単元を貫く言語活動を位置づけた国語科の授業改善

第14回
ちゅうでん教育振興助成(平成26年度)
報告書資料
学校名・団体名
HPアドレス
コ
ー ス
活動・研究
テ ー マ
一般-90
安来市立十神小学校
http://www.city.yasugi.shimane.jp/fp/tokami-es/
学校支援
単元を貫く言語活動を位置づけた国語科の授業
改善
〈活動・研究の意義、目的〉
単元を貫く言語活動を位置づけた授業改善により、教師の国語科の指導
に対する意識改革を図る。併せて国語科学習を中心として児童の豊かな
言語活動を取り入れた主体的、課題解決的な学習意欲・態度・技能を養
う。
<活動・研究報告>(時期 内容 成果や子どもたちへの効果などを記入。A4用紙1枚以内で)
(1)実施の内容 ・校内研究によって授業改善を図る。
ア「単元を貫く言語活動を位置づけた国語科の授業」
イ「学校図書館を有効活用した授業」
(2)実施計画
平成26年5月 今年度の研究計画策定。
6月 単元を貫く言語活動を位置づけた国語科授業年間カリキュラム、学校図書館を活用した
授業の学年別年間指導計画の作成 ほか。
6月~12月 校内授業研究および全国の先進校視察。水戸部先生著書での学習。
8月 全国学力テストおよび県学力テストの結果分析と授業改善への具体策検討。
平成27年1月28日(水)十神小学校研究発表会 開催
160名参加(安来市及び島根県内から多数参加)
・授業公開 1年国語 4年国語 6年国語(司書、司書教諭 図書館を活用して)
・研究発表 (研究主任)
・指導と講演(文部科学省教科調査官 水戸部修治先生)
「育成すべき資質・能力を踏まえた授業づくり~国語科におけるアクティ
ブラーニングの具体化」
2月 研究成果の収録と配布。
(3)実践内容
ア 単元を貫く言語活動を位置付けた国語科の授業への取組
従来の指導では教材文をていねいに読むことに時間をかける形が一般的でどうしてもできる児童のみが活
躍する授業になりがちであった。また、国語科においては学習でどんな力がついたのかわかりにくく、児童
にとって好き嫌いの激しいところがある。「つけたい力」をはっきりさせ、単元を通じて個別に具体的な目
標や作業課題を明確にした「単元を貫く言語活動」を位置づけた授業スタイルにどの学級においても計画的
に取り組んだ。
人事異動の大きな今年度(半数13名の異動)では年度当初の共通理解が重要であり、松江教育事務所よ
り指導をいただいた。この学習スタイルでは教材をもとに、発展的に好みの図書を読み深めたり個別読書を
通じて指導事項を達成する学習であり、そのための多くの図書の準備が必要となる。学校司書等とも連携し
て並行読書を生かした学習展開にすることができた。
(授業への取組例) ※は1月28日研究発表会の公開授業
※ 1年 自分の大好きを紹介しよう(教材 おとうとねずみチロ)
2年 動物クイズをつくろう(教材 ビーバーの大工事)
3年 働く犬を紹介しよう(教材 盲導犬の訓練)
※ 4年 調べたことをポスター発表で報告しよう(教材 報告します、みんなの生活)
5年 森林のすばらしさを紹介カードにしよう(教材 森林のおくりもの)
※ 6年 平和のメッセージを伝え合おう(教材 ヒロシマのうた)
イ 学校図書館を活用した授業
学校図書館を活用した授業によって情報の活用スキルを具体的に指導し、
・課題設定・付箋や情報カードの
活用・辞典辞書の利用方法・要約の仕方・プレゼンの仕方等々を学年系統に準じて計画的に指導することで
「習得した知識や技能を活用すること、
「考えをまとめて論述」「考えをまとめて表現すること」の能力育成
に取り組んだ。常勤学校司書が常にいる図書館を中心に司書教諭が週9時間程度各学級についてTTT授業
を行ったことは大きな成果を見出した。26年10月、27年1月、2回の市内外公開授業においても広く
成果を紹介することができた。
(4)成果
・アの取組によって児童が主体的に学習のねらいを持続的に追及し、個々に満足感や成就感をもって学習を進
める姿となって現れた。授業改善の具体が教員に浸透したことは成果として大きい。
・イの図書館活用教育を推進することで児童の情報活用スキル、多様な表現、コミュニケーション能力の育成
につながった。司書教諭の意欲的な推進により教員が図書館活用の具体的なあり方を理解できたことは成果
として大きい。これらの取組を、広く他の学校、教職員に発信できたことも本事業の大きな成果である。財
団に対して深く感謝したい。