H27年1月30日 ポプラ2月号

ポプラ
本町だより
HP : http://www.koganei.ed.jp/~honchoes/
平成27年1月30日
第14号
小金井市立本町小学校
TEL : 042(383)1147
FAX : 042(382)2047
単元を貫く言語活動
副校長
本校では、国語の授業に「単元を貫く言語活動」
黒木
智道
単元を貫く言語活動「読書マラソンをして、読
を取り入れ、子供たちに言語の力を身に付けさせ
後感を伝えるミニポスターをかこう」については、
る校内研究を実施しています。文部科学省による
次のように考えています。
と、「ここで音読する」「ここで話し合う」といっ
授業では、着眼点(登場人物、色彩描写、季
たばらばらの活動ではなく、児童が自ら学び、課
節を表す情景描写など)によって読後感がどう
題を解決していくための学習過程を明確化し、単
変化するかを学習する。「初雪のふる日」の授
元を貫く言語活動を位置付けることが必要である
業を開始すると同時に、同作者の他作品を並行
としています。そこには、「日常生活に必要とさ
して読み始める。1冊読むごとに読後感を記録
れる記録、説明、報告、紹介、感想、討論などの
していく。
言語活動を行う能力を確実に身に付けることがで
授業で学んだ読後感とその根拠(叙述)のと
きるよう、継続的に指導することとし、課題に応
らえ方を活用して、一番気に入った本のミニポ
じて必要な文章や資料等を取り上げ、基礎的・基
スターをかく活動をする。
本的な知識・技能を活用し、相互に思考を深めた
他の学年では、授業で身に付けた知識や技能を
りまとめたりしながら解決していく能力の育成を
活用できる有効な言語活動を、子供の様子に応じ
重視する」というねらいがあります。
て次のように設定しています。
1月には、中学年の各学級で研究授業を実施し
1年生:一枚紙芝居をしよう。
ました。「初雪のふる日」という単元において、
2年生:音読劇をしよう。
単元を貫く言語活動を「読書マラソンをして、読
3年生:物語を読んで、紹介スピーチをしよう。
後感を伝えるミニポスターをかこう。」にしまし
5年生:友情のきっかけを見つけよう。
た。物語「初雪のふる日」の特徴について、4年
6年生:宮沢賢治でビブリオバトルをしよう。
担任は次のように分析しています。
今年度実施した、児童・生徒の学力向上を図る
言葉によって立ちのぼってくる物語の世界
ための調査(東京都教育委員会)では、読み解く
に、「怖い」「ぞっとする」といった思いを抱
力に関する内容の結果が、都全体の平均を10%
くのは、物語の力、言葉の力を実感できる大切
以上、上回っていました。このことは、本校での
な体験である。安房直子氏の作品は、本作品の
研究実践の成果であると考えています。細かく見
ように、少し不気味で、でも美しい、独特の世
ると、「話し合ったことを基礎に今後の行動を決
界を表現しているものが多い。本作品との出会
める」や「資料から必要な情報を取り出す」「物
いをきっかけに読書の幅を広げたい。
語の組み立てが読める」等について70%以上の
物語の魅力を味わわせることで、他の作品を読
子供が正答することができました。しかし、「資
んでみたいという意欲を高めようとしています。
料を比較検討する」こと等、さらに力を付けさせ
4年生の教室前の廊下には、安房直子氏の本がず
るべき課題もあります。引き続き、言語活動を充
らりと準備してあり、いつでも子供たちが読書で
実させ、子供たちに「生きる力」を育てることの
きるようにしてあります。
できる教育活動を研究・実践いたします。