Vol. 131

ご参考資料
Vol. 131
(対象期間:2016年6月13日~2016年6月24日)
英国が6月23日の国民投票で欧州連合(EU)からの離脱を決めたことを受けて株安となり、円を除く多くの通貨が対米ドルで下
英国が6月23日の国民投票で欧州連合(EU)からの離脱を決めたことを受けて株安となり
円を除く多くの通貨が対米ドルで下
落する中、インドネシアでも株安、債券安、通貨安のトリプル安となりました。インドネシアの代表的株価指数であるジャカルタ総
合指数は対象期間中に0.3%安となりましたが、日経平均株価の9.9%安、ダウ工業株30種平均(NYダウ)の2.6%安などと比べ
て下落は小幅に留まりました。インドネシア10年国債利回りは上昇(価格は下落)し、インドネシアルピアは対円で2008年12月以
来のルピア安となりました。
[株式市場]ジャカルタ総合指数の推移
[株式市場]
(ポイント)
日付
終値
6,000
6月10日
6月17日
6月24日
4,848.06
4,835.14
4,834.57
5,000
週間騰落率
(前週末比)
-0.3%
-0.0%
個別銘柄では、インドネシア中央銀行(BI)による住宅ローンの頭金
引下げなどの規制緩和が住宅市場の追い風になるとの見方から、
不動産開発会社のブミ・スルポン・ダマイが対象期間中に10
不動産開発会社のブミ
スルポン ダマイが対象期間中に10.0%高
0%高
となるなど、不動産関連株の上昇が目立ちました。
[債券市場]
4,000
インドネシア10年国債利回りは概ね7.6%台で推移した後、24日に
は英国のEU離脱を受けて上昇(価格は下落)し、7.79%で対象期間
の取引を終えました。
3,000
2,000
[為替市場]
英国のEU離脱を受けて、1米ドル=106円台後半から一時99円台
前半まで急速に円高が進む 方、円を除く多くの通貨は対米ドル
2015年12月 前半まで急速に円高が進む一方、円を除く多くの通貨は対米ドル
で下落しました。インドネシアルピアは一時100ルピア=0.74円を割
出所:Bloomberg L.P.のデータに基づきイーストスプリング・インベストメンツ作成。
上記のグラフは2006年12月28日からの推移を示しています。
り込み、2008年12月以来のルピア安円高となりました。ルピアは対
象期間中に対円で5.6%、対米ドルで1.3%下落しました。
[債券市場]インドネシア自国通貨建て10年国債利回りの推移
1,000
2006年12月
2009年12月
2012年12月
25%
日付
利回り
20%
6月10日
6月17日
6月24日
7.65%
7.63%
7.79%
15%
変化幅
(前週末比)
-0.02%
0.16%
[ニュース]
物価や為替が安定する中、4回目の利下げ
10%
5%
0%
2006年12月
金融
2009年12月
2012年12月
2015年12月
出所:Bloomberg L.P.のデータに基づきイーストスプリング・インベトメンツ作成。
上記のグラフは2006年12月29日からの推移を示しています。
[為替市場]インドネシアルピアの対円レートの推移
インドネシアルピア高円安
(円)
1.5
1.3
日付
為替レ ト
為替レート
6月10日
6月17日
6月24日
0.803
0.782
0.758
週間騰落率
(前週末比)
-2.6%
-3.1%
インドネシア政府、ユーロ建てと円建て国債を発行
1.1
0.9
財政
インドネシア
ルピア安
円高
0.7
2006年12月
2009年12月
2012年12月
BIは6月15~16日の金融政策決定会合で、政策金利を
0.25%引き下げて6.50%にするとともに、住宅ローンの頭
金引下げなど銀行融資関連の規制緩和で景気を刺激す
る姿勢を鮮明にしました。利下げは、今年4回目となりま
す。BIは昨年11月に預金準備率の引下げを決めて政策
の軸足を緩和方向に移し、政策金利を今年1月から3月ま
で3回にわたって7.50%から6.75%に引き下げた後、4月と
5月は2会合連続で据え置いていました。BIは今回の利下
げについて、「低インフレ、経常赤字の縮小、為替レート
の安定」などインドネシアのマクロ経済の安定化が背景に
あり、世界経済が低迷する中での内需刺激と、政府が進
める構造改革による経済成長率押上げに向けた政策の
強化につながるとの見方を示しています。
2015年12月
出所:Bloomberg L.P.のデータに基づきイーストスプリング・インベストメンツ作成。
上記のグラフは2006年12月29日からの推移を示しています。 (100インドネシアルピア対
円レート)
インドネシア政府は6月14日にユーロ建て国債、21日に円
建て国債を発行しました。ユーロ建て国債は7年債と12年
債それぞれ15億ユーロの計30億ユーロ(約3,400億円)
で、フランクフルトとシンガポールの証券取引所に上場さ
れます。表面利率は7年債が2.625%、12年債が3.75%で
す。円建て国債は3年債が620億円、5年債が380億円の
計1 000億円で 私募発行されました 表面利率は3年債
計1,000億円で、私募発行されました。表面利率は3年債
が0.83%、5年債が1.16%です。同政府によれば、今回の
ユーロ建て国債の規模は欧州以外の国が発行するユー
ロ債としては過去最大で、円建て国債は初めて国際協力
銀行(JBIC)の保証なしで発行され、ともに幅広い層の機
関投資家の買い入れがありました。
英国プルーデンシャル社はイーストスプリング・インベストメンツ株式会社の最終親会社です。最終親会社およびそのグループ会社は主に米国で事業を展開
しているプルデンシャル・ファイナンシャル社とは関係がありません。
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ご参考資料
Vol.131(対象期間:2016年6月13日~2016年6月24日)
[インドネシア基礎講座] 世界銀行:インドネシアの財政、金融、規制緩和など、経済運営を評価
6月7日、世界銀行は今年の世界の実質国内総生産(GDP)成長率見通しを1月予想の2.9%から2.4%に引き下げました。一方、20日に発表
した「インドネシア エコノミ ク クォ タリ 」では インドネシアは改革の進展により世界経済の低迷に対する耐性が強化されていると評価
した「インドネシア・エコノミック・クォータリー」では、インドネシアは改革の進展により世界経済の低迷に対する耐性が強化されていると評価
しました。世界銀行が特に評価しているのは、財政政策、金融政策、規制緩和です。インドネシアのジョコ大統領は、就任翌月の2014年11月
に政府の補助金で価格が低く抑えられているガソリンなどの燃料価格を引き上げ、さらに2015年1月からガソリンに対する補助金を廃止する
財政改革を断行しました。その結果、インドネシア政府は2015年に燃料補助金を大幅に削減して、中長期的な経済成長を高めることが期待
されるインフラなどの資本的歳出が増加しました(図表1)。消費者物価指数(CPI)上昇率は、燃料価格の引上げで一時的に大きく加速しま
したが、引締め気味の金融政策によりBIの目標レンジの+3~5%まで鈍化し、最近では金融緩和余地が生じています(図表2)。さらには、世
界銀行が成長のカギと考える民間投資拡大などのための規制緩和が、インドネシア経済の高評価につながっています。
(兆ルピア)
(図表2)政策金利とCPI上昇率*(前年同月比)及び
インフレ目標の推移(2014年6月~2016年6月)
(図表1)インドネシア中央政府歳出*の内訳
(監査済み決算ベース)
10%
1,500
9%
1,000
147
燃料
補助金 240
61
資本的
歳出 215
人件費
500
物件費
その他
0
2014年
2015年
* 地方政府への移転を除く。
出所:世界銀行「インドネシア・エコノミック・クォータリー」(2016年3月及び6月)の
データに基づきイーストスプリング・インベストメンツ作成。
CPI上昇率
7.50%
8%
その他
補助金
政策金利
2014年12月
8.36%
7%
6.50%
6%
5%
4%
インフレ目標(注)
2016年5月
3.33%
3%
2014年6月 2014年12月 2015年6月 2015年12月 2016年6月
(注)インフレ目標は、2014年が3.5%~5.5%、2015年と2016年が3%~5%。
* CPI上昇率は2016年5月まで。
出所:BIなどのデータに基づきイーストスプリング・インベストメンツ作成。
イーストスプリング・インベストメンツ株式会社について
165年以上の歴史を有する英国の金融サービスグループの一員です。
●イーストスプリング・インベストメンツ株式会社は、1999年の設立以来、日本の投資家のみなさまに資産
運用サービスを提供しています。
●イーストスプリング・インベストメンツ株式会社の最終親会社は、英国、米国、アジアをはじめとした世界
各国で業務を展開しています。
●最終親会社グル プはいち早くアジアの成長性に着目し アジアでは14の国や地域で生命保険および
●最終親会社グループはいち早くアジアの成長性に着目し、アジアでは14の国や地域で生命保険および
資産運用を中心に金融サービスを提供しています。最終親会社グループの運用資産総額は、2015年
12月末現在、約5,090億ポンド(約90兆円、1ポンド=178.78円)に上ります。
アジア株式・債券の運用拠点であるイーストスプリング・インベストメンツ(シンガポール)リミテッドについて
■アジア地域を幅広くカバーする資産運用会社で、インドネシアを含むアジア株式・債券に関する専門知識と豊富な経験を最大限活用した運用を行い
ます。
■株式運用においてはボトムアップ・アプローチによる銘柄選択で厳選したポートフォリオの構築とリスク管理を重視、債券運用においては金利、クレ
ジ ト 為替に対して
ジット、為替に対してファンダメンタルズ、バリュエーション、テクニカル等複数の視点で分析、ポートフォリオを構築し、トータル・リターンの最大化を目
ダメ タ ズ バリ
シ
テク カ 等複数の視点で分析 ポ ト
リオを構築し ト タ
リタ
の最大化を目
指した運用を行います。
[当資料に関しご留意いただきたい事項]
当資料は、インドネシアの証券市場と政治、経済、文化等にかかる情報提供のみを目的として、イーストスプリング・インベストメンツ株式会社(「当社」)が
株式会社DZHフィナンシャルリサーチに情報提供を依頼し作成したもので、特定の金融商品等の勧誘・販売を目的とするものではありません。また、金融
商品取引法に基づく開示資料でもありません。当資料には、現在の見解および予想に基づく将来の見通しが含まれることがありますが、事前の通知なく
これらを変更したり修正したりすることがあります。また、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。当資料で使用しているグラフ、パ
フォーマンス等は参考データをご提供する目的で作成したものです。数値等の内容は過去の実績や将来の予測を示したものであり、将来を保証するもの
ではありません。当資料は信頼できると判断された材料を使い、十分な注意を払って作成していますが、当社および株式会社DZHフィナンシャルリサーチ
はありません 当資料は信頼 きると判断された材料を使
十分な注意を払
作成し
ますが 当社および株式会社
ナ シ
リサ チ
は、必ずしもその正確性、完全性をお約束するものではありません。また、掲載された企業につきましては、あくまで直近のトピックとしてご紹介させてい
ただいたものであり、個別銘柄の売買の推奨を意図したものではなく、当社が運用を行う投資信託への組入れを示唆するものでもありません。
イーストスプリング・インベストメンツ株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第379号
加入協会 一般社団法人投資信託協会/一般社団法人日本投資顧問業協会
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