Vol. 128

ご参考資料
Vol. 128
(対象期間:2016年5月2日~2016年5月13日)
インドネシアの金融市場では、ファンダメンタルズの改善を受けて海外投資家による株式と国債の買越しが続いていましたが、
インドネシアの金融市場では
ファンダメンタルズの改善を受けて海外投資家による株式と国債の買越しが続いていましたが
対象期間中は利益確定と見られる動きで売越しとなりました。こうした状況の中、代表的株価指数であるジャカルタ総合指数は
1.6%安となりましたが、インドネシア10年国債利回りは小幅に低下(価格は上昇)しました。為替市場では、海外投資家によるイ
ンドネシアの株式と国債の売りが出る中で、対米ドルでインドネシアルピア安となった一方、対円では円高の進行が一服してル
ピア高となりました。
[株式市場]ジャカルタ総合指数の推移
[株式市場]
(ポイント)
日付
終値
6,000
4月29日
5月4日*
5月13日
4,838.58
4,822.60
4,761.72
5,000
4,000
海外投資家によるインドネシア株式の売買状況を見ると、2月から
ジャカルタ総合指数が終値ベースで年初来高値を更新した4月22
日までは累計8.7兆ルピア(約710億円)の買越しでしたが、4月25日
から5月13日までは累計3.9兆ルピア(約320億円)の売越しとなりま
した。
週間騰落率
(前週末比)
-0.3%
-1.3%
* 5日と6日は、祝日
のため休場。
[債券市場]
インドネシア10年国債利回りは、政府の相次ぐ経済対策を好感した
海外からの資金流入等を背景に、昨年9月末の10%近くの水準か
ら低下(価格は上昇)基調を続けています。対象期間中は海外投資
2,000
家の売りが出たものの、利回りは小幅低下となりました。海外投資
家によるインドネシア国債の保有残高は昨年9月末から今年4月末
1,000
まで102 8兆ルピア(約8 400億円)増加しましたが、5月は11日まで
2006年12月
2009年12月
2012年12月
2015年12月 まで102.8兆ルピア(約8,400億円)増加しましたが、5月は11日まで
で4.2兆ルピア(約340億円)の減少となりました。
出所:Bloomberg L.P.のデータに基づきイーストスプリング・インベストメンツ作成。
3,000
上記のグラフは2006年12月28日からの推移を示しています。
[為替市場]
[債券市場]インドネシア自国通貨建て10年国債利回りの推移
25%
日付
利回り
20%
4月29日
5月5日*
5月13日
7.74%
7.78%
7.71%
15%
為替市場では、円高が急速に進む中で、インドネシアルピアの対円
レートは一時2009年3月以来の100ルピア=0.8円割れとなりました
が、その後は円安に転じ、対象期間を通して見ると0.6%のルピア高
円安となりました。対米ドルでは、海外投資家がインドネシアの株式
と国債を売り越す中で1.0%のルピア安となりました。
変化幅
(前週末比)
0.04%
-0.07%
[ニュース]
* 6日は、祝日のため休場。
、祝
休場。
10%
S&P現地調査:インドネシアの経済環境は良好
インドネシアのジョコ大統領は5月10日、年1回の現地調査
5%
で同国を訪れた米大手格付け会社S&Pと会談し、これまで
実施してきた構造改革について説明しました。インドネシア
0%
の自国通貨建て長期債格付けについては、フィッチが
2006年12月
2009年12月
2012年12月
2015年12月
出所:Bloomberg L.P.のデータに基づきイーストスプリング・インベトメンツ作成。
2011年12月、ムーディーズが2012年1月に、それぞれ投資
上記のグラフは2006年12月29日からの推移を示しています。
格付け 適格級のBBB-とBaa3に引き上げています。S&Pは投機的
[為替市場]インドネシアルピアの対円レートの推移
等級のBB+に据え置いていますが、昨年5月、格付け見通
週間騰落率
しを「安定的」から「ポジティブ」に引き上げました。S&Pは
しを
安定的」から ポジティブ」に引き上げました。S&Pは
インドネシアルピア高円安
日付 為替レート
(前週末比)
(円)
地元紙ジャカルタ・ポストのインタビューで「格付けの変更
4月29日
0.813
1.5
を推測するのは時期尚早」としつつも、「財政は引き続き安
5月6日
0.800
-1.6%
定し、対外債務は比較的健全で、経済環境は良好」とイン
5月13日
0.818
2.3%
ドネシア経済を評価しています。
1.3
物価上昇率(4月):前年同月比+3.60%に鈍化
1.1
0.9
インドネシア
ルピア安
円高
0.7
2006年12月
経済
2009年12月
2012年12月
2015年12月
出所:Bloomberg L.P.のデータに基づきイーストスプリング・インベストメンツ作成。
上記のグラフは2006年12月29日からの推移を示しています。 (100インドネシアルピア対
円レート)
5月2日に発表された4月の消費者物価指数(CPI)上昇率
は前年同月比+3.60%で、3月の同+4.45%から大幅に鈍化
しました。インドネシアのCPI上昇率は、ガソリンなど燃料
価格が引き上げられた2014年11月の翌12月には前年同
月比+8.36%まで加速しましたが、2015年11月以降は6ヵ月
連続で政府目標の+3~5%に収まっています。ダルミン経
済担当調整相は「食料の安定供給と、燃料価格や公共交
通機関運賃の引下げがCPI上昇率鈍化の要因」と述べる
とともに、年間の物価目標の達成に自信を示しました。
英国プルーデンシャル社はイーストスプリング・インベストメンツ株式会社の最終親会社です。最終親会社およびそのグループ会社は主に米国で事業を展開
しているプルデンシャル・ファイナンシャル社とは関係がありません。
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ご参考資料
Vol.128(対象期間:2016年5月2日~2016年5月13日)
[インドネシア基礎講座] 投資は経済成長のカギ:ジョコ政権、ビジネス環境の整備で投資拡大に努める
5月4日に発表されたインドネシアの1-3月期の実質国内総生産(GDP)成長率は前年同期比+4.92%と、2015年10-12月期の同+5.04%から
投資や政府消費の鈍化などにより小幅に減速しました(図表1) GDPの支出項目のうち 最大を占める個人消費(1 3月期の名目GDPの
投資や政府消費の鈍化などにより小幅に減速しました(図表1)。GDPの支出項目のうち、最大を占める個人消費(1-3月期の名目GDPの
56.9%)とそれに次ぐ投資(同33.2%)を比べると、前者が5%前後で安定的に推移しているのに対して、後者は大きく変動しています(図表
2)。投資は短期的な成長率の変動だけではなく、中長期的な成長率の引上げにも大きく影響し、インドネシア政府はさまざまな政策を通じて
インフラ開発など投資の拡大に力を入れています。世界銀行グループが毎年発表しているビジネス環境ランキングによれば、インドネシア
は2015年版の114位から2016年版では109位へと順位を上げました。しかし、近隣のシンガポール(1位)、マレーシア(18位)、タイ(49位)など
と比べて大きく見劣りする順位です。ジョコ大統領はビジネス環境ランキングを40位に引き上げることを目標に、4月28日には事業の許認可
手続きの簡素化を含む経済対策第12弾を発表するなど、ビジネス環境の整備に努めています。
(図表1)実質GDP成長率(前年同期比)の推移
(2014年10-12月期~2016年1-3月期)
(2014年10
12月期 2016年1 3月期)
8%
6%
(図表2)実質GDPに占める個人消費と投資の
成長率(前年同期比)の推移
(2014年10-12月期~2016年1-3月期)
8%
5.04%
4.73%
4.66%
4.74%
5.04%
6%
4.92%
4%
4%
2%
2%
0%
5.11%
4.59%
5.01%
4.63%
4.97%
4.95%
6.90% 投資*
5.57%
4.92%
個人消費
4.94%
4.79%
3 88%
3.88%
0%
2014年 2015年
10-12月 1-3月
4-6月
7-9月
2016年
10-12月 1-3月
2014年 2015年
10-12月 1-3月
4-6月
7-9月
10-12月
2016年
1-3月
* 総固定資本形成
出所:上記の図表はいずれも、インドネシア中央銀行(BI)のデータに基づきイーストスプリング・インベストメンツ作成。
イーストスプリング・インベストメンツ株式会社について
165年以上の歴史を有する英国の金融サービスグループの一員です。
●イーストスプリング・インベストメンツ株式会社は、1999年の設立以来、日本の投資家のみなさまに資産
運用サービスを提供しています。
●イーストスプリング・インベストメンツ株式会社の最終親会社は、英国、米国、アジアをはじめとした世界
各国で業務を展開しています。
●最終親会社グル プはいち早くアジアの成長性に着目し アジアでは14の国や地域で生命保険および
●最終親会社グループはいち早くアジアの成長性に着目し、アジアでは14の国や地域で生命保険および
資産運用を中心に金融サービスを提供しています。最終親会社グループの運用資産総額は、2015年
6月末現在、約5,050億ポンド(約97兆円、1ポンド=192.72円)に上ります。
アジア株式・債券の運用拠点であるイーストスプリング・インベストメンツ(シンガポール)リミテッドについて
■アジア地域を幅広くカバーする資産運用会社で、インドネシアを含むアジア株式・債券に関する専門知識と豊富な経験を最大限活用した運用を行い
ます。
■株式運用においてはボトムアップ・アプローチによる銘柄選択で厳選したポートフォリオの構築とリスク管理を重視、債券運用においては金利、クレ
ジ ト 為替に対して
ジット、為替に対してファンダメンタルズ、バリュエーション、テクニカル等複数の視点で分析、ポートフォリオを構築し、トータル・リターンの最大化を目
ダメ タ ズ バリ
シ
テク カ 等複数の視点で分析 ポ ト
リオを構築し ト タ
リタ
の最大化を目
指した運用を行います。
[当資料に関しご留意いただきたい事項]
当資料は、インドネシアの証券市場と政治、経済、文化等にかかる情報提供のみを目的として、イーストスプリング・インベストメンツ株式会社(「当社」)が
株式会社DZHフィナンシャルリサーチに情報提供を依頼し作成したもので、特定の金融商品等の勧誘・販売を目的とするものではありません。また、金融
商品取引法に基づく開示資料でもありません。当資料には、現在の見解および予想に基づく将来の見通しが含まれることがありますが、事前の通知なく
これらを変更したり修正したりすることがあります。また、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。当資料で使用しているグラフ、パ
フォーマンス等は参考データをご提供する目的で作成したものです。数値等の内容は過去の実績や将来の予測を示したものであり、将来を保証するもの
ではありません。当資料は信頼できると判断された材料を使い、十分な注意を払って作成していますが、当社および株式会社DZHフィナンシャルリサーチ
はありません 当資料は信頼 きると判断された材料を使
十分な注意を払
作成し
ますが 当社および株式会社
ナ シ
リサ チ
は、必ずしもその正確性、完全性をお約束するものではありません。また、掲載された企業につきましては、あくまで直近のトピックとしてご紹介させてい
ただいたものであり、個別銘柄の売買の推奨を意図したものではなく、当社が運用を行う投資信託への組入れを示唆するものでもありません。
イーストスプリング・インベストメンツ株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第379号
加入協会 一般社団法人投資信託協会/一般社団法人日本投資顧問業協会
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