Page 1 Page 2 奥野 義規 論文審査の要旨 論文題目 グラフト型高分子

熊本大学学術リポジトリ
Kumamoto University Repository System
Title
グラフト型高分子固定化DMAPの開発とそのフロー反応シ
ステムへの応用
Author(s)
奥野, 義規
Citation
Issue date
2016-01-15
Type
Thesis or Dissertation
URL
http://hdl.handle.net/2298/34789
Right
奥野
論 文題 目
義規
論 文 審 査 の要 旨
グ ラ フ ト型 高 分 子 固 定 化DMAPの
開 発 と そ の フ ロー 反 応 シ ス テ ム へ の
応用
審査 内容
著 者 は,ア シ ル 化 触 媒 と して 有 用 なDMAPを
グ ラ フ ト型 高 分 子 に 担 持 させ た 新 規 触 媒g-DMAP
を 設 計 ・合 成 し,こ れ を 充 填 剤 と し た フ ロ ー リ ア ク タ ー シ ス テ ム を 構 築 し て ア シ ル 化 反 応 に 応 用
す る こ と に 成 功 した.以
1.エ
下 に,そ
ス テ ル 化 剤TCB-DMAPを
の 成 果 を 具 体 的 に 示 す.
合 成 して そ の 反 応 性 を 精 査 し,計 算 機 化 学 の 手 法 を 用 い てDMAP
の 反 応 機 構 を 明 らか に し た.
2.ポ リエ チ レ ン を 基 材 と して ポ リ ア ク リル 酸 を グ ラ フ ト重 合 し たPE-g-PAAを
担 体 とす るDMAP
担 持 グ ラ フ.ト型 高 分 子 固 定 化 有 機 触 媒
学 顕 微 鏡,Fr-IR,
CP-MAS,EDX,元
「g-DMAP」
を 設 計 ・合 成 し,sEM,光
素 分 析 な ど の 手 法 に よ りそ の 構 造 を 明 ら か に し た.ま
反 応 に 利 用 し,架 橋 型 ポ リ ス チ レ ン を 担 体 と し たPS-DMAPに
た,実
比 べ てg-DMAPの
際 に アセ チル 化
触媒活性 が著 し
く高 い こ と を 見 出 した.
3.g-DMAPを
テ フ ロ ン 素 材 の リア ク タ ー に 詰 め,送 液 ポ ン プ で 基 質 や ア シ ル 化 剤 の 溶 液 を 流 す フ
ロ ー リア ク タ ー シ ス テ ム を 構 築 し た.反
応 終 了 後,適
性 を維 持 す る こ と が 分 か っ た.ま
ン バ リ ン グ ア ッ プ 実 験 で は,リ
た,ナ
切 な 後 処 理 に よ り,g-DMAPは
高 い触 媒活
ア ク タ ー の8本
並列化に
成 功 した.
4.新
た に 開 発 したBoc20/g-DMAP法
時 間 の 点 でg-DMAPを
を 用 い た ア ミ ノ酸 の エ ス テ ル 化 反 応 で は,化
用 い た フ ロ ー 法 が,従
学 収 率や 反 応
来 のバ ッチ 法 に 比 べ て 極 め て有 用 で あ る こ とが分 か
っ た.
これ らの 研 究 結 果 は,g-DMAPが
フ ロー 系 にお い て有 機 分 子 触 媒 と して有 効 に機 能 す る こ とを
初 め て 明 ら か に した も の で あ り,持 続 可 能 な 産 業 を 目指 す グ リー ン サ ス テ ィ ナ ブ ル ケ ミ ス ト リー
の 発 展 に 大 き く貢 献 す る も の で あ る.
よ っ て,本
論 文 は 博 士 の 学 位 論 文 と し て 十 分 値 す る も の で あ る と判 定 した.
審査委員
分子薬化 学分野
教授
中島
誠1骸
5'c=_員
倉購
教授
石塚
忠男 ㊧
審査委 員
生命分析化 学分野
教授
森岡
弘志/\
分子設 計学分野
・