 利回り 20% 10月28日 11月4日 11月11日 7.29% 7.33% 7.89% 15% [為替市場] 変化幅 (前週末比) 0.04% 0.56% [ニュース] 消費者信頼感、物価安定と失業率低下で上昇 10% 5% 0% 2006年12月 2009年12月 2012年12月 2015年12月 出所:Bloomberg L.P.のデータに基づきイーストスプリング・インベトメンツ作成。 上記のグラフは2006年12月29日からの推移を示しています。 経済 [為替市場]インドネシアルピアの対円レートの推移 インドネシアルピア高円安 (円) 1.5 1.3 日付 為替レート 10月28日 11月4日 11月11日 0.805 0.786 0.800 週間騰落率 (前週末比) -2.4% 1.8% インドネシアでは、物価が安定し失業率が低下する中 で、消費者信頼感指数が上昇しています。11月4日に発 表された10月の消費者信頼感指数は前月の110.0ポイン トから116.8ポイントに大きく上昇し、2015年3月以来の高 水準となりました。国際的に見てもインドネシアの消費者 信頼感は高く、調査会社ニールセンが8~9月に世界63ヵ 国で実施した調査によれば、インドネシアの消費者信頼 感指数は122ポイントで、インドの133ポイント、フィリピン の132ポイントに次ぐ第3位でした。 消費者物価指数(CPI)上昇率は2015年11月以降おおむ ね政府目標の前年比+3~5%で推移しており、11月1日 に発表された10月のCPI上昇率も目標の下限に近い前 年同月比+3.31%でした。7日に発表された8月の失業率 は5.61%と、前年同月の6.18%から低下しました。 経済対策第14弾: 電子商取引の拡大を後押し 1.1 0.9 インドネシア ルピア安 円高 0.7 2006年12月 政治 2009年12月 2012年12月 2015年12月 出所:Bloomberg L.P.のデータに基づきイーストスプリング・インベストメンツ作成。 上記のグラフは2006年12月29日からの推移を示しています。 (100インドネシアルピア対 円レート) ダルミン経済担当調整相は11月10日、インドネシアの電 子商取引市場が2020年までに1,300億米ドル(約13.9兆 円)に拡大するとの見通しを示し、電子商取引関連事業 を後押しするための政策を明らかにしました。資金調達 や税制面で中小企業を支援する一方、消費者保護やサ イバーセキュリティを強化します。インドネシア政府は昨 年9月から経済成長率の押し上げを狙った外資誘致、規 制緩和などの経済対策を相次いで打ち出しており、今回 で第14弾目となります。 英国プルーデンシャル社はイーストスプリング・インベストメンツ株式会社の最終親会社です。最終親会社およびそのグループ会社は主に米国で事業を展開 しているプルデンシャル・ファイナンシャル社とは関係がありません。 1/2 ご参考資料 Vol.141(対象期間:2016年10月31日~2016年11月11日) [インドネシア基礎講座] 実質GDP成長率(2016年7-9月期): 5%台の成長続くも、政府支出減などで小幅に減速 11月7日に発表された2016年7-9月期の実質国内総生産(GDP)成長率は前年同期比+5.02%と、4-6月期の同+5.19%から小幅に減速しま した。インドネシアの実質GDP成長率は2015年4-6月期の前年同期比+4.66%を底に上昇に転じ、2015年10-12月以降は5%前後の成長が 続いています(図表1)。GDP成長率を主要支出別に4-6月期と7-9月期で比較すると、全体の半分以上を占める個人消費はほぼ横ばいでし たが、政府消費が6%を超えるプラスからマイナスに落ち込んでいることが分かります(図表2)。政府消費の落ち込みは主に財政赤字を抑え るための歳出削減によるもので、公務員へのボーナス支給が昨年の7-9月期に対して今年は4-6月期に実施されたという特殊要因も影響し ました。租税恩赦による税収増で歳出削減の必要性が薄れることに加え、年末にかけて歳出は増える傾向にあることから、政府消費は1012月期に増加に転じる可能性が高いと考えられます。 (図表1)実質GDP成長率の推移 (2014年7-9月期~2016年7-9月期、前年同期比) (図表2)GDPの主要支出別構成比と成長率 (2016年4-6月期と7-9月期) 5.5% 構成比* (7-9月期) 5.19% 5.0% 4.97% 5.04% 5.04% 5.02% 4.91% 4.73% 4.66% 4.74% 実質成長率(前年同期比) 4-6月期 7-9月期 個人消費 55.32% 5.06% 5.01% 政府消費 8.97% 6.23% -2.97% 投資** 31.98% 5.06% 4.06% 輸出 17.74% -2.42% -6.00% 輸入*** 16.91% -2.93% -3.87% GDP 100.00% 5.19% 5.02% 4.5% 4.0% *構成比は名目。表に示す支出項目のほか、非営利団体消費1.15%と在庫投資 2.94%、統計上の不突合-1.19%があります。 四捨五入の関係上、合計値が100%にならないことがあります。 7-9月 7-9月 ** 国内総固定資本形成 *** GDPのマイナス項目 出所: 上記の図表はいずれも、インドネシア統計局のデータに基づきイーストスプリング・インベストメンツ作成。 14年 7-9月 15年 1-3月 16年 1-3月 イーストスプリング・インベストメンツ株式会社について 165年以上の歴史を有する英国の金融サービスグループの一員です。 ●イーストスプリング・インベストメンツ株式会社は、1999年の設立以来、日本の投資家のみなさまに資産 運用サービスを提供しています。 ●イーストスプリング・インベストメンツ株式会社の最終親会社は、英国、米国、アジアをはじめとした世界 各国で業務を展開しています。 ●最終親会社グループはいち早くアジアの成長性に着目し、アジアでは14の国や地域で生命保険および 資産運用を中心に金融サービスを提供しています。最終親会社グループの運用資産総額は、2015年 12月末現在、約5,090億ポンド(約90兆円、1ポンド=178.78円)に上ります。 アジア株式・債券の運用拠点であるイーストスプリング・インベストメンツ(シンガポール)リミテッドについて ■アジア地域を幅広くカバーする資産運用会社で、インドネシアを含むアジア株式・債券に関する専門知識と豊富な経験を最大限活用した運用を行い ます。 ■株式運用においてはボトムアップ・アプローチによる銘柄選択で厳選したポートフォリオの構築とリスク管理を重視、債券運用においては金利、クレ ジット、為替に対してファンダメンタルズ、バリュエーション、テクニカル等複数の視点で分析、ポートフォリオを構築し、トータル・リターンの最大化を目 指した運用を行います。 [当資料に関しご留意いただきたい事項] 当資料は、インドネシアの証券市場と政治、経済、文化等にかかる情報提供のみを目的として、イーストスプリング・インベストメンツ株式会社(「当社」)が 株式会社DZHフィナンシャルリサーチに情報提供を依頼し作成したもので、特定の金融商品等の勧誘・販売を目的とするものではありません。また、金融 商品取引法に基づく開示資料でもありません。当資料には、現在の見解および予想に基づく将来の見通しが含まれることがありますが、事前の通知なく これらを変更したり修正したりすることがあります。また、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。当資料で使用しているグラフ、パ フォーマンス等は参考データをご提供する目的で作成したものです。数値等の内容は過去の実績や将来の予測を示したものであり、将来を保証するもの ではありません。当資料は信頼できると判断された材料を使い、十分な注意を払って作成していますが、当社および株式会社DZHフィナンシャルリサーチ は、必ずしもその正確性、完全性をお約束するものではありません。また、掲載された企業につきましては、あくまで直近のトピックとしてご紹介させてい ただいたものであり、個別銘柄の売買の推奨を意図したものではなく、当社が運用を行う投資信託への組入れを示唆するものでもありません。 イーストスプリング・インベストメンツ株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第379号 加入協会 一般社団法人投資信託協会/一般社団法人日本投資顧問業協会 161115(07) 2/2
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