熊本大学学術リポジトリ Kumamoto University Repository System Title 八代市東南上宮山巡検会報告 Author(s) 元島, 威 Citation 熊本地学会誌, 29: 15-16 Issue date 1968-11 Type Departmental Bulletin Paper URL http://hdl.handle.net/2298/27766 Right 八代市東南上宮山巡検会報告 九リIljll女学院高元島威 今回の巡検は定期バス利用、当日早朝より 熊大研究生の森下君を臨時の案内者として決 小雨、しかし集合時刻8時頃には雨は上がっ 行することになった。宮地より徒歩約’5分 ていた。出発時案内者として予定された田代 余り、途中白亜系砥用層に貫入した流紋岩等 正之先生と連絡不充分で会えず、出発時刻と を見ながら第一の目的地、砥用屑(最近松本 1968は、砥用付近の砥用層と区別し宮地層 寂ってしまったので途中乗車されることを期 待し約20名目的地へと向った。期待ははづ としている)の化石産地に到着。含化石層は れ、目的地へ着いた。一同の希望で巡検は、 本地域で、砥用層下部層の上部に属する喋岩 −15− 柵誕 宮地 の ルコーズ砂岩の上位に、とぶし大の磯を主と する砥用層基底楽岩が、かなり凹凸のある面 腰・良 識 を境として重なっている。この不整合で球磨 川右岸、肥薩線沿線で観察されるということ である。 この地域の基底喋岩は、やや赤色泥基質を有 し、その他の点でも砥用地域のいわゆる砥用 層のそれと多少岩相を異にする点など問題で あろう。駁後に山道を上り、八代層中部層の シルト∼頁岩中から化石を採集した。 で喋径は1m以下、チャート操が目立弐 Pterofrigonia,ABfarfe,NaLfhea,アンモナ イト等かなり多数の標本が得られた。 産出化石はQOycymeris,Anthorya Acanthotrigon垣,要terotrigcnia.Cucullea, これらの化石は、松本(1953)、速水 等であったが、硬い上に保存も悪く、良い標 (’妬5-66)よると下部白亜系宮古流上部 本は少ないようであった。次の目的地への途 (Albian)を示すとされている。以上の化 上、八代地域に分布する白亜系、本地域の砥 石を採集した後、諸々の話に花を咲かせ左が 用層と砥用町に分布する砥用層の化石相の相 ら帰路についた。最後に、臨時の案内者とし 違、問題点等の話題に終始した。 て、終始努力してくれた森下君に深謝すると 第2の目的地は、八代府とその上位の砥用層 共に、今後連絡の徹底に期待したい。 の間の不盤合を観察した。優白色の八代層ア −16−
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