人口・資源・食糧問題

現代社会
ラジオ
学習メモ
第 36 回
国際社会と人類の課題 [国際社会の現状と課題]
人口・資源・食糧問題
学習のねらい
人類共通の脅威として、人類全体で取り組んでいかなければなら
ない、人口、資源、食糧という地球規模の課題について考える。
講師
佐藤安信
人口問題
人口の増加は、一般に、多産多死から多産少死へ変化している途上国で激しく起こっている。
同時に、その人口が都市に集中する傾向や都市化現象への進行があるため、都市の居住条件の悪
化がいわれている。他方、日本を含む先進国では、むしろ少産少死が定着し、子どもの死亡率が
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低く、生活のためには、子どもはむしろ少ないほうがよいという考えもあって、一般に子どもが
少なくなってきている。
世界の人口問題は、経済の南北問題の裏返しのようなアンバランスと、それに伴うさまざまな
利害も多く、共通の対策がとれない。
資源問題
資源の多くは先進国の多国籍企業により開発され支配されてきた。途上国が力をつけてくるな
か、自国の資源を自らのものにしようとする、資源ナショナリズムが進展している。
1960 年に結成された石油輸出国の組織である、OPEC(石油輸出国機構)などが世界経済に
大きな影響力をもつ。
エネルギー、鉱物資源だけではなく、今後世界の紛争の火種になる資源として水資源がある。
このまま手を打たなければ、2050 年までに世界人口の 40% がなんらかの形で水不足に直面し、
5 人に1人は深刻な水不足に悩むことになるかもしれない。
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36 人口・資源・食糧問題
食糧問題
先進国では食料が余っているのに、途上国では 5 人に 1 人が、深刻な栄養不足に陥っている。
途上国の中には現金収入を得るために、輸出用のたとえば、バナナやコーヒーなどの商品作物を
栽培し、その一方で、自分たちが食べる食料は、他国から輸入しなければならない。この結果、
食料自給率が下がっているところもある。地球温暖化対策として、穀物から、バイオエタノール
といわれる燃料を生産することによって、ますます途上国の人々の食料が奪われている。国連食
糧農業機関(FAO)は人類の栄養水準の改善のための研究や技術協力などを通じて飢餓問題に
取り組み、また国連世界食糧計画(WFP)はさまざまな食糧支援によって飢餓と貧困の撲滅に
貢献している。
食糧問題、人口問題、資源問題はそれぞれに密接に関係していおり、地球規模の課題として全
人類が協力しないと解決はできない。
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