少子高齢化により産業構造に変化

2016年8月25日
投資情報室
(審査確認番号H28-TB121)
金融市場NOW
少子高齢化により産業構造に変化
就業者、介護や保育で増加
 2015年国勢調査はグローバル化と産業構造の変化が顕著に表れる結果に。
 前回調査に比べ、介護や保育士が増加。高齢化によるニーズの増加や女性の社会進出が要因か。
 人口の減少により人手不足は深刻に。業績が伸びない産業は衰退が進むことも懸念される。
総務省が公表した2015年の国勢調査(抽出速報)は、グローバル化と少子高齢化による
産業構造の変化を映し出す結果となりました。介護などのサービス業の働き手が増えた一方、
製造業は海外展開の拡大と大手の業績不振で減少となりました。
就業者が増えたのは社会保障分野で、2005年の前回調査と比べ、介護は24.7%、保育士は
18.4%それぞれ増加となりました。小中高の教員は減少したものの、幼稚園教諭は2割近く
増加しました(図表1)。高齢化により介護ニーズが増加し、女性の社会進出も進んだものと
みられます。保健医療分野の増加も顕著であり薬剤師は16.3%増加で同分野全体の伸び率を
上回りました。しかし、助産師は減少傾向にあり、子どもを産み育てやすい環境づくりには
まだまだ課題がありそうです。
就業者が増加するサービス業に対して、製造業や建設業などの第2次産業は減少基調にあり
ます。自動車の組み立てや検査で働く人は増加しているものの、大手電気機器メーカーの
経営不振等が響いているようです。
人口の減少により人手不足は深刻さを増しています(図表2)。業績が伸びない産業は就業者
が集まらず、衰退が進む恐れも懸念されます。
図表2:主な業種別の雇用人員判断DI(2016年6月調査)
図表1:主な職業の就業者数
宿泊・飲食サービス
対個人サービス
対事務所サービス
電気・ガス
情報通信
卸・小売
建設
増加
自動車組み立て
非製造業
製造業
保育士
運輸・郵便
2015年
不動産・物品賃貸
2010年
介護サービス
0
幼稚園教諭
-3
-10
建設・土木作業
-6
-17
-20
電気機械器具組み立て
-21
減少
飲食店主・店長
-30
助産師
-40
-24
-25 -26
-27
-33
非製造業の内訳
0
50
100
150
200
250
(万人)
-41
-43
-50
(%ポイント)
※雇用人員判断DIは「過剰」−「不足」
出所)図表1は総務省「国勢調査」、図表2は日銀短観のデータを基にニッセイアセットマネジメントが作成
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