情報提供資料 イタリアの国民投票は反対多数 2016年12月5日 イタリアの憲法改正を問う国民投票は反対多数で、レンツィ首相は辞任を表明。 市場ではある程度織り込まれていたと考えられるが、構造改革の停滞や政治リスクの高ま りを通じて、中長期的にイタリアの金利に上昇圧力がかかると予想される。 国民投票は反対多数に 図表1 イタリア国民投票の結果 12月4日(現地時間)、イタリアで憲法改正を問う国 民投票が実施されました。日本時間の午後6時2分時点 におけるイタリア内務省の公表によると、賛成が (%) 70 40.89%、反対が59.11%と憲法改正反対が大きく上回 60 ることになりました(図表1)。 50 投票の内容は上院の権限縮小などを目的とした憲法 改正案の是非を問うものでした。しかし、レンツィ首 40 相が投票否決時に辞任する可能性を示唆したことなど 30 から、政権に対する信任投票としての性格が強まって 20 いました。 反対多数の背景としては、現政権に対する不信感が 高まっていたことがあげられます。欧州各国でEUなど 59.11% 40.89% 10 0 賛成 既存の枠組みに反対する動きが強まる中、イタリアで は既存体制に批判的な政党の五つ星運動が支持率を伸 ばす一方、与党民主党の支持率は伸び悩んでいました。 今後の見通し 短期的には、国民投票否決が金融市場に与える影響 出所:イタリア内務省のデータを基にアセットマネジメントOneが作成 (注)2016年12月5日午後6時2分時点(日本時間) 図表2 イタリアとドイツの10年国債利回りの推移 は、以下の理由から限定的であると予想されます。 2014年1月2日~2016年12月2日:日次 ①世論調査で反対が賛成をやや上回っていた (%) 4.0 ②既存の政治的枠組みに反対する動きが世界的にみ 3.5 られていた ①、②などの理由から、投票の否決は金融市場であ る程度織り込まれていたと考えられます。 3.0 2.5 2.0 1.5 しかし中長期的には、経済・政治の両面に影響を与 1.0 え、イタリアの金利に上昇圧力をかけると見込まれま 0.5 す。まず経済面では、これまで労働市場改革などを主 0.0 導してきたレンツィ首相が辞任を表明していることな どから、イタリア経済の構造改革の停滞が予想されま 反対 -0.5 14/1 14/7 15/1 15/7 16/1 す。イタリア金利の高止まりが続いている背景には、 ドイツ10年国債利回り 政治的な不透明感のほかに、銀行の不良債権問題や慢 イタリア10年国債利回り 性的な低成長に伴う格下げ懸念なども関係しています。 16/7 (年/月) 出所:ブルームバーグのデータを基にアセットマネジメントOneが作成 これらの問題の解決が先送りにされる可能性が高まれ ば、イタリアの資産のみならず、共通通貨ユーロにも 下押し圧力がかかると見込まれます。 ※上記グラフは、将来の経済、市況、その他の投資環境にかかる 動向などを示唆、保証するものではありません。 ※巻末の投資信託に係るリスクと費用およびご注意事項を必ずお読みください。 商 号 等 / アセットマネジメントOne株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第324号 加入協会/ 一般社団法人投資信託協会 一般社団法人日本投資顧問業協会 1 次に政治面では、既存体制に反対する五つ星運動が政治的な影響力を強める可能性が高まります。第1党と なった政党に過半数の議席が与えられる現在の選挙制度のもとでは、五つ星運動が政権を獲得することも視野に 入っており、以下の理由から政治リスクを高めると考えられます。 ①直接民主主義的な政治スタイルを目指しており、EU離脱を問う国民投票の実施などを主張している ②既存の勢力に反対する運動としての色彩が強く、同党出身の新市長のもとでローマ市政の混乱が見られた ように、政権担当能力に対しては懐疑的な見方が強い 実際には、現与党の民主党が選挙法の改正を実施してから総選挙に踏み切ると予想されることや、五つ星運動 が他党と協力しない姿勢を打ち出していることなどから、政権に参画する可能性は低いと見込まれます。しかし、 最大野党として今後のイタリアの政治に影響を与えるケースは十分に考えられ、政治的不透明感が強まることで、 金融市場にマイナスの影響を与えると予想されます。 (2016年12月5日 ※巻末の投資信託に係るリスクと費用およびご注意事項を必ずお読みください。 18時10分執筆) 2 投資信託に係るリスクと費用およびご注意事項 【投資信託に係るリスクと費用】 ● 投資信託に係るリスクについて 投資信託は、株式、債券および不動産投資信託証券(REIT)などの値動きのある有価証券等(外貨建資産には為替リス クもあります。)に投資をしますので、市場環境、組入有価証券の発行者に係る信用状況等の変化により基準価額は変 動します。このため、購入金額について元本保証および利回り保証のいずれもありません。 ● 投資信託に係る費用について [ご投資いただくお客さまには以下の費用をご負担いただきます。] ■お客さまが直接的に負担する費用 購入時手数料 :上限4.104%(税込) 信託財産留保額:上限0.5% 公社債投信およびグリーン公社債投信の換金時手数料:取得年月日により、1万口につき上限108円(税込) その他の投資信託の換金時手数料:ありません ■お客さまが信託財産で間接的に負担する費用 運用管理費用(信託報酬):上限 年率2.6824%(税込) ※上記は基本的な料率の状況を示したものであり、成功報酬制を採用するファンドについては、成功報酬額の加算に よってご負担いただく費用が上記の上限を超過する場合があります。成功報酬額は基準価額の水準等により変動する ため、あらかじめ上限の額等を示すことができません。 ■その他費用・手数料 上記以外に保有期間等に応じてご負担いただく費用があります。投資信託説明書(交付目論見書)等でご確認ください。 ※上記に記載しているリスクや費用項目につきましては、一般的な投資信託を想定しております。 費用の料率につきましては、アセットマネジメントOne株式会社が運用するすべての投資信託のうち、徴収するそれぞれ の費用における最高の料率を記載しております。 ※税法が改正された場合等には、税込手数料等が変更となることがあります。 【ご注意事項】 ●当資料は、アセットマネジメントOne株式会社が作成したものです。 ●当資料は、情報提供を目的とするものであり、投資家に対する投資勧誘を目的とするものではありません。 ●当資料は、アセットマネジメントOne株式会社が信頼できると判断したデータにより作成しておりますが、その内容の完 全性、正確性について、同社が保証するものではありません。また掲載データは過去の実績であり、将来の運用成果を保 証するものではありません。 ●当資料における内容は作成時点のものであり、今後予告なく変更される場合があります。 ●投資信託は、 1.預金等や保険契約ではありません。また、預金保険機構および保険契約者保護機構の保護の対象ではありません。加 えて、証券会社を通して購入していない場合には投資者保護基金の対象ではありません。 2.購入金額について元本保証および利回り保証のいずれもありません。 3.投資した資産の価値が減少して購入金額を下回る場合がありますが、これによる損失は購入者が負担することとなり ます。 3
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