熊本大学学術リポジトリ Kumamoto University Repository System

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Kumamoto University Repository System
Title
熊本県化石産地めぐり(9) : 御船層群産化石
Author(s)
田村, 実
Citation
熊本地学会誌, 14: 7-10
Issue date
1964-09
Type
Departmental Bulletin Paper
URL
http://hdl.handle.net/2298/26817
Right
熊本県化石産地めぐり(9)
(文)熊大・教育
(化石図)青海中
実之
御船層群産化石
田村
田代
一 一
止
熊本市から最も近い化石産
地はというと河内芳野村岳∼
川床産(金峯山カルデラ堆積
層産)の化石らしからぬ植物
蕊
零
化石を除けば誰でも御船層群
のものをあげ為だろう。単に
噌型下
距離的に近いというだけでな
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四一
く、化石の産出量が多いこと
又中生代白亜紀という長い年
下
輿をそそり、又立派な教材と
表為j言うたものである。
御船層群からの化石採集会
は昭和38年3月21日粒表北
浜、
戸
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建奏矛
して、ここの化石は蒐集家の
鍔毒木
化石であ為という点などから
︺御碕川
月をへてい石ので化石らしい
川
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緑川
方の御船川川底附近で行われ
た。その報告記は第7号に第
一高校徳山康浩先生の手にエってい掲載され
研究されたが、化石の研究は殆ど行われてお
てい鳥。
らず輯松本先生が御所浦で研究されたものと
御船展群は鹿児島県獅子島(天野先生が化
の共通種以外では古生物学的に特別興味のあ
石について報告しておられ為)や熊本県天草
る通・tBu]mtOajapo型Cusが九大岡田博
郡御所浦島に分布す為御所浦層郡と同時代の
有博士により記載されP亜ctada(EC鯉c
地層で、獅子島や御所浦島から産出する化石
tada)matsu皿oto工を私が記載した以外
(例えばPBeudoasaPh:isjapomcuB
にはほとんど正式の化石名がわかってい左い・
函tsumo・toや両Caユユユsta”(Pser1do垂
…極s)c蚕e、型at回sma:tsumoto左ど
御船眉群は飯田山附近を北東東から西南西
方向に走為線を向斜軸とす愚向斜構造をもろ、
基部の操岩(北方では300泥土、南方では50
)がここからも産出す為。ただ御所浦から三
角貝が最も多量に産出去るのにここでは南西
部の堅志田区以外では極めて少〈、又アンモ
ナイトを全然産出しないので、御所浦から北
東方向にのびた内湾性の環境に堆溌した地層
だろうと推定されてい為。
御船層群の地質は九大教授松本達郎先生が
丸士)下部層(砂岩を主とし、北部では450
"z、南部では750ツγ修)、上部層(赤色泥岩や
青色砂岩を主とし慾灰緑色の凝灰岩薄層をは
さむ厚さ700,,+)の3部に分れ、化石は中
部眉から貝化石を慾上部層の緑色砂岩から植
物化石を産出す肩。植物層石はプラスナスに
巳 、 宙
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きな変遷期(自亜紀中頃に裸子植物の栄えた
BPpnCe軍th土UmnBp.(大型の巻貝)、
PBeudoaBaphユs。apomcuB等を産出する。
中植代から被子植物の栄え為新植代にかわる)
浅の薮南方700mで、間所東方700mの附近
直後のものである。座女木附近に産す為が全
や力石から浅の薮に通ずる道路わきが産地で
体の形がはっきりしたものはとりにくい。
あ為。
近いPmtoPhyUum属のもので、植物の大
既に述べた‘にうに貝化石は中部層のみから
上梅木・粒麦地区には下位に小型化石に富
産し、小型(1cm、士.)の二枚貝及巻貝が密集
む層が、より上部に大型の恩atgumotoa
して産するものと、比較的大型(1cm以上)
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の二枚貝又は巻貝を産す為層とがある。化石
nCerithユu、1,sp・を含む砂岩がある。堅い
産地は極めて多く一々あげることは出来ない
が。川内田地区、浅の薮力石地区、上梅木・
砂岩崖のをのには非常に保存のよい大型のも
粒麦地区、堅志田地区は最も多産ナ為地域で
産地であ為。旧の滝水中学校より水越に至為
のを産す為。御船川斜面及川底のものはこの
ある。川内田地区は川内田部落から間近に通
県道を60m程行った露岩のところには30
ずる道路の左側崖(川内田より600東)が
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産地で小型の化石とPBeudOasaPhyB
jalpO皿cuBその他を産出し誰でも採集出来
matgumotoiが密集して産す為。あこやが
為があまりよい保存のものが得られない。浅
の薮力石の地区では小型大型の化石とも多産
いやしるちようがい等の真珠貝の租先形とし
て重要なものである。この産地エリ県道を更
にすすみ角をまがった附近からさきに小型化
し、種類も多く、当時の貝殻がそのま室保存
石の密集帯があ肩。又旧滝水中学校から粒麦
されている保存度のよいものがあ局。
部落に通ずる道路わきからも小型化石を産ナ
図版の恥vicu1agP9mmatBumotoa
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局ところが2ケ所あ為。
堅志田地区は御船層群の分布域としては最
,-----------------…御船層群産化石)----------------------可
I18PseudoasaphユsjaL,onユcuBMatsumotO,X1,川内田東方産
’2:AstarteBp.,X2,浅蔽南方産
’3:MatsumotoajaponユcusOKada,X1,粒麦北方御船川の斜面産
,4:"Ca,…,伽u……S)…nu…側at…。,X↑’’
1西山西方(堅志田地区)
’5:Acanthotrigoniaog己質aユ(Yehara),X1,西山西方産
|b:Suiquasp.,X1,上梅木
’7:NavicUユasp.,X2,西山西方産
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’9:”Septirer''sp.,X1,粒麦西方
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3b'4b,6,7b’8bは殻の内型を示し、他は外面の様子を示す。
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