IMFが2016-2017年の世界経済見通しを下方修正

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2016年1月20日
マーケットレポート
IMFが2016-2017年の世界経済見通しを下方修正
~新興国経済の減速や原油安の影響を懸念~
1月19日、IMF(国際通貨基金)は「世界経済見通し」の改訂を発表し、2016-17年の世界経済の実質成長率
見通しを昨年10月時点から各々▲0.2%ずつ引き下げ、16年を3.4%、17年を3.6%としました。
◆先進国:国・地域毎で緩やかながらもバラツキのある回復が続く見通し
先進国では、日本や欧州の見通しが10月時点から概ね横ばいとなりました。一方、米国の見通しはドル高に
よる製造業への悪影響や原油安によるエネルギーセクターの設備投資の減少を勘案し、2016-17年とも
▲0.2%の引き下げとなりました。IMFは日本、米国、欧州については依然として緩和的な金融環境が下支えと
なり、安定的な成長が続くと見ている模様です。
◆新興国:米国の利上げや中国の需要鈍化による原油ほか商品価格の下落が重石
IMFは中国について10月時点の見通しを維持しました。しかし2016-17年にかけて成長率鈍化を見込んでお
り、習近平国家主席の「向こう5年間で平均6.5%以上」とする見通しを下回っています。こうした中国景気減速
による世界貿易の伸び悩みや商品価格の下落が資源輸出国の景気回復を妨げると見ています。ブラジルに
ついては大手石油会社の汚職問題による政治混乱で景気後退が従来の予想以上に長期化するとしています。
先行きは、足もと経済が停滞している国の回復によって新興国の成長率は徐々に改善に向かうと見ている
一方、中国の構造改革の動向、米国の金融政策の正常化の影響など下振れリスクは残存すると見ています。
以上
世界経済成長率 (前年比)
2015年
地域
世界
先進国
日本
米国
ユーロ圏
ドイツ
英国
カナダ
オース トラリア ※
新興国
アジア新興国 *1
中国
インド
ASEAN *2
インドネシア ※
ブラジル
トルコ ※
見通し
3.1%
1.9%
0.6%
2.5%
1.5%
1.5%
2.2%
1.2%
2.4%
4.0%
6.6%
6.9%
7.3%
4.7%
4.7%
-3.8%
3.0%
2016年
見通し
3.4%
2.1%
1.0%
2.6%
1.7%
1.7%
2.2%
1.7%
2.9%
4.3%
6.3%
6.3%
7.5%
4.8%
5.1%
-3.5%
2.9%
2017年
2015年
10月時点比
-0.2%
-0.1%
0.0%
-0.2%
0.1%
0.1%
0.0%
0.0%
-0.2%
-0.1%
0.0%
0.0%
-0.1%
-2.5%
-
見通し
3.6%
2.1%
0.3%
2.6%
1.7%
1.7%
2.2%
2.1%
3.1%
4.7%
6.2%
6.0%
7.5%
5.1%
5.5%
0.0%
3.7%
2015年
10月時点比
-0.2%
-0.1%
-0.1%
-0.2%
0.0%
0.2%
0.0%
-0.3%
-0.2%
-0.1%
0.0%
0.0%
-0.2%
-2.3%
-
※
オーストラリア、インドネシア、トルコは2015年10月時点の見通し
*1
アジア新興国は出所の分類定義に基づきます
*2
ASEAN はインドネシア、マレーシア、フィリピン、タイ、ベトナム
(出所) IMF「世界経済見通し2016年1月改訂」のデータを基に三井住友トラスト・アセットマネジメント作成
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