学習メモ

政治・経済
学習メモ
第3章 現代社会の諸課題 [第 2 節]国際社会の諸課題
第 40 回
経済援助のあり方を考えよう
講師:升野伸子
今回学ぶこと
発展途上国が豊かになるためには先進国も何か貢献する必要があります。貢献には人
的援助・経済援助などさまざまなものがあります。さまざまな事例を通して、私たちが発
展途上国にできることは何か、どのような関係を築いていけばいいか、考えていきましょう。
アイデア賞 ──こんな貢献もあります
ノーベル賞をもらえるような発明ではないけれど、ちょっ
としたアイデアや、今あるものを応用してちょっとした「し
くみ」を整えることによって、発展途上国の役に立つことは
たくさんあります。
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タイヤ型の水汲みタンク、ソーラークッカー、太陽光での
充電などがそうです。
タイヤ型の水汲みタンク これによって、発展途上国の資源や労力が節約できたり、
教育を受けたり、便利な生活を送ることができるのです。
ソーラークッカー 新しいスタイルの援助
発展途上国の中には、内戦によって国土が荒廃してしまった国も多くあります。その中で
も、地雷は、復興の大きな妨げとなっています。地雷は製造と敷設が簡単で、効果が半永久
的に続く、やっかいなものです。また、その除去は危険な上に手間と時間がかかります。
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経済援助のあり方を考えよう
今回紹介する、雨宮清さんは、カンボジアでの体験をきっ
かけに、地雷除去機を発明されました。この機械によって、
地雷除去のスピードは格段にあがり、除去後の大地は農地に
生まれ変わり、その土地の復興と繁栄に役立っています。こ
のような形の援助もあるのです。
地雷除去機 水路でよみがえる大地
生活していくためには、水が必要です。私たちにとって、蛇口をひねるときれいな水が出てく
るのは当たり前ですが、発展途上国の中には、水を得るために大きな苦労をしなければならな
いところもあり、井戸を掘る援助活動もよくみられます。
井戸は飲み水としては十分ですが、農業を行うには足りません。
今回紹介する国際 NGO・ペシャワール会の中村哲さんは、アフガニスタンに水路を引くこと
で、乾いた土地を緑一面の農地によみがえらせました。この活動資金は、すべて中村さんの活
動に共感する人たちの寄付からなりたっています。
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