IMFが2015-2016年の世界経済見通しを修正

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2015年4月15日
マーケットレポート
IMFが2015-2016年の世界経済見通しを修正
~日本・ユーロ圏・アジア新興国の見通しが上方修正~
4月14日、IMF(国際通貨基金)は「世界経済見通し」を発表し、2015年の世界経済の実質成長率見通しを今
年1月時点と同じ+3.5%とした一方、2016年は+3.8%と+0.1%上方修正しました。先進国、新興国とも全体では
前回並みの見通しとなったものの、主要な国や地域において跛行性が目立つ結果となりました。
◆先進国の見通しは、原油価格の下落や為替変動が影響
先進国の見通しは、2015年、2016年とも前回と同じ+2.4%となりました。原油安の恩恵や積極的な金融緩和
の効果を背景に日本・ユーロ圏の見通しが上方修正されました。米国はドル高進行が輸出の重石となることか
ら下方修正されましたが、依然として+3%強の高成長を見込んでいます。
◆新興国については、2016年に成長率が加速するとの見通しを維持
新興国については中国では緩やかな成長率の鈍化が続くものの、総じて2016年には回復に向い、世界経済
全体の成長率を引き上げると見ています。新興国間の跛行色は強く、原油ほか一次産品価格の下落を背景
に中東、中南米、アフリカなどで下方修正が目立つ一方、アジア新興国は上方修正されました。
◆金融リスク、地政学リスクなどに引き続き注意
IMFは世界経済の見通しに対するリスクについて、ユーロ圏の景気回復などから経済リスクは減少したとす
る一方、ウクライナや中東の混乱など地政学リスクは増加したと見ています。また原油価格や為替相場の大
きな変動による金融リスクの高まりも警戒しています。特に先行きの米国の利上げなどで米ドルが急騰し、新
興国市場などでの緊張が高まる可能性も指摘しています。
以上
世界経済成長率 (前年比)
2 0 1 5年
地域
世界
先進国
日本
米国
ユーロ圏
ドイツ
英国
オーストラリア ※
新興国
アジア新興国 * 1
中国
インド
ASEAN * 2
インドネシア ※
ブラジル
見通し
3.5%
2.4%
1.0%
3.1%
1.5%
1.6%
2.7%
2.8%
4.3%
6.6%
6.8%
7.5%
5.2%
5.2%
-1.0%
2016年
2015年
1月時点比
0.0%
0.0%
0.4%
-0.5%
0.3%
0.3%
0.0%
-0.1%
0.0%
0.2%
0.0%
1.2%
0.0%
-0.3%
-1.3%
見通し
3.8%
2.4%
1.2%
3.1%
1.6%
1.7%
2.3%
3.2%
4.7%
6.4%
6.3%
7.5%
5.3%
5.5%
1.0%
2015年
1月時点比
0.1%
0.0%
0.4%
-0.2%
0.2%
0.2%
-0.1%
0.1%
0.0%
0.2%
0.0%
1.0%
0.0%
-0.3%
-0.5%
※
オーストラリア、インドネシアは2014年10月時点の見通しとの比較
*1
アジア新興国は出所の分類定義に基づきます
*2
ASEAN はインドネシア、マレーシア、フィリピン、タイ、ベトナム
(出所) IMF「世界経済見通し2015年4月」のデータを基に三井住友トラスト・アセットマネジメント作成
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