学びの丘イメージキャラクター まなぶくん 小学校教育実践研修(国語科) ~国立教育政策研究所 教育課程調査官 水戸部 修治 氏を招いて~ 小学校教育実践研修は、国語科の授業における児童の思考力・判断力・表現力等の育成を目指して、6月と8 月の研修及びそれらの研修内容を生かした実践を交流する研修(11月実施予定)の3回構成で実施されます。 6月25日(紀南の部) 、6月26日(紀北の部)に行われた第1回研修では、国立教育政策研究所 教育課 程調査官 水戸部 修治 氏をお招きしました。 午前の講義では、中央教育審議会答申等の内容にも触れながら、 「単元を貫く言語活動」についての詳しい御 講義と、 「単元を貫く言語活動」を位置づけた国語科の授業の様子を映像で見せていただきました。午後は、授 業づくりのため、受講者が「単元構想シート」を作成する演習を実施しました。 講義・演習について、受講者から、 「アクティブ・ラーニ ングの具体的な実践例を知ることができたので、非常に参考 になりました。 」 、 「これまでぼんやりとしか意識してなかっ た言語活動や協働的な学習について、そういうふうに考えれ ばよいのかという発見の連続でした。 」 、 「実際の授業や子ど もたちの様子を見せていただいてわかりやすかった。 」など の感想が寄せられました。 また、今後の教育実践に向けて、 「まずは、まねからはじ 国立教育政策研究所 めます。 」 、 「2学期の読む単元で、 『単元を貫く言語活動』を 水戸部 修治 調査官 による研修の様子 位置づけた授業を行いたいと思います。 」といった感想も寄 せられました。研修での学びをきっかけに、これまでの授業を振り返り、新たな実践に取り組んでいただけたら と考えています。 8月24日(紀北の部) 、8月25日(紀南の部)に実施する第2回研修では、 「単元を貫く言語活動」を授業 実践されている大分大学教育福祉科学部附属小学校 指導教諭 山田 眞由美 氏をお招きする予定です。 受講者の皆さんには、8月の研修においても、学びを深めていただきたいと考えています。 1学期が終わろうとしています・・・ 初任者のみなさん、 有意義な夏にして ください。 みなさんは、これまで、子どもたち と充実した日々を過ごす一方で、教科 指導や学級運営、生徒指導について悩み、 試行錯誤しながら実践を積み重ねてきたことと思います。 「初任者であるから」ということで、子どもたちへの指導で萎縮してしまった経験を持つ方がいるかもし れません。「できれば、失敗せずに終わりたい」と思いがちですが、教師が消極的になっては、子どもた ちの成長は望めません。溢れんばかりの情熱を持って、教師自らが不得意な分野等にチャレンジする姿を 示していくことも大切です。 しかし、そうは言っても、様々な苦難に出会うことがあるでしょう。そんな時は、一人で解決しようと せず、周りの先生方に相談するようにしてください。自分一人では気づかなかったことを教えてもらえる はずです。 さて、まもなく夏休みです。リフレッシュするとともに、1学期をじっくりと振り返る良い機会です。 有意義に過ごして、元気に2学期をむかえましょう。 連載コラム 特別支援教育の視点から ♯5 「特別支援学級」と「通級指導教室」について ◆「特別支援学級」と「通級指導教室」 みなさんは、 「特別支援学級」と「通級指導教室」をご存じですか。この両者は、それぞれ違う学びの場なので すが、どちらも小・中学校に在籍する障害のある子どもを対象としているため、混同されることもあります。 「特別支援学級」は、障害のある子どもを対象とし、障害の程度等に応じたきめ細かな配慮に基づいた指導を行 うために、小・中学校等に設置することができる少人数の学級です。障害種ごとに、知的障害、肢体不自由、病弱・ 身体虚弱、弱視、自閉症・情緒障害などの学級が設置されています。 基本的には、小・中学校の学習指導要領に沿った教育を行うことになっていますが、特に必要がある場合は、障 害の種類、程度等に応じた「特別な教育課程」を編成して指導することができます。在籍する子どもは、特別支援 学級での授業を中心に学校生活を送りますが、子どもの状態等に応じて、通常学級に在籍する子どもと一緒に学習 する“交流及び共同学習”を行うことも必要とされています。 「通級指導教室」は、小・中学校の通常の学級に在籍する軽度の障害のある子ども(特別支援学級の対象者を除 く)に対して、障害に応じた特別な指導を行うための「特別な学びの場」です。対象の子どもは、各教科の指導を 在籍する学級で受けつつ、障害に応じた特別な指導の時間の時だけ、 「通級指導教室」に移動して授業を受けるこ とになります。障害に応じた特別な指導とは、障害にもとづく種々の困難の改善・克服を目的とするもので、たと えば、言語障害のある子どもに対して、正しい発音や発語を指導すること(言語指導)が挙げられます。 通級の形態としては、自校に設置されている学級に通う「自校通級」と、設置されていない場合、近隣の設置校 に通う「他校通級」の2つの方法があります。 対象の障害種としては、言語障害、自閉症、情緒障害、弱視、難聴、学習障害(LD) 、注意欠陥多動性障害(A DHD)などが想定されています。 今、インクルーシブ教育システムの構築に向け、 特別支援教育が着実に推進されています。このシステ ムでは、障害のある者とない者が同じ場で共に学ぶこ とを追求すると同時に、個別の教育的ニーズのある子 どもには、それぞれのニーズに応じた連続性のある 「多様な学びの場」を用意しておくことが必要とされ ています。障害のある子どもの教育的ニーズに応じた 指導・支援を行う「特別支援学級」や「通級指導教室」 は、今後ますます重要な役割を果たすことが期待され ています。 【参考資料】 ・ 「共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のための特別支援教育の推進(報告) 」 文部科学省(2012年) ・ 「通級指導教室担当教員の手引き」和歌山県教育センター学びの丘(2014年) ・ 「特別支援学級担任の手引き」和歌山県教育センター学びの丘(2013年) ・ 「Q&Aと先読みカレンダーで早わかり!通級指導教室運営ガイド」笹森洋樹、大城政之編著 明治図書出版(2014年) ・ 「特別支援教育 No.56 平成26年 冬」文部科学省編 東洋館出版(2014年)
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