グローバル・マクロ・ トピックス 2016/ 2/29 投資情報部 シニアエコノミスト 宮川 憲央 1-3月期も生産は伸び悩みの動き ~日本・鉱工業生産(2016年1月) 1月の鉱工業生産指数は前月比+3.7%となり、市場予想も上回る結果となった。 2月、3月の生産予測指数(製造工業)はそれぞれ前月比▲5.2%、同+3.1%となった。この予 測指数をもとにすると、1~3月平均の生産指数は10-12月期と比べて▲0.3%とマイナスに転 じる見込みとなっている。基調としては、生産の伸び悩みが続いている。 今後についても、海外経済の成長ペースの低下や国内需要の回復力が力強さを欠いている 状況をふまえると、生産持ち直しのペースは緩やかなものにとどまるとみている。 1月は予想を上回る 上昇だが、春節等一 時的な影響も 1月の鉱工業生産指数は前月比+3.7%と3ヵ月ぶりの上昇、市場予想(ブルーム バーグの集計で同+3.2%)も上回る結果となった。前年同月比では▲3.8%となってい る。また、鉱工業の出荷指数は前月比+3.4%、在庫指数は同▲0.3%、在庫率指数は 同▲2.1%となっている。出荷が増加するなかで、在庫が減少したため、在庫調整が 進んだ形となった。 生産指数の内訳を業種別にみると、1月は、化学工業(除.医薬品、前月比▲ 0.3%)、石油・石炭製品工業(同▲1.2%)では2015年12月から低下したものの、はん 用・生産用・業務用機械工業(同+7.3%)、輸送機械工業(同+2.9%)、電子部品・デ バイス工業(同+6.3%)等を中心に幅広い業種で上昇となった。 財別では、資本財(前月比+5.4%)、建設財(同+4.8%)、消費財(同+3.1%)、生産財 (同+2.0%)がそろって上昇となった。なお、資本財については、機械設備投資の一 致指標とされる出荷指数が同▲0.8%(輸送機械を除くベースでは同+7.1%)となり、1 月の水準を10-12月期と比較すると▲3.6%(輸送機械を除くベースでは+4.4%)となっ ている。輸出分が含まれる点に留意は必要であるものの、輸送機械を除く基調的な 動きとして、設備投資は緩やかに持ち直している可能性が示唆される。 2月、3月の生産予測指数(製造工業)はそれぞれ前月比▲5.2%、同+3.1%となっ た。この予測指数をもとにすると、1~3月平均の生産指数は10-12月期と比べて▲ 0.3%とマイナスに転じる見込みとなっている。また、1月の実現率は▲2.9%、2月の予 測修正率は▲4.0%と、生産実績が計画を下振れるとともに、翌月の計画も下方修正 この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する 最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全 性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随 時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。 1 1 2016/02/29 グローバル・マクロ・トピックス されるという傾向が続いているため、生産の持ち直しは予測指数が示すほどのペー スでは進まない可能性に留意が必要であろう。 鉱工業生産は1月に大幅な上昇となったものの、2月には大幅な減少が見込まれ ており、中国の春節(2016年は2/8)を控えた一時的な動きや季節調整の不備等が 影響している可能性がある。基調としては、生産予測指数で1-3月期の生産は前期 比で減少が見込まれているように、生産活動は伸び悩みが続いている可能性が高 い。中国をはじめとする海外経済の減速や国内消費の伸び悩み等が背景にあると みられる。 今後についても、海外経済の成長ペースの低下や企業の現地生産・調達の進展 等にともない、日本からの輸出が伸びづらくなっているほか、個人消費や設備投資 といった国内需要の回復力が力強さを欠いている状況をふまえると、生産持ち直し のペースは緩やかなものにとどまると考えている。 鉱工業生産指数の推移 (月次:2008/1~2016/3) (2010年=100) 生産予測 120 115 110 105 100 95 90 85 80 75 70 08 09 10 11 12 13 (注)直近2ヵ月分(2月、3月、図中のシャドー部分)は製造工業生産予測で延長 出所:経済産業省「鉱工業指数」のデータよりみずほ証券作成 14 15 16 (年) この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する 最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全 性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随 時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。 22 2016/02/29 グローバル・マクロ・トピックス 鉱工業在庫・在庫率指数の推移 (月次:2008/1~2016/1) (2010年=100) 160 在庫 150 在庫率 140 130 120 110 100 90 08 09 10 11 12 (注)シャドー部分は景気後退局面 出所:経済産業省「鉱工業指数」のデータよりみずほ証券作成 13 14 15 (年) 生産と在庫率の推移 (月次:2008/1~2016/1) (2010年=100) 120 16 (2010年=100) 80 115 90 110 100 105 110 100 120 95 130 90 140 85 150 80 160 生産(左目盛) 75 在庫率(右逆目盛) 170 70 08 09 10 11 12 13 14 15 16 180 (年) 出所:経済産業省「鉱工業指数」のデータよりみずほ証券作成 輸出と生産の推移 (月次:2008/1~2016/1) (2010年=100) 130 鉱工業生産 120 輸出数量 110 100 90 80 70 60 08 09 10 11 12 13 14 15 16 (年) (注) 輸出数量は財務省が公表した数値に内閣府が独自に季節調整をかけた試算値 出所:経済産業省、財務省、内閣府のデータよりみずほ証券作成 この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する 最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全 性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随 時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。 33 2016/02/29 金融商品取引法に係る重要事項 グローバル・マクロ・トピックス ■国内株式のリスク リスク要因として株価変動リスクと発行者の信用リスクがあります。株価の下落や発行者の信用状況の悪化 等により、投資元本を割り込むことがあり、損失を被ることがあります。 ■国内株式の手数料等諸費用について ○国内株式の売買取引には、約定代金に対して最大 1.134%(税込み)、最低 2,700 円(税込み)の委託手数料 をご負担いただきます。ただし、売却時に限り、約定代金が 2,700 円未満の場合には、約定代金に 97.2%(税 込み)を乗じた金額を委託手数料としてご負担いただきます。 ○株式を募集等により購入する場合は、購入対価のみをお支払いいただきます。 ○保護預かり口座管理料は無料です。 ■外国株式のリスク ○外国株式投資にあたっては、株価変動リスク、発行者の信用リスク、為替変動リスク(平価切り下げ等も含 む)、国や地域の経済情勢等のカントリーリスクがあります。それぞれの状況悪化等により投資元本を割り込 むことがあり、損失を被ることがあります。 ○現地の税法、会計基準、証券取引に関連する法令諸規則の変更により、当該証券の価格に大きな影響を与 えることがあります。 ○各国の取引ルールの違いにより、取引開始前にご注文されても、始値で約定されない場合や、ご注文内容が 当該証券の高値、安値の範囲であっても約定されない場合があります。 ○外国株式において有償増資等が行われた場合は、外国証券取引口座約款の内容に基づき、原則権利を売 却してお客さまの口座に売却代金を支払うことになります。ただし、権利売却市場が存在しない場合や売却市 場があっても当該証券の流動性が低い場合等は、権利売却ができないことがあります。また、権利が発生し ても本邦投資家が取り扱いできないことがあります。 ○外国株式の銘柄(国内取引所上場銘柄および国内非上場公募銘柄等を除く)については、わが国の金融商 品取引法に基づいた発行者開示は行われていません。 ■外国株式の手数料等諸費用について ○外国委託取引 国内取次手数料と現地でかかる手数料および諸費用の両方が必要となります。現地でかかる手数料および 諸費用の額は金融商品取引所によって異なりますので、その金額をあらかじめ記載することはできません。 詳細は当社の担当者までお問い合わせください。国内取次手数料は、約定代金 30 万円超の場合、約定代金 に対して最大 1.08%+2,700 円(税込み)、約定代金 55,000 円超 30 万円以下の場合、一律 5,940 円(税込み)、 約定代金 55,000 円以下の場合、約定代金に対して一律 10.8%(税込み)の手数料をご負担いただきます。 ○国内店頭(仕切り)取引 お客さまの購入単価および売却単価を当社が提示します。単価には手数料相当額が含まれていますので別 途手数料および諸費用はかかりません。 ○国内委託取引 当社の国内株式手数料に準じます。約定代金に対して最大 1.134%(税込み)、最低 2,700 円(税込み)の委託 手数料をご負担いただきます。ただし、売却時に限り、約定代金が 2,700 円未満の場合には、約定代金に 97.2%(税込み)を乗じた金額を委託手数料としてご負担いただきます。 ○外国証券取引口座 外国証券取引口座を開設されていないお客さまは、外国証券取引口座の開設が必要となります。外国証券 取引口座管理料は無料です。 外貨建商品等の売買等にあたり、円貨と外貨を交換する際には、外国為替市場の動向をふまえて当社が決 定した為替レートによるものとします。 商品ごとに手数料等およびリスクは異なりますので、当該商品等の契約締結前交付書面や目論見書または お客さま向け資料等をよくお読みください。 商 号 等 : みずほ証券株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第 94 号 加入協会 : 日本証券業協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人金融先物取引業協会、 一般社団法人第二種金融商品取引業協会 広告審査番号 : MG5690-160229-09 この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する 最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全 性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随 時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。 44
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