第9回 演習

解析電磁気学演習 (9)
導体系 (およびこれまでの復習)
以下の問に答えよ。真空の誘電率を ε0 [F/m] とする。
1 真空中に図 1 に示すような、半径 a [m] の導体球 (導体 1) と、導体球の中心から d [m] 離れた位置に十分
小さな導体 (導体 2) がある導体系を考える (d > a とする)。導体 2 は十分小さいため、導体 1 に電荷を
与えてできた電界分布に影響を及ぼさないものとする。導体 1 を接地し、導体 2 に電荷 Q [C] を与えた
とき、静電誘導によって導体 1 に現れる電荷を求めよ。
導体系 解答の指針
• 導体系の電位係数などは電荷や電位によって変わりません。導体系の位置・形状のみに依存します。従って、
問題に「導体 i に電荷 Q を与え、…」などとあっても、電位係数を求める際は無視して好きな電荷や電位を
与えて OK です。
• 単一の導体に電荷を与えたときに、各導体がどのような電位をとるかを求めることで電位係数が得られます。
• pij = pji を用いましょう。
• 電位係数や電荷、電位を求める際に、以下の操作が利用できます。
– 導体を接地する、即ちその導体の電位を 0 とする
– 導体を細い導線で結ぶ、即ち導体の電位を等しくする
2 半径がそれぞれ a [m], b [m] の二導体球 (A, B) が十分な距離 d [m]( a, b) 離れて存在しており、その中
心はそれぞれ rA = 0̂、rB = dx̂ である。十分な距離があるため、導体球が帯電したとき周囲にできる電
界は、互いに影響を及ぼさないものとする (即ち、帯電した導体表面の電荷分布は、孤立した導体球と変
らないものとする)。この二導体間の静電容量 C [F] を求めよ。
p•r
3 電気双極子が作る電位は ϕ(r) =
で与えられる。電気双極子が作る電界 E(r) を求めよ。
4πε0 r 3
a
d
1
図 1: 導体系
2