DNW-14013 の概要 - 国立研究開発法人日本医療研究開発機構

DNW-14013 の概要
課題番号 :DNW-14013
課題名
:新規抗生物質の開発
主任研究者(Principal Investigator):
関水 和久(東京大学大学院 薬学系研究科*)
*2016 年4月より、帝京大学
医真菌研究センター
課題番号 DNW-14013 について、新たな抗生物質の創出に取り組んでいる。
既存の抗メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)用抗菌剤に対する耐性菌を含め MRSA
全般に有効な新規注射剤を目指している。
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新規物質:黄色ブドウ球菌のカイコ感染モデルを用いて、土壌細菌(Lysobacter 属)
の培養液抽出物ライブラリーより見出した新規抗生物質ライソシン E。
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特徴:
1) ライソシン E は、一部の細菌の細胞膜にのみ存在するメナキノンと結合し、膜
の流動性を変化させ破壊を起こす新規メカニズムによる抗菌剤である。
2) 既存の MRSA 治療薬に低感受性の MRSA 及びメチシリン感受性黄色ブドウ球
菌(MSSA)に抗菌活性を示し、強力かつ迅速な殺菌性を示す(in vitro)
。
3) 肺サーファクタント存在下で抗菌活性を示すので、ダプトマイシンの効かない
肺感染症にも適応の可能性がある。
4) 耐性菌出現率は MRSA 治療薬アルベカシンと同等以下である(10-8)
。
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化合物の生産性:ライソシン E 生産菌株の改良および培養条件の検討を行い、化
合物の生産性を 100 倍程度向上させた(> g/L)
。さらなる生産性の向上を図ってい
る。
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知財対応:ライソシン E の物質および関連特許は取得済みである(日、米、欧)
。
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薬効薬理試験(in vivo)
、安全性試験、代謝試験、物性試験を実施あるいは計画中
である。
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