技術コラム41-AVS innovating measurement technology TM ウエハがピン上で歩く現象は、横向きの振動が与える加速度が静摩擦係数を動摩擦係 数に変化させ、小さい動摩擦係数を振動の加速度が超えてしまうからです。 F0 ウエハがピン上に発生する摩擦 F0(静摩擦係数μ0)によっ て保持されている。 F0=μ0×mg mは質量、gは重力加速度 CyberOptics Semiconductor Inc. 技術コラム No.041 mg ウエハの滑り現象は何故起こるのか? Fa Fa ウエハがチャックされていない状態においてウエハが滑る現象は、どのような原理や法則で発生しているので しょうか?今回は摩擦力について調べてみました。 摩擦力とは:(Wikipedia参照) ざらざらで水平な机の上で、ある質量をもった物体を水平方向 に引っ張る場合と、なめらかな氷の上で同様に物体を引っ張る 場合とでは、その物体を動かすのに要する力は明らかに異なる。 ざらざらな机の上に置いた方が、何らかのより大きな力が水平 逆向きに働いたからにほかならない。 質量を持った物体が動いている時、その物体の進行方向逆向き に働く力を動摩擦力という。 また静止している物体を動かそうとする際に働く摩擦力を静止 摩擦力という。 大きい力 ざらざらな机の上 Fa F1 Fa どこかに存在する振動源(Fa)が、ピンとウエハを揺らして、 横方向に動かすと、その力は以下の式で計算される。 Fa=ma (横方向の力、aは加速度) ウエハはピン上に発生する摩擦 F1 (動摩擦係数μ1)に よって保持される。 F1=μ1×mg F1 (動摩擦係数μ1)はF2(静摩擦係数)よりも常に小さい F1 < F0 (μ1 < μ0、クーロンの法則による) mg F1 < Fa (μ1×g < aの場合)となり、ウエハが動く。 小さい力 なめらかな氷の上 摩擦の計算上ではウエハの荷重に直接影響を受けません。動摩擦係数に影響されることが大きいので、 それを測定するには、ピンとの接地面には実際のウエハを使用する必要があります。 振動センサによる横方向の加速度測定 0.09g、38810 0.13g、38802 アモントンの法則 1)摩擦力は垂直荷重に比例する こと 2)摩擦力が見かけの設置面積に よらないこと イタリアのレオナルド・ ダ・ビンチ (1452年-1519年) フランスのギヨーム・ア モントン(1663年- 1705年) クーロンの法則(1785年) 1)静止摩擦力が動摩擦力よりも大きいこと 2)動摩擦力は速度によらず一定であること。 加重をP、比例定数をμとすれば摩擦力Fは F=μP である。 左図は、ロードロックが下降 して停止する際の減速時に 横方向に振動しているデー タです。 ウエハが動いているかどう かは、別途カメラウエハと実 際のウエハと同じ裏面形状 を持ったターゲットウエハに て確認する必要があります。 この振動のピーク値(加速 度と周期)から左下の計算 により、移動距離や速度を 計算することが出来ます。 (エクセルファイルを添付し ます) 複数のピーク値における加速度と周期測定により、周 期当たりの速度変化量や移動距離がわかります。 このときに比例定数μを摩擦係数と呼び、面及 び物体の材質や表面状態(凸凹など)によって 定まる。なお、この値は同摩擦力と静摩擦力 で異なる為、動摩擦係数、静摩擦係数とそれ ぞれ呼ぶ。 フランスのシャルル・ド・クーロン (1736年-1806年) しかしながら実際に一定の荷重、速度で摩擦 係数の測定を行うと、摩擦力が数%-数1 0%は変動する場合もある。いわゆるスティッ ク・スリップ現象という摩擦力が周期的に大き く変動する現象が現れることもある。 カスタマーサポート 国内担当:林幸信 電話:0803974-0253 Email:[email protected] 日本語ホームページ:www.jp.cyberopticssemi.com 9130 SW Pioneer Court, Suite D Wilsonville, Oregon, 97070, USA Phone: +1-503-495-2200 FAX: +1-503-495-2201 E-mail: [email protected] Web: www.CyberopticsSemi.com 技術コラム41-AVS
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