現代社会 ラジオ 学習メモ 第 13 回 日本国憲法と民主政治 [日本国憲法の基本原理] 基本的人権の保障 学習のねらい 今回は、基本的人権とは何かについて、「人権のあゆみと自由 権」 、 「社会権の成立」、 「新しい人権」の 3 つの側面から学びます。 人権にはどのような種類があり、それらは何のために必要なのか、 考えて行きます。 講師 杉田 敦 人権のあゆみと自由権 人権とは人が生まれながらにもつ権利であり、人が生きて行くうえで絶対に必要なさまざまな 権利を基本的人権と呼びます。私たちはみな、権利をもつ点で平等であり、日本国憲法では、第 14 条で、いかなる差別も認められないことを定めています。 ▼ 政府によって不当にしばられない権利を自由権と言いますが、自由権はさらに、精神の自由・ 身体の自由・経済活動の自由に分けられます。精神の自由とは、ものを考えたり表現したりする ことの自由です。身体の自由とは、きちんとした手続きなしに逮捕されたりしない権利。そして 経済活動の自由は、自分の考えで職業を選び働くことの自由です。 社会権の成立 自由権は 19 世紀ごろから定着しましたが、20 世紀に入ると、自由権だけでは不十分である ことが明らかになりました。まじめに働いても生活が成り立たないような人びとについては、政 府が生活を保障するなど、積極的にはたらきかける必要があります。これを社会権といい、日本 国憲法では第 25 条で「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」を定めています。 新しい人権 最近ではさらに、いくつかの新しい権利や、権利についての新しい考え方が生まれています。 経済成長によって生活環境が悪くなったことなどから、よい環境の中で暮らすことを権利と見な す環境権が生まれました。 現代では、情報化が進む中で、他人に知られたくないことを守るプライバシーの権利が大切に なっています。他方で、政府の活動を監視するために、国民が知る権利も定着しつつあります。 − 13 − 高校講座・学習メモ
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