日銀が金融政策の据置きを決定 - ニッセイ アセットマネジメント

2016年12月22日
投資情報室
臨時レポート
(審査確認番号H28-TB258)
日銀が金融政策の据置きを決定
○○○○○○○○
景気判断を1年7ヵ月ぶりに上昇修正するも金融政策は据置き
 日銀は12月20日、金融政策決定会合で現行の「長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)
付き量的・質的金融緩和」の据置きを決定。
 長期金利の操作目標据置き決定や黒田日銀総裁の会見を受け、金利急騰のリスクは後退か。
 日銀は以下の金融政策の据置きを決定しました。
(1)長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)
・短期金利:日銀当座預金の内、政策金利残高に0.1%のマイナス金利を適用する。
・長期金利:10年国債金利がゼロ%程度で推移するよう、長期国債の買入れを行う。買入れ額は概ね現状
程度の買入れペース(保有残高の増加額年間約80兆円)をめどとする。
(2)資産買入れ方針
・ETF(上場投資信託)及びJ-REITについて、保有残高がそれぞれ年間約6兆円、年間約900億円
に相当するペースで増加するよう買入れを行う。CP等、社債等について、それぞれ約2.2兆円、約3.2
兆円の残高を維持する。
 黒田日銀総裁は、会合後の会見で次のような内容を語りました。①景気の総括判断を一歩進めた(1年
7ヵ月ぶりに上方修正)、②現在の円安は驚く水準ではない、③海外金利の上昇に応じて国内金利が上
がることを容認するものではない、④消費者物価2%目標達成のためには強力な金融緩和を推進してい
くことが適切。
 米大統領選後の金利上昇や株高、円安・米ドル高を受けて、日銀が今回の会合で10年国債金利の目標
をゼロ%程度から引き上げるとの見方や、ETFの買入れ額を減額する可能性を指摘する声もありまし
た。しかし、黒田総裁は会見で、当面は現状の金融政策を維持する方針を示しました。
 黒田総裁が改めて国内金利の上昇をけん制する姿勢を示し、また現在の円安水準を容認する発言を行っ
たことで、日米金利差の拡大や日銀為替介入リスクの後退観測が強まり、円安・米ドル高が進み易い環
境となることも想定されます。円安が進めば輸出関連企業の、また国内金利上昇懸念が後退すれば、借
入金が相対的に多いJ-REITの支援材料になることも考えられます。
図表1:日米金利動向
(%)
図表2:国内株式とJ-REIT市場動向
データ期間:2016年1月4日∼12月20日(日次) (%)
0.4
2.8
データ期間:2016年6月30日∼12月20日(日次)
130
(※)2016年6月30日=100として指数化
米国10年国債金利(左軸)
日本10年国債金利(右軸)
0.2
120
2.0
0.0
110
1.6
-0.2
100
-0.4
90
2.4
1.2
1/4
3/4
5/4
7/4
9/4
11/4(月/日)
国内株式(TOPIX)
J-REIT(東証REIT指数)
6/30
8/31
10/31
(月/日)
出所)図表1∼2はブルームバーグデータを基にニッセイアセットマネジメントが作成
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