研究主題 確かな読みをつくり 確かな読みをつくり考えを をつくり考えを深める 考えを深める国語科学習指導 深める国語科学習指導 ~単元を貫く言語活動の在り方を通して~ 1 主題の意味 (1) 「確かな読み」とは、 目的を持って文章などを読み、その中の語句や文を関係づけて意味を見いだし、感想を持ったり考え をつくることに生かしたりすること。 読みとは、言葉や文の意味を正しくとらえ、それらを関 係づけて書き手の意図や伝えたい意味を見いだして、自 分の考えを持つことであるが、それを確かにするために は、読み手が「何のためにその文章などを読むのか」とい う目的を持って読むことが必要である。目的を持つこと により、文章などから何を取り出すのか(情報・表現の工 夫・書き手の意図・文章の良さ等)が明確になり、文章を 読む視点ができる。この「読む視点」が読みを確かにし、 読んで取り出したことを自分の考えに生かすことにつな がっていく。本研究では、子どもたちがただ読むのではな く目的を持って文章等を読む学習を行うことで、読みを確かにする学びの在り方を究明する。 (2)確かな読みをつくり考えを深めるとは 読み取った情報や内容、表現などに対して自分の考えを言葉や文で表現する活動を通じて、文章の内 容や表現をより深く理解し、自分の考えを作ることに生かしたり新たな考えを見いだしたりすること。 子どもたちが自分の目的(~づくり、~発表 会、~討論会、~新聞、等)を持って文章に働き かけ、文章から情報や表現の仕方、文章構成等を 取り出して自分の目的に生かす活動の中で、各 種の言語機能を駆使し、思考、判断、表現の力を 繰り返し働かせる。このことを通して、子どもた ちは単元でねらいとする言語の力を身につけ、 また思考力・判断力・表現力を高めていく。文章 に対する考えや、自分自身が持つ考えを、読みを 深める中で深めていくことが、国語科でねらう 言葉の力をも高めることになるように、適切な 目的(活動)を位置づけ、子どもたちが主体的に 考えを練り上げ深める学習の仕組み方を究明していく。 - 199 - 2 副主題の意味 (1) 「単元を貫く言語活動」とは 単元でつけたい国語の能力を確かに身につけるために、子どもたちの主体的な思考・判断が生かされ る目的達成となるよう、適切な言語活動を、単元全体を通して一貫したものとして位置づけること。 子どもたちが読みを確かにし、自分の学習や生活に生かすことができるためには、目的を持った主体的 な読みが生まれる言語活動の設定が必要である。また、当該単元でつけたい指導事項である国語の能力を 身につけるために必要不可欠な手だてとしての活動を、適切に選択し位置づける必要がある。つまり、ど んな「言語活動」を選択し、どのように位置づけるのかを検討することが重要になる。 教材文の読み(二次) 教材文の読み(二次) 目的・ 課題設定 情報の分析 や解釈 目的に沿っ た情報の取 出し 単 元 内容や表現の 吟味や批評 目的達成・ 課題解決 を 貫 く 言 語 活 動 (評価) 並行読書 特に「読むこと」の単元においては、従来、単元をつらぬく言語活動を位置づけ、それを見通すような 導入の工夫をしても、教科書教材を読む展開部(二次)では、言語活動とは無関係に場面ごと段落ごとに 読みとりを展開しがちであった。これでは子どもたちの主体的な思考・判断ができにくくなり、指導事項 を十分指導できない場合が多く見られた。 この反省を踏まえ、本研究では、単元の指導事項を指導し、子どもたちが言葉の力を身につけるのに適 した言語活動を選択して位置づけ、思考・判断を駆使し表現に生かすことができるように、言語活動の位 置づけ方を研究する。言語活動の特性を分析し、育成する言語の能力との関係を考えて、単元の学習活動 に組み込んでいくことで、子どもたちの主体的な活動を通して、単元の指導事項が身に付き、思考力・判 断力・表現力が高まる授業展開を明らかにしていきたい。 3 研究の目標 子どもが確かな読みで考えを深めるために、課題意識を持ち目的を持って読む単元を貫く言語活動を位 置付けた国語科学習指導のあり方を究明する。 4 研究の仮説 国語科の学習指導において、以下のことを工夫すれば、子どもの確かな読みが身に付き、考えを深め 研究推進組織 ることができるであろう。 ① 指導事項と言語活動の関係を明確にし、適切に位置づける。 (指導内容の明確化) ② 発達段階に応じて、言語活動の位置づけ方を吟味し、単元を構成する。 (単元構成の工夫) - 200 - 研究推進委員会 校長 教頭 香月 ○日高 藤野 角 平野 石橋 末安 高倉 調査・評価部 低学年部 (校長) 中学年部 (教頭) 高学年部 (香月) 日常指導部 〇藤野 浅田 日高 細波 角 小出 野中 栗原 ●石橋 丸山 〇谷川 岩熊 白水 豊田 入部 〇高倉 古瀬 ●末安 木原 道永 渕上 〈調査・評価部〉 研究に関わる子どもの実態調査を行い、1年間の変容をまとめ、報告する。 〈日常指導部〉 研究に関わる基礎・基本の力をつけるために、わかくすタイムなどでの活動内容や校内研究に関わる 環境整備について提案する。 ○は学年部(低学年・中学年・高学年)の長 ●は研究部(環境部、調査・研究部)の長 - 201 -
© Copyright 2024 ExpyDoc