*グローバル投資環境 No.1327* ご参考資料 髙木証券投資情報部 6会合連続の金利据え置きを全会一 ブラジル中銀の金融政策会合~ 致で決定も、高金利の維持を示唆 2016年4月28日作成 *ブラジル中央銀行は26日から27日にかけて金融政策会合 ▼政策金利及びインフレ率(%) を開催し、政策金利を14.25%で据え置いた。なお、同中銀は 政策金利↓ 14.25% 2013年4月から昨年7月にかけて一時的な中断を挟んで累計 で700ベーシスの利上げを実施した後、足下では6会合続けて 消費者物価↓ 3月 利上げを見送っている。また、直近の3会合は金利据え置きの 9.39% 決定は全会一致ではなく、8名の委員中2名が50ベーシスの利 ▼政策決定理由に関する声明文の表現 上げを主張していたが、今回は前回一致である。但し、政策決 3/1~2 4/26~27 インフレ、とりわけ相対 定の理由について声明文は、「インフレ、とりわけ相対的な価格 的な価格調整の二次 マクロ経済シナリオ、インフレ 的影響を抑制するため 調整の二次的影響を抑制するための戦いが前進していることは 見通しと現在のリスクバラ の戦いが前進している ンスに注意を払うととも ことは理解している 理解しているが、高水準の前年同月比のインフレと、インフレ期 に、国内及びとりわけ が、高水準の前年同 海外面での不確かさを 月比のインフレと、イン 待が目標から大きく乖離していることを考えると、より柔軟な金 考慮して、政策金利を フレ期待が目標から大 バイアスなしで14.25%で きく乖離していることを 融政策の余地を提供していない」と述べており、現在の高金利 据え置くことを決定した 考えると、より柔軟な 金融政策の余地を提 を当面続ける姿勢を示している。 供していない *3月の拡大消費者物価指数(IPCA)は前年同月比+9.39%と ▼GDPの推移(前年同期比、%) なり、5ヶ月ぶりに「Single Digit」におさまっており、2015年の年 初以降急加速したことによるベース効果に伴って、年明けととも に期待されていたインフレの鈍化が、多少のタイムラグを伴って 実現しつつあるといえそうだ。また、鉱工業生産が1月の前年同 月比13.6%減から2月は9.8%減へ、小売売上高も1月の同 ▼鉱工業生産と小売売上高 10.6%減から2月の4.2%減へそれぞれ改善しているが、こちら (前年同月比、%) も、これらの指数の落ち込みが大きくなったのは前年の今頃か 小売売上高↓ らであるという発射台の低さによる部分が大きいとみられる。 *ところで、ブラジル議会下院は4月17日の本会議において、 ルセフ大統領に対する「弾劾」を、可決に必要な総議席の3分 ↑鉱工業生産 の2(342名)を上回る367名の賛成をもって承認、上院で過半 数の賛成が得られれば弾劾法廷が設置されるとともに、ルセフ ▼ボベスパ指数と10年国債利回り 大統領は180日間の停職となり、その間はテメル副大統領が職 務を代行することになる。 *ブラジルの株式市場では1月26日に2009年3月以来の安値 (37,497ポイント)を付けていたボベスパ指数が、4月28日には 54,477ポイントと45%の大幅上昇、債券市場でも10年国債利 回りが大きく低下しているほか、通貨レアルも対米ドルでは昨年 ▼レアル/米ドルと円/レアル の夏から秋口以降に大手格付け各社が「投資不適格」への格 下げを実施する以前の水準を回復するなど、ブラジルの金融市 場は、大統領の交代による投資環境の改善を相当に織り込ん でいるようだが、ルセフ大統領の失職は決まっていないし、仮に 失職が現実のものとなっても、当然のことながら、それで経済や 財政がよくなることが保証されている訳ではないないため、最近 の市場の動きは期待が余りにも先行し過ぎている印象がある。 (文責:勇崎 聡) (出所:ブラジル統計局、ブラジル中央銀行及びBloombergのデータより髙木証券作成) 《ご注意いただきたいこと》当資料は投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資の最終決定はご自身でなさるようお願い いたします。当資料は信頼できると思われる各種データに基づいて作成されていますが、その正確性・完全性を保証するものではありませ ん。株式、債券、投資信託等は、価格の変動や発行者の信用状況の悪化等により投資元本を割り込むおそれがあります。また、当資料の いかなる部分も一切の権利は髙木証券に帰属しており、電子的または機械的な方法を問わず、いかなる目的であれ、無断で複製または転 送等を行わないようお願いいたします。 当社で取り扱う商品等へのご投資には、当該商品等の契約締結前交付書面、上場有価証券等書面、目論見書、お客様向け資料等をよく お読みください。 商号等:髙木証券株式会社 金融商品取引業者 近畿財務局長(金商)第20号 【広告審査済】 加入協会:日本証券業協会 髙木証券インターネットホームページ:http://www.takagi-sec.co.jp/
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