配布資料 - 東京電機大学

フーリエ解析
2015 年度後期
工学部 2 年
環境化学科 (火曜 3 限 / 2602 教室)
担当: 原 隆 (未来科学部数学系列・助教)
1 講義内容
(シラバスより抜粋)
「周期関数を三角関数の無限和で表現する」というジョゼフ・フーリエの画期的なアイデアに端を
発するフーリエ解析は、その後様々な形で改良され、現在では信号処理や画像解析など工学系所分野
に於ける数学的手法として必要不可欠なものとなっている。本講義では、フーリエ級数およびフーリ
エ変換・フーリエ積分の基礎事項および偏微分方程式への応用について解説する。 2 講義の進め方
基本的にシラバス (UNIPA 参照) に沿って講義を行います。また、講義の最後に 小テストを実施
し、成績に反映させます。
本講義では (1 変数) フーリエ解析の基礎事項を扱います。前半では周期関数のフーリエ級数展開
を扱い、「周期が無限大の場合の極限」として関数のフーリエ変換について学びます。応用として、
偏微分方程式の初期値・境界値問題 (波動方程式、熱方程式など) の解の求め方についても学習しま
す。時間が許せば、量子力学、量子化学的な現象がフーリエ解析の観点からも観察出来ることにも触
れたいと思います。
3 評価について
毎週実施する小テストの点数と学期末考査の点数 に基づいて評価します。より具体的には
小テストの成績 (最大 30 点) + ( 学期末考査の点数 ) × 0.7 と 学期末考査の点数 100% のうち得点の高い方を本講義の評点とします (小テストについては後述します)。
- 出席点は基本的に 一切 考慮しません。
講義に出席する際には一応カードリーダーへのタッチをすることが推奨されますが、タッチの
し忘れや認証ミスがあったとしてもあまり神経質になる必要はありません。
- 本講義では講義時間中になかなか問題演習の時間が取れないため、演習問題のプリントを適宜
配布 します。演習問題のプリントは自習用ということで講義中には特に触れませんが、小テ
ストの問題は 演習問題のプリントの類題 が出題 されると考えて下さい。
また、演習問題のプリントの内容も 学期末考査の範囲に含めます。
4 教科書及び参考書
教科書:
数学教育研究会編 『フーリエ解析と偏微分方程式』 (東京電機大学出版局)
但し、以下の参考書のうち畑山さん、壁谷さんの本を教科書として用いても構いません。
参考書:
あくまで一例です。
- 畑山到著『工学基礎 フーリエ解析とその応用』 (数理工学社)
- 壁谷喜継著『フーリエ解析と偏微分方程式入門』 (共立出版)
どちらも適度な分量で、標準的な内容を扱った教科書。畑山さんの本は、フーリエ解析の基礎
事項の後に偏微分方程式、高速フーリエ変換、ラプラス変換などの応用が扱われており、関連
する話題が豊富。一方壁谷さんの本では波動方程式、熱方程式、ラプラス方程式という基本的
なタイプの 2 階偏微分方程式について丁寧に解説している印象です。お好みのものをどうぞ。
- E. クライツィグ著『フーリエ解析と偏微分方程式』(培風館)
- エリアス M. スタイン, ラミ シャカルチ著『フーリエ解析入門』 (日本評論社)
より本格的にフーリエ解析を勉強したい人向け。前者は工学的な応用や、偏微分方程式の立式
過程などについても詳しく書かれたより実学的な本。後者はフーリエ解析をより数学的観点か
ら扱っており、フーリエ級数の収束性などについてもきちんと丁寧に扱っています。
- トランスナショナル・カレッジ・オブ・レックス編『フーリエの冒険』(ヒッポファミリー
クラブ)
数学を全く知らない人をも対象として、フーリエ解析を解説しようとする意欲的な本。イラス
トなどを豊富に取り込み、所謂「数学書」らしさを一切感じさせない本。また、三角関数や
オイラーの公式あたりから解説されているので、数学が苦手な人には自習教材としてお薦め。
『微分積分学および演習』の内容をしっかり理解している人にとってはちと冗長かも。
5 小テストについて
本講義は週 1 コマの講義であり、講義時間内に問題演習の時間が殆どとれません。フーリエ解析を
使いこなせるようになるためには問題演習が不可欠であり、出来れば毎回の講義の内容に合った問題
演習を自主的に行っていただきたいところですが、自発的に毎週の講義内容を復習するだけのモチ
ヴェーションを保ち続けるのは実際には非常に困難だと思います。
以上の状況を鑑みて、本講義では 毎回の講義時に小テストを実施する ことにします。
- 小テストは原則として 講義開始時または終了時の 10–15 分程度 を利用して実施します。
- 小テストでは ノート・参考書等の参照は一切認めません。
- (毎週実施する場合は) 1 回の小テストは (大体) 7 点満点とし、上位 5 回分の得点の合計点 を
小テストの点数とします (最大 30 点 / 30 点以上は切り捨て)。
- 原則として小テストの内容は、前の講義をきちんと聞いていたかを確認するチェック問題と
その前の回に実施した問題演習の類題 を出題するつもりです。
6 受講に関する注意
- 必ず UNIPA 上で 指定期間内に 履修登録して下さい (履修登録しなかった場合、学期末の学
力考査を受験出来ない場合があります)。
- 学期末試験終了後、試験の講評を UNIPA およびウェブページ上に掲載する予定です。また、
希望者には学期末試験の答案を返却します (詳細は後日追って連絡します)。
- わざわざ銘記するまでもないですが、他の受講者の迷惑となる行為(私語、携帯電話、徘徊
etc……)は厳に慎んでください。大学生ともなれば社会的には立派な「大人」です。周囲の利
益にも配慮しつつ、自らの行動には自ら責任を取れる様に心掛けましょう。
7 質問の受付、講義情報
Web: http://www.cck.dendai.ac.jp/math/~t-hara/Lectures/2015/Fourier.html
※ UNIPA のシラバスにリンクを貼っていますが UNIPA のページではありません (!)
メールアドレス:
[email protected]
オフィスアワー:
毎週木曜日 16:30 – 17:30, 4 号館 40903A 室にて
Web ページには講義メモ及び配布物のファイルをおいておきます。
質問は講義前後及びオフィスアワーにて受け付けます。上記オフィスアワーでは都合が悪い方は、
私の都合がつくときであれば対応しますのでメールでアポイントメントをとって下さい (メールでの
質問も歓迎します)。また、数学系列の他の先生のオフィスアワーを利用されても構いません。
メールを出す際は、タイトルに用件を銘記した上で、学科、学籍番号、名前等の送信者の情報が分
かるようにして出す様にして下さい (相手が分からないメールには返信しません)。また、学力考査の
成績に関する質問には応じません。