配布資料

微分積分学および演習Ⅰ
2015 年度前期
工学部・未来科学部 1 年
EC・FI 科 (火曜 4 限及び金曜 3 限 / 2602 教室)
担当: 原 隆 (未来科学部数学系列・助教)
1 講義内容
(シラバスより抜粋)
ニュートンとライプニッツにより創始され、その後さまざまな数学者によって築かれてきた微分積
分学(解析学ともいう)は自然科学の基礎であり、この 300 年間の科学技術の発展を支えてきた。し
たがって、微分積分学は諸君が工学を学んでいくために欠かせない基礎知識である。
この講義では、高校で学んだ内容に引き続いて1変数関数の微分積分を学ぶ。
標準クラス(週2回開講)は、高校の数学 Ⅲ で複素数平面、三角関数、指数・対数関数の微分
積分を学んだ者を主な対象とする。 2 講義の進め方
基本的にシラバス (UNIPA 参照) に沿って講義を行います。また、適宜問題演習を実施します。
前期で学ぶ内容は高校での学習範囲と重複する部分も多いですが、大学で新たに学ぶ概念では特に
テイラーの定理とテイラー展開、定積分の定義と微分積分学の基本定理 が重要な項目となります。
時間が許せば、ε-δ 論法や実数の連続性等のより厳密な微分積分学の取り扱いについて、そのごく
入門的な部分も簡単に紹介出来ればと考えています (これ等の概念は、3 年次開講自由科目「解析学」
でより詳しく扱われます)。
3 評価について
基本的に学期末の 学力考査の成績 のみ に基づいて 評価を行います。
- 出席点は基本的に 一切 考慮しません。
講義に出席する際には一応カードタッチをすることが推奨されますが、タッチのし忘れや認証
ミスがあったとしてもあまり神経質になる必要はありません。
- 講義時間中に十分な演習時間が取れない場合等、任意提出式のレポート問題 を出題する場合
があります。こちらも基本的に成績評価には反映させないので提出は任意ですが、レポート問
題も学力考査の出題範囲に含めます。
なお、万が一学力考査での成績が単位取得可否ラインぎりぎりであった場合には、出席状況及びレ
ポート提出状況を加味する 可能性も あります (そのような事態に陥らないように頑張りましょう)。
4 教科書及び参考書
教科書:
石原繁・浅野重初著『理工系入門 微分積分』 培風館
但し、講義自体は特に教科書に沿って行うとは限りませんし、教科書に載っていない事項を扱う場
合もあります (オイラーの公式等)。
参考書:
微分積分学の参考書は実に様々なものが出版されていますので、色々と見比べて自分に合っ
たものを色々探してみて下さい。自分に合った参考書を使うのが一番です。以下に挙げたもの
はあくまでも私が気に入っているものですので、万人受けするものではないかもしれません。
- 三宅敏恒著『入門微分積分』 裳華房
コンパクトながらも必要なことが過不足なく書かれた本。定理の証明なども (ε-δ 論法は使っ
てはいませんが) なるべくきちんと書くように配慮されています。定理の証明などを省略した
り誤魔化したりする本があまり好きではない方向け。
- 田島一郎著『イプシロン-デルタ』 共立出版
- 田島一郎著『解析入門』 岩波全書
ε-δ 論法や実数の連続性等、抽象的で初学者が躓き易い概念を丁寧に、分かりやすく、具体例
に則して解説した名著 (しかも薄い!!)。直観的な説明や計算だけでは物足りない人向け。
- 高木貞治著『定本 解析概論』岩波書店
微分積分学の基礎を網羅したまさに古典的名著。ただし論理的、抽象的な議論が至る処で展開
されるので最初はかなり取っ付きづらい (が読めば読む程味が出る)。上級者向け。
5 問題演習の時間について
- 問題演習の時間は基本的に (周囲の迷惑にならない範囲で) 何をしていただいても構いません。
教科書、参考書を見ながら解き進めても構いませんし、友達と相談しながら解くのも良い勉強
になると思います (その際は周囲に配慮してあまり大声にならないように気を付けましょう)。
勿論私に質問してもらっても構いません。テストなどとは異なりますので、気軽に問題に取り
組んで下さい。問題演習の時間を有意義に使えるかどうかは皆さんに委ねられています。
- 本講義の問題演習は 指名して黒板で解答を発表してもらう形式 で答合わせをします。大教室
ですので、指名された方は なるべく大きな文字で 解答を書くようにご協力をお願いします。
また、解答の文字が見えづらいなどの問題が生じた場合には 席を移っても構いません。
- 問題の解答発表の回数や正誤は 成績評価とは一切関係ありません。間違えたとしても何故間
違えたのかを復習することで大変良い勉強になります。誤答を恐れずに積極的に発表しま
しょう。
なお、指名時に返答されなかった場合、たとえカードリーダーにタッチしていたとしても
その時間は欠席扱い とします のでご了承下さい (昨年度「居留守」の事例が散見されたため)。
6 受講に関する注意
- 必ず 指定された教員のクラス を受講して下さい (4 月 1 日実施の基礎学力調査に基づく)。
- 必修講義ですが、必ず UNIPA 上で 指定期間内に 履修登録して下さい (履修登録しなかった
場合、学期末の学力考査を受験出来ない場合があります)。
- わざわざ銘記するまでもないですが、他の受講者の迷惑となる行為(私語、携帯電話、徘徊
etc……)は厳に慎んでください。大学生ともなれば社会的には立派な「大人」です。周囲の利
益にも配慮しつつ、自らの行動には自ら責任を取れる様に心掛けましょう。
7 質問の受付、講義情報
Web ページ: http://www.cck.dendai.ac.jp/math/~t-hara/Lectures/2015/calculus1.html
※ UNIPA のシラバスにリンクを貼っていますが UNIPA のページではありません (!)
メールアドレス:
[email protected]
オフィスアワー:
毎週木曜日 16:30 – 17:30, 4 号館 40903A 室にて
Web ページには講義メモ及び配布物のファイルをおいておきます。
質問は講義前後及びオフィスアワーにて受け付けます。上記オフィスアワーでは都合が悪い方は、
私の都合がつくときであれば対応しますのでメールでアポイントメントをとって下さい (メールでの
質問も歓迎します)。また、数学系列の他の先生のオフィスアワーを利用されても構いません。
メールを出す際は、タイトルに用件を銘記した上で、学科、学籍番号、名前等の送信者の情報が分
かるようにして出す様にして下さい (相手が分からないメールには返信しません)。また、学力考査の
成績に関する質問には応じません。