2016年9月12日 投資情報室 (審査確認番号H28-TB139) REITレポート 米国REIT市場の下落について 9月9日の米国REIT市場は前日比4%を超える下げに 以下の要因を背景とした9月20∼21日のFOMC(米連邦公開市場委員会)での利上げ観測の高まり等から、 先週末(9日)の米10年国債金利は1.67%と前日比0.08%上昇し、6月23日(1.75%)以来の高水準とな りました。また、ベイカー・ヒューズ社が発表した米国リグ(石油掘削装置)稼働数が前週比増加したこと を嫌気し、WTI原油先物価格は前日比3.7%下落しました。金利上昇や原油安等を受けてリスク回避の姿勢 が強まり、米国REIT市場は前日比4.01%の下落となりました。下落率は中国の突然の元切り下げ(対米ド ル)等で市場が揺れた昨年8月24日(4.69%)以来の大きさです。 ①ECB(欧州中央銀行)が9月8日の理事会で金融政策の現状維持を決め、量的緩和の期間延長や規模拡大に ついて議論を行わなかったこと、②先週末のボストン連銀総裁等の9月利上げをほのめかす発言 今後の見通し(米利上げ織り込み後、業績拡大等を背景に上昇基調に回帰) 米国REIT市場は、上記FOMCまでは、利上げ観測を織り込む格好で軟調な展開を続けそうです。しか し、仮に利上げが決定されれば、不透明感が後退し、また足元の事前予想を下回る経済指標等を受けて年内 の利上げは終了との見方が強まる可能性があること等から、次第に落ち着きを取り戻すものと考えます。 米国は2004年6月から2006年6月にかけて連続して利上げを行いましたが、米国REIT市場は調整を交え ながら上昇を続けました【図表1】。金利上昇による借入費用増等を上回る収益(賃料等)の拡大が続いた こと、FRB(米連邦準備制度理事会)が景気に配慮しつつ利上げを実施したこと等が要因になったものと 思われます。 現在の米国REITの業績(配当額)は、前年同月比で上記連続利上げ時期を上回る増加を続けています 【図表2】。FRBは今回も景気に配慮しつつ金融政策の舵取りを行い、それが持続的な経済成長をもたら すものと考えます。米国REIT市場はそうしたFRBの政策スタンスや業績拡大観測等に支えられながら、 緩やかな上昇を続けるものとみています。 【図表1】米連続利上げ期の米国REIT指数推移 データ期間:2004年1月∼2006年12月(月次) 650 【図表2】米国REITの配当額推移 7 (%) (ポイント) 米国REIT(左軸) 600 6 米政策金利(右軸) 550 5 500 4 450 3 400 2 350 1 300 0 04/1 04/7 05/1 05/7 06/1 06/7 (年/月) (注1)図表1、2の米国REIT指数:FTSE NAREIT ALL-EQUITY REIT(配当除き、現地通貨ベース) (注2)配当額(指数ベース)=(米国REIT指数×配当利回り)×100 (出所)図表1、2はブルームバーグデータを基にニッセイアセットマネジメントが作成 ●当資料は、市場環境に関する情報の提供を目的として、ニッセイアセットマネジメントが作成したものであり、特定の有価証券等の勧誘を目的とする ものではありません。実際の投資等に係る最終的な決定はご自身で判断してください。●当資料は、信頼できると考えられる情報に基づいて作成して おりますが、情報の正確性、完全性を保証するものではありません。●当資料のグラフ・数値等はあくまでも過去の実績であり、将来の投資収益を示 唆あるいは保証するものではありません。また税金・手数料等を考慮しておりませんので、実質的な投資成果を示すものではありません。●投資する 有価証券の価格の変動等により損失を生じるおそれがあります。●手数料や報酬等の種類ごとの金額及びその合計額については、具体的な商品を 勧誘するものではないので、表示することができません。●当資料のいかなる内容も将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。 商 号 等:ニッセイアセットマネジメント株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第369号 1/1 加入協会:一般社団法人投資信託協会 一般社団法人日本投資顧問業協会
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