2016年5月16日投資情報室新興国レポートオーストラリア経済とリート市場の動向についてブラジル上院の弾劾法廷設置決定とテメル政権発足  ブラジル上院は賛成多数でルセフ大統領に対する弾劾法廷の設置を可決。ルセフ氏は最大180日間の弾劾裁判へ。  ルセフ大統領は停職となり、テメル副大統領が暫定大統領に就任。テメル氏は就任演説で国民の結束を求める。  テメル暫定大統領は閣僚人事を公表。財務相には市場からの評価が高いエンリケ・メイレレス前中銀総裁が就任。インドが追加利下げ今年4回目  最大野党のブラジル社会民主党（PSDB）からも外務相と都市相に入閣。今後、具体的な経済政策や与野党の政策協調の行方が注目される。上院はルセフ大統領の弾劾審議受入を可決図1：ブラジル上院での弾劾審議の受入決議ブラジル上院議会は5月12日（現地時間）、大統領の弾劾審議受入に関する投票を行い、賛成55票、反対22票の賛成 55 賛成多数で弾劾法廷の設置を可決しました（図1）。今後、上院の弾劾法廷において、ルセフ大統領の弾劾反対 22 裁判が最大180日間にわたって行われることとなります。弾劾法廷では、上院議員の3分の2以上の賛成で大統領の失職が正式に決定となりますが、今回の上院決議では上院定数棄権 1 の3分の2を上回る議員が弾劾審議継続に賛成したことから、ルセフ大統領が弾劾法廷で罷免を覆すことは容易ではない欠席 3 と考えられます（図2）。テメル副大統領が暫定大統領に就任弾劾法廷設置の決定を受けて、ルセフ大統領は公判中は 0 10 20 30 40 50 60 （名）（出所）ブラジル上院（注）上院定数は81名。停職となり、テメル副大統領が暫定大統領として職務を引き継ぐこととなります。5月12日には、テメル氏は大統領就任図2：今後の大統領の弾劾手続きと政治予定後初の演説を行い、危機から脱するため国民の結束を求め、国内外からのブラジルへの信認回復や、財政改革の推進、 2016年4月17日下院本会議が大統領の弾劾動議を可決 2016年5月12日上院本会議で大統領の弾劾法廷設置を可決社会保障政策の維持、汚職捜査の継続などを進める方針を示しました。テメル暫定大統領は財務相など閣僚人事を公表ルセフ大統領は公判中は停職 5月12日にはテメル政権の閣僚人事も公表されました。財務相には市場からの評価が高いとされるエンリケ・メイレレス氏（前ブラジル中銀総裁）、ブラジル中銀総裁にはイラン・上院の弾劾法廷で最大180日間の審議（11月中旬まで）テメル副大統領が暫定大統領に就任テメル政権の閣僚人事と経済政策公表ゴールドファジャン氏（イタウ銀行チーフ・エコノミスト、元中銀経済政策局長）の就任が決まりました。新財務相には、大統領の弾劾審議で出遅れている財政健全化政策の早期の推進が求められることになります。上院議員の3分の2以上の賛成でルセフ大統領は正式に失職弾劾賛成票が3分の2未満の場合、ルセフ大統領は復職正式にテメル氏が大統領へ昇格任期は2018年末までこのほか、最大野党の PSDB からも外務相、都市相、法務相のポストで入閣がみられました。今後は、テメル政権 2018年10月ブラジル大統領選挙　⇒　次期政権の決定の具体的な経済政策の公表や与野党の政策協調の行方が注目されそうです。（出所）各種報道等より ●当資料は、市場環境に関する情報の提供を目的として、レッグ・メイソン・アセット・マネジメントの情報を基に、ニッセイアセットマネジメントが作成したものであり、特定の有価証券等の勧誘を目的とするものではありません。 ●当資料は、信頼できると考えられる情報に基づいて作成しておりますが、情報の正確性、完全性を保証するものではありません。●当資料のグラフ・数値等はあくまでも過去の実績であり、将来の投資収益を示唆あるいは保証するものではありません。また税金・手数料等を考慮しておりませんので、実質的な投資成果を示すものではありません。●当資料のいかなる内容も将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。 1/1 （審査確認番号H28-TB33）