2016年4月7日 投資情報室 新興国レポート インドが追加利下げ インドが半年ぶりに追加利下げ インド準備銀行(中央銀行)は4月5日、政策金利を現行の6.75%から0.25%引き下げ、6.50%にすることを 決めました。昨年9月に0.50%の大幅な利下げに踏み切った後は金利を据え置いており、利下げは半年ぶ りとなります。 準備銀行のラジャン総裁は、現在7%台の経済成長率(注)の勢いを持続させるために金融緩和姿勢を継 続し、更なる追加利下げの可能性があることを明言しました。(注)インドの実質国内総生産(前年同期比) は、2015年10~12月期まで3四半期連続で7%台の成長率を確保しています。 市場の反応と今後の見通し 利下げの幅はほぼ大方の予想通りだったものの、当日のインド市場は、原油安等による世界的なリスク回 避の動き、相対的に安全な通貨とされる円を買う動き等に押されました。株式市場(SENSEX指数)は前日 比2%強の下げ、また10年国債金利は上昇(価格低下)、インドルピーは対円で下落(円高・インドルピー 安)しました。 ラジャン総裁の追加利下げに関する言及は、相場混乱時等の下支え要因になるものと思われます。しかし、 モディ政権が誕生した頃の活況相場の再現には、ラジャン総裁の金融政策に加え、モディノミクスが着実 に進んでいることを投資家に印象付ける必要があると考えます。 現在、休会を挟んで春の予算国会が開かれています。①支出拡大要求に屈することなく、財政規律堅持 を貫く政府予算案を通過させることが出来るか、②モディ首相が掲げる「メイク・イン・インディア」(インドを 製造業の拠点に)実現のための重要課題とされる財・サービス税(GST)(複雑な税体系の簡素化や税収 の安定化等を目的とする税)法案を可決できるのか、その行方が今後の相場展開の鍵を握るものと思わ れます。実現できた場合は、相場の雰囲気が一気に変わることも考えられます。 図表2:インド株式とインド・ルピー(対円)の推移 図表1:インド政策金利の推移 (2013年4月~2016年4月 月次) 8.5 (%) (2016月1月1日~4月5日 日次) 1.85 27,000 (円) 株式(SENSEX指数)(左軸) 政策金利 8.0 26,000 7.5 25,000 7.0 24,000 円/インドルピー(右軸) 1.80 1.75 1.70 インドルピー高 6.5 23,000 6.0 22,000 1.65 インドルピー安 13/4 13/10 14/4 14/10 15/4 15/10 16/4 (年/月) 1.60 1/1 1/21 2/10 出所:図表1~2はブルームバーグデータを基にニッセイアセットマネジメントが作成 ●当資料は、市場環境に関する情報の提供を目的として、ニッセイアセットマネジメントが作成したものであり、特定の有価 証券等の勧誘を目的とするものではありません。 ●当資料は、信頼できると考えられる情報に基づいて作成しております が、情報の正確性、完全性を保証するものではありません。●当資料のグラフ・数値等はあくまでも過去の実績であり、将 来の投資収益を示唆あるいは保証するものではありません。また税金・手数料等を考慮しておりませんので、実質的な投 資成果を示すものではありません。●当資料のいかなる内容も将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。 3/1 3/21 (月/日) 01/01 (審査確認番号H28-TB8)
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