グローバル・マクロ・ トピックス

グローバル・マクロ・
トピックス
2016/
3/16
投資情報部
シニアエコノミスト
折原 豊水
ブラジルレアルは前大統領の入閣報道で反落
 ブラジルの1月経済活動指数は前月比で11ヵ月連続のマイナス。消費や生産の低迷が影響。景
気は政治的な混乱が収束し政策に対する信認が回復するのかにかかっている面が大きい。
 レアルはルラ前大統領の入閣受諾報道を受け反落。入閣により逮捕を免れることや同氏の政
治力により連立パートナーの離反を食い止めたい意向のようだ。政権交代が遅れるといったこと
や、政策的により景気刺激にシフトする可能性もあり、財政悪化やインフレリスクへの懸念も。
 レアルは商品市況の反発等、外部環境に支えられるなか、政治情勢の進展次第でボラタイルな
展開が続くとみられる。
1月経済活動指数は
11ヵ月連続のマイナ
ス
実質GDP成長率との連動性がみられるブラジルの2016年1月経済活動指数は前
月比▲0.6%と11ヵ月連続のマイナスとなった。前年同月比では▲8.1%と10ヵ月連続
のマイナスで12月(同▲6.2%)から悪化した。基礎統計である小売売上高や鉱工業
生産等の悪化が続いていることが影響している。
背景には、①インフレ圧力や金融引き締め、雇用の悪化による個人消費の弱含
み、②国営石油大手ペトロブラス等の資源関連企業の投資削減、③景気悪化にと
もなう稼働率の低下や資金調達コストの上昇による設備投資の弱含み-等が影響し
ているとみられる。輸出数量は持ち直しており、輸入数量は大幅なマイナスとなって
いることで純輸出はいくぶん下支えしているものの、内需の低迷を補いきれていな
い。
今後については、インフレ圧力が先行きやや緩和すると見立てのもと、政府サイド
からの利下げ圧力もあって、ブラジル中銀が2016年中に小幅利下げを行うとの観測
が出てきている。電力料金の値下げ等によりインフレ圧力がやや緩和すると当方で
もみているが、財政改革姿勢の後退が懸念され、インフレ期待がくすぶるなかでの
拙速な利下げは中期的なインフレリスクを高める可能性にも留意したい。財政面で
は政府は景気に配慮して大幅な歳出カットは見送り、増税による歳入増を目指す。
ただ、注目された金融取引暫定負担金(CPMF)は政治的な混乱が続くなか、議会
の反発により成立が不透明となっている。このため、金融・財政政策面からの景気
下支えは当面、限定的とみている。
こうしたなかで中国の景気刺激策や業界再編に対する期待により、鉄鉱石や原油
価格が反発しており、こうした動きが続けば輸出や資源関連企業の投資の悪化に
この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する
最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全
性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随
時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。
1
2016/3/16
グローバル・マクロ・トピックス
徐々に歯止めがかかることも見込まれる。ただ、ブラジルの政策に対する期待は依
然として低迷しており、景気の反転のきっかけになる材料としては政治的な混乱が
収束すること等にかかっているとみている。
(%)
ブラジルの実質GDP成長率と経済活動指数(前期比)
(四半期:2006/3~2016/1)
4
3
2
1
0
▲1
▲2
▲3
▲4
▲5
06
07
08
09
10
実質GDP成長率
11
12
13
14
経済活動指数
15
16
(年)
(注) 経済活動指数(生産等の供給サイドから作成)は16年1月、GDPは10-12月期まで
GDP算出方法の変更により過去分が修正される可能性がある
出所:CEIC、ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成
レアルはルラ前大統
領の入閣受諾報道で
反落
ブラジルレアルは、国営石油大手ペトロブラスの汚職疑惑捜査で逮捕された建設
大手幹部が2010年大統領選挙において、ルセフ大統領に贈賄を行ったと証言した
ことや、ルラ前大統領が複数の企業から賄賂を受け取っていた疑惑に関し逮捕状
が請求されたことにより、3/11には一時1ドル=3.57レアル台までレアル高となった。
市場の信認が低いルセフ大統領の弾劾の可能性や後ろ盾となってきたルラ前大統
領への捜査進展により政権交代に対する期待が生じたことが大きいとみられる。
3/13には再び政府に対する全国的な大規模抗議デモが行われ、全国で300万人
以上が参加したとの報道もみられる。
ただその後、3/15にはルラ前大統領がルセフ大統領の要請により入閣することを
受諾したと報道されたことにより、3.76レアルまで下落している。ルラ前大統領は現
在、私人であり、逮捕され第1審の州裁判所で裁かれる可能性があったが、議員や
閣僚になれば逮捕されず最高裁でのみ裁くことができる。また、汚職疑惑を巡り、警
察・検察とともに精力的に関連する事件を担当してきたパラナ州のセルジオ・モロ連
邦判事のもとで裁かれることを避けたいといったことや、貧困層を中心に根強い人
気があり、連立パートナーの政権からの離反観測がくすぶるなかで政府がルラ氏の
政治力を活かしたいとった意向が働いたのとではないかとみられている。
この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する
最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全
性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随
時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。
2
2016/3/16
グローバル・マクロ・トピックス
ルラ前大統領の捜査
や 弾劾審議の 再開
の行方に注目
今後については、①3月中旬以降、クーニャ下院議長が大統領弾劾審議に向け
て手続きを再開するとみられておりその行方、②2014年大統領選挙における違法
献金疑惑について高等選挙裁判所で審議が続いており、選挙が無効と最終的に
判断されるか、③連立パートナーのブラジル民主運動党(PMDB)が3/12の党大会
で30日以内に連立を維持するか判断するとしたこと、等に引き続き注目している。
①については昨年、下院の特別委員会のメンバーの選定手続きに問題があった
として最高裁が無効と判断したあと停滞していたが、最高裁が正当な手続きを示す
予定であり、野党やクーニャ下院議長は政府に対する上記のような新たな追及材料
も出たことで弾劾を進めたい意向のようだ。だが、議会における弾劾については、③
の動きが重要であり、野党に加え、PMDB内でクーニャ下院議長の派閥のみなら
ず、その他の派閥に大統領弾劾の動きが広がるのかがポイントとみている。ルセフ
大統領やルラ前大統領に関する不利な材料や抗議デモの高まりによって連立与党
が離反するような状況にいたれば、政権交代期待でレアルは続伸する可能性が
あった。
ただ、ここにきてルラ氏が入閣予定となり、連立与党のつなぎ止め工作が続くとみ
られるほか、政策的にも与党幹部の意向に沿って景気重視のスタンスがより強まると
みられるなかで、財政悪化やインフレリスク等に留意が必要となっている。
レアルは原油等の商品市況の反発や米利上げの一段の遅れ等の外部環境に支
えられている面がある。一方、ファンダメンタルズは16年まで2年連続でマイナス成
長が見込まれる等、弱含みが予想される。このため政治情勢が進展するか、あるい
は停滞するのかによって当面、ボラタイルな展開が見込まれよう。
ブラジル・レアルと外国人投資ポジション
(週次:2008/1/4~2016/3/15)
(1ドル=レアル)
海外投資家・ID×米ドルスプレッド先物の金利先渡取引ポジション(右逆目盛)
海外投資家・為替先物ポジション(ネット、右逆目盛)
ブラジル・レアル(左逆目盛)
0.5
1.0
1.5
2.0
2.5
3.0
3.5
4.0
4.5
08
09
10
11
12
(10億ドル)
↑レアル高
↑レアル買い(ネット)
13
14
15
16
▲ 30
▲ 20
▲ 10
0
10
20
30
40
50
(年)
(注)ID×米ドルスプレッドはブラジル国内でドルの為替ヘッジ等として利用される
各ポジションは3/11まで
出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成
この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する
最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全
性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随
時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。
3
2016/3/16
金融商品取引法に係る重要事項
グローバル・マクロ・トピックス
■国内株式のリスク
リスク要因として株価変動リスクと発行者の信用リスクがあります。株価の下落や発行者の信用状況の悪化
等により、投資元本を割り込むことがあり、損失を被ることがあります。
■国内株式の手数料等諸費用について
○国内株式の売買取引には、約定代金に対して最大 1.134%(税込み)、最低 2,700 円(税込み)の委託手数料を
ご負担いただきます。ただし、売却時に限り、約定代金が 2,700 円未満の場合には、約定代金に 97.2%(税込
み)を乗じた金額を委託手数料としてご負担いただきます。
○株式を募集等により購入する場合は、購入対価のみをお支払いいただきます。
○保護預かり口座管理料は無料です。
■外国株式のリスク
○外国株式投資にあたっては、株価変動リスク、発行者の信用リスク、為替変動リスク(平価切り下げ等も含
む)、国や地域の経済情勢等のカントリーリスクがあります。それぞれの状況悪化等により投資元本を割り込
むことがあり、損失を被ることがあります。
○現地の税法、会計基準、証券取引に関連する法令諸規則の変更により、当該証券の価格に大きな影響を与
えることがあります。
○各国の取引ルールの違いにより、取引開始前にご注文されても、始値で約定されない場合や、ご注文内容が
当該証券の高値、安値の範囲であっても約定されない場合があります。
○外国株式において有償増資等が行われた場合は、外国証券取引口座約款の内容に基づき、原則権利を売
却してお客さまの口座に売却代金を支払うことになります。ただし、権利売却市場が存在しない場合や売却市
場があっても当該証券の流動性が低い場合等は、権利売却ができないことがあります。また、権利が発生し
ても本邦投資家が取り扱いできないことがあります。
○外国株式の銘柄(国内取引所上場銘柄および国内非上場公募銘柄等を除く)については、わが国の金融商
品取引法に基づいた発行者開示は行われていません。
■外国株式の手数料等諸費用について
○外国委託取引
国内取次手数料と現地でかかる手数料および諸費用の両方が必要となります。現地でかかる手数料および
諸費用の額は金融商品取引所によって異なりますので、その金額をあらかじめ記載することはできません。
詳細は当社の担当者までお問い合わせください。国内取次手数料は、約定代金 30 万円超の場合、約定代金
に対して最大 1.08%+2,700 円(税込み)、約定代金 55,000 円超 30 万円以下の場合、一律 5,940 円(税込み)、
約定代金 55,000 円以下の場合、約定代金に対して一律 10.8%(税込み)の手数料をご負担いただきます。
○国内店頭(仕切り)取引
お客さまの購入単価および売却単価を当社が提示します。単価には手数料相当額が含まれていますので別
途手数料および諸費用はかかりません。
○国内委託取引
当社の国内株式手数料に準じます。約定代金に対して最大 1.134%(税込み)、最低 2,700 円(税込み)の委託
手数料をご負担いただきます。ただし、売却時に限り、約定代金が 2,700 円未満の場合には、約定代金に
97.2%(税込み)を乗
じた金額を委託手数料としてご負担いただきます。
○外国証券取引口座
外国証券取引口座を開設されていないお客さまは、外国証券取引口座の開設が必要となります。外国証券
取引口座管理料は無料です。
外貨建商品等の売買等にあたり、円貨と外貨を交換する際には、外国為替市場の動向をふまえて当社が決
定した為替レートによるものとします。
商品ごとに手数料等およびリスクは異なりますので、当該商品等の契約締結前交付書面や目論見書または
商 号 等 : みずほ証券株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第 94 号
加入協会 : 日本証券業協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人金融先物取引業協会、
一般社団法人第二種金融商品取引業協会
広告審査番号 : MG5690-160316-06
この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する
最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全
性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随
時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。
4