宿主細胞内における病原細菌の生存戦略 〜細菌と宿主オートファジーの

宿主細胞内における病原細菌の生存戦略
〜細菌と宿主オートファジーの相互作用〜
国立感染症研究所・細菌第一部
小川道永
オートファジー(自食作用)は細胞が栄養飢餓状態に曝された場合に、オル
ガネラを分解しリサイクルする現象である。近年、オートファジーが感染防御
機構として機能していることが明らかになってきている。一方で、赤痢菌、リ
ステリア菌、レジオネラ菌をはじめとする病原細菌はオートファジーによる殺
菌を回避し、感染を成立させる。本講義では、病原細菌に対するオートファジ
ーの誘導メカニズムの概略、そして赤痢菌に対する宿主側のオートファジー認
識機構、それに対する菌側のオートファジー回避戦略を紹介する。