選挙のしくみと課題

現代社会
ラジオ
学習メモ
第 17 回
日本国憲法と民主政治 [現代政治の特質と課題]
選挙のしくみと課題
学習のねらい
今回は、私たちの政治にとって最も重要な制度である「選挙」
について学びます。選挙はどのような役割をもつのか、そし
て、日本の選挙制度にはどのような特徴があるのかを見たうえで、
18 歳まで選挙権年齢が引き下げられたことの意味を考えます。
講師
杉田 敦
民主政治と選挙
私たち全員が参加するのが民主政治ですが、いつでも直接に参加することはできません。そこ
で、代表を選んで、代表を通じて私たちの声を伝えています。これが代表民主制ないし議会制民
主主義です。歴史的にはようやく最近になって獲得した選挙権を、大切にしなければなりません。
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棄権すれば、社会の中の特定の人びとの意見だけが、過度に反映されることになってしまいます。
日本の選挙制度
選挙制度には、それぞれの選挙区で特定の人を選ぶ選挙区制と、主として政党を選ぶ比例代表
制とがあります。選挙区制には、複数が当選する中選挙区制と、1 人だけが当選する小選挙区制
があります。
日本の衆議院の選挙制度は、第二次世界大戦後、中選挙区制中心でしたが、近年の改革で小選
挙区制に比例代表制の要素を加えたものに変わりました。中選挙区制や比例代表制では少数政党
も議席を得られますが、小選挙区制では第一党が非常に有利となり、強力な与党をつくりやすい
といわれます。
18 歳選挙権の導入
18 歳まで選挙権が引き下げられたのは、諸外国の水準に合わせることに加えて、若いときか
ら政治的関心をもつよう促すことで、投票率の低下への対策になると考えられたからです。
どう投票すべきかを若者が考えられるようにするためには、学校などでの自由な議論が必要で
す。自分たちの社会をどうするか、一人ひとりがよく考えて投票することが大切なのです。
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