2016/ グローバル・マクロ・ トピックス 7/12 投資情報部 シニアエコノミスト 宮川 憲央 連立与党が勝利、経済対策の策定へ ~参議院選挙の結果について 7/10に投開票が行われた参議院選挙は、自民党、公明党の連立与党で安倍首相が勝敗ラ インとしていた改選議席の過半数を上回る70議席を獲得し、非改選議席をあわせた総議席 数でも過半数を上回る結果となった さらに、憲法改正に前向きな勢力の議席数は憲法改正の国会発議に必要となる総議員の3 分の2を超えた。もっとも、ただちに憲法改正が実現するとは考えづらい。当面は経済政策優 先の政権運営が維持されるとみられる。 安倍首相は積極的な財政政策で景気の下支えを図る見通し。こうした動きにあわせて月末 の金融政策決定会合で追加緩和が決定されるかどうかも注目される。 改憲勢力で総議員の 3分の2を確保も、当 面は 経済優先の 政 策運営か 7/10に投開票が行われた参議院選挙は、自民党、公明党の連立与党で、安倍首 相が勝敗ラインとしていた改選議席(242議席中121議席)の過半数61議席を上回る 70議席を獲得し、非改選議席をあわせた総議席数でも過半数を上回る結果となっ た(連立与党の非改選議席は76議席)。 参議院の政党別所属議員数 改選 自民 56 公明 14 維新 7 こころ 0 民進 32 共産 6 社民 1 生活 1 無所属・その他 4 出所:各種資料よりみずほ証券作成 非改選 65 11 5 3 17 8 1 1 10 (人) 合計 121 25 12 3 49 14 2 2 14 さらに、今回の選挙の結果、連立与党に憲法改正に前向きな、おおさか維新の 会、日本のこころを大切にする党や無所属議員の議席数を加えると、憲法改正の国 会発議に必要な総議員の3分の2(162議席)を超えた。すでに連立与党は衆議院で この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する 最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全 性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随 時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。 1 1 2016/07/12 グローバル・マクロ・トピックス も総議員の3分の2を獲得しているため、憲法改正の発議が視野に入った状況とい える。このため、今後、安倍首相が悲願とされる憲法改正に注力することで、経済政 策が後回しになってしまうのではないかという懸念もある。もっとも、憲法改正につい て、国民レベルでの動きが盛り上がっているとはいえないこと、改憲勢力のなかでも 各論では考え方に違いがあること等から、ただちに実現するとも考えづらい。むし ろ、低迷が長引く経済情勢をふまえると、当面は政権として、引き続き経済政策に 注力する可能性が高いと考えられる。実際、安倍首相は7/11の会見で、今回の参 院選の結果について、「アベノミクスを一層加速せよと、国民から力強い信任をいた だいた」として、経済優先の政策運営を継続する考えを示している。 経済政策に関して、安倍首相は会見で、12日に石原経済財政・再生相に経済対 策の準備に入るよう指示すると述べた。8月初旬にも対策の具体的な内容をとりまと め、秋の臨時国会に裏付けとなる2016年度第2次補正予算案を提出するとみられ る。具体的な内容や金額規模がまとまっていくのはこれからであるが、首相の会見 によると、対策の柱は財政投融資等も活用したインフラ整備、復興支援・防災対策、 奨学金の拡充、働き方改革等になる見通し。金額規模に関しては、財政投融資等 を含めた事業規模ベースで10兆円程度が1つの目安とみられる。 みずほ証券投資情報部では、7/28~29に開催される金融政策決定会合で日銀 は追加緩和を決定すると予想しているものの、金融政策だけでは景気の押し上げ に限界があるとも考えている。一方、タイミング的に財政・金融政策が歩調をあわせ る形となれば、金融市場では好感される可能性があるため、その動向が注目され る。政治的な基盤が安定しているため、積極的な政策を打ち出しやすいこともプラス であろう。もっとも、財政・金融政策はあくまで改革のための時間を買う政策であっ て、持続的な成長のためには成長戦略の実行が不可欠である。アベノミクスに対す る期待が薄れつつあるなか、経済対策で規制緩和や労働市場改革といった構造改 革に関連する施策がどの程度打ち出されるかといった点も、今後を考えるうえでの ポイントとなろう。 経済対策に関する安倍首相発言のポイント キ ー ワー ドは「未来への投資」 農業や観光関連施設の整備 ゼロ金利を活かした、財政投融資の積極活用 リニア中央新幹線の全線開業を最大8年間前倒し 整備新幹線の建設を加速 東京、大阪をハブとし、全国に広がる「地方創生回廊」を整備 熊本地震の復興支援・防災対策 成長の果実を分配政策に大胆に投入 保育や介護の受け皿整備 年金受給資格期間の短縮 無利子の奨学金や給付型奨学金について具体的に検討 働き方改革 長時間労働の是正、同一労働同一賃金の実現 (注)7/11の記者会見における発言 出所:自由民主党の資料よりみずほ証券作成 この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する 最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全 性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随 時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。 22 2016/07/12 金融商品取引法に係る重要事項 グローバル・マクロ・トピックス ■国内株式のリスク リスク要因として株価変動リスクと発行者の信用リスクがあります。株価の下落や発行者の信用状況の悪化 等により、投資元本を割り込むことがあり、損失を被ることがあります。 ■国内株式の手数料等諸費用について ○国内株式の売買取引には、約定代金に対して最大 1.134%(税込み)、最低 2,700 円(税込み)の委託手数料 をご負担いただきます。ただし、売却時に限り、約定代金が 2,700 円未満の場合には、約定代金に 97.2%(税 込み)を乗じた金額を委託手数料としてご負担いただきます。 ○株式を募集等により購入する場合は、購入対価のみをお支払いいただきます。 ○保護預かり口座管理料は無料です。 ■外国株式のリスク ○外国株式投資にあたっては、株価変動リスク、発行者の信用リスク、為替変動リスク(平価切り下げ等も含 む)、国や地域の経済情勢等のカントリーリスクがあります。それぞれの状況悪化等により投資元本を割り込 むことがあり、損失を被ることがあります。 ○現地の税法、会計基準、証券取引に関連する法令諸規則の変更により、当該証券の価格に大きな影響を与 えることがあります。 ○各国の取引ルールの違いにより、取引開始前にご注文されても、始値で約定されない場合や、ご注文内容が 当該証券の高値、安値の範囲であっても約定されない場合があります。 ○外国株式において有償増資等が行われた場合は、外国証券取引口座約款の内容に基づき、原則権利を売 却してお客さまの口座に売却代金を支払うことになります。ただし、権利売却市場が存在しない場合や売却市 場があっても当該証券の流動性が低い場合等は、権利売却ができないことがあります。また、権利が発生し ても本邦投資家が取り扱いできないことがあります。 ○外国株式の銘柄(国内取引所上場銘柄および国内非上場公募銘柄等を除く)については、わが国の金融商 品取引法に基づいた発行者開示は行われていません。 ■外国株式の手数料等諸費用について ○外国委託取引 国内取次手数料と現地でかかる手数料および諸費用の両方が必要となります。現地でかかる手数料および 諸費用の額は金融商品取引所によって異なりますので、その金額をあらかじめ記載することはできません。 詳細は当社の担当者までお問い合わせください。国内取次手数料は、約定代金 30 万円超の場合、約定代金 に対して最大 1.08%+2,700 円(税込み)、約定代金 55,000 円超 30 万円以下の場合、一律 5,940 円(税込み)、 約定代金 55,000 円以下の場合、約定代金に対して一律 10.8%(税込み)の手数料をご負担いただきます。 ○国内店頭(仕切り)取引 お客さまの購入単価および売却単価を当社が提示します。単価には手数料相当額が含まれていますので別 途手数料および諸費用はかかりません。 ○国内委託取引 当社の国内株式手数料に準じます。約定代金に対して最大 1.134%(税込み)、最低 2,700 円(税込み)の委託 手数料をご負担いただきます。ただし、売却時に限り、約定代金が 2,700 円未満の場合には、約定代金に 97.2%(税込み)を乗じた金額を委託手数料としてご負担いただきます。 ○外国証券取引口座 外国証券取引口座を開設されていないお客さまは、外国証券取引口座の開設が必要となります。外国証券 取引口座管理料は無料です。 外貨建商品等の売買等にあたり、円貨と外貨を交換する際には、外国為替市場の動向をふまえて当社が決 定した為替レートによるものとします。 商品ごとに手数料等およびリスクは異なりますので、当該商品等の契約締結前交付書面や目論見書または お客さま向け資料等をよくお読みください。 商 号 等 : みずほ証券株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第 94 号 加入協会 : 日本証券業協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人金融先物取引業協会、 一般社団法人第二種金融商品取引業協会 広告審査番号 : MG5690-160712-19 この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する 最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全 性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随 時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。 33
© Copyright 2024 ExpyDoc