グローバル・マクロ・ トピックス 2016/ 10/4 投資情報部 シニアエコノミスト 折原 豊水 ブラジル地方選は連立与党が善戦、レアルは上昇 ブラジルの10/2の全国の市長・市議選はテメル大統領の与党・ブラジル民主運動党(PMDB)が 前回からほぼ横ばい、連立パートナーで市場寄りのブラジル社会民主党(PSDB)が大きく支持 を広げた。一方、ルセフ前大統領の野党・ブラジル労働者党(PT)は惨敗となった。 連立与党が善戦したことで、財政改革に前向きなPSDBから政府・与党へのプレッシャーが強ま り、財政改革審議に弾みとなる可能性がある。 ブラジルレアルは選挙結果を受けて財政改革が進むとの期待から上昇した。今後は財政改革 法案の成立や景気回復期待が下支えになるとみている。 地方選は 連立与党 が善戦、野党PTは惨 敗 10/2にブラジルで全国の市長・市議の地方選挙の第1回投票が行われた。得票 率で第1位の候補者が過半数に達しない場合は10/30に上位2名で第2回投票が行 われる。第2回投票に進む市長選はリオデジャネイロ市等が残るが、全体からすれ ばわずかであり、今回の投票で大勢が判明している。 ブラジルでは4年に1度、大統領選(直近は2014年10月)や州知事選が同時期に 行われ、その中間の年に市長・市議選が争われる。今回は8/31に就任したテメル大 統領にとって初めての信任投票となった。 選挙結果は、現地報道や高等選挙裁判所(TSE)によると、汚職の疑いで告訴さ れたルーラ元大統領や、弾劾裁判で罷免(ひめん)されたルセフ前大統領が所属 する野党・ブラジル労働者党(PT)に厳しいものとなった。当選した市長の数は前回 2012年選挙の638名程度から256名程度に大幅減少となり、政党の順位では3位か ら10位に低下した(所属政党は流動的)。テメル大統領が所属し、ルセフ前大統領 時代には連立パートナーであった与党・PMDBは前回1021名程度からほぼ横ばい となった。一方、ルセフ前大統領の罷免時に野党から与党に鞍替えしたPSDBは前 回の695名から100名前後増加して躍進した。特に注目されたサンパウロ市長選は PSDB所属のジョアン・ドリア氏がPT所属の現職を破って当選している。 この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する 最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全 性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随 時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。 1 2016/10/4 グローバル・マクロ・トピックス 連立与党が善戦した ことで財政改革審議 に弾みとなる可能性 今回の選挙で連立与党が善戦したことで、選挙後に本格化する財政改革に弾み となる可能性がある。特に市場寄りで財政改革に前向きなPSDBが大きく支持を広 げたことで、政府や与党PMDBに対するプレッシャーを強める可能性があろう。他 方、2018年の大統領選挙ではテメル大統領は出馬しないとみられており、PTの不 人気やルーラ元大統領が汚職で有罪となれば公職追放となり、大統領選に立候補 できないことから、PSDB所属の候補者が有利となる可能性もある。PSDB党首で前 回大統領選にも出馬したアエシオ・ネーベス氏や今回のサンパウロ市長選でドリア 氏を支援したサンパウロ州知事のジェラルド・アウキミン氏(PSDB所属)らが有力候 補とみられている。 レアルは財政改革法 案の 成立や 景気回 復期待が下支え ブラジルレアルは10/2の地方選で連立与党が善戦し財政改革法案の審議に弾 みとなる可能性が出てきたことで、10/3は1ドル=3.21レアルと10/2の3.26レアルから レアル高となった。また、ブラジルの代表的な株価指数であるボベスパ指数は前日 比1.9%高の59461ポイントとなった。 今後については、①財政改革法案が11月中にも成立することで財政悪化懸念が 後退する、②インフレ圧力の緩和や利下げにより景気の悪化に歯止めがかかる、③ 海外投資家のレアル売りポジションの解消が進む可能性がある、等がレアルの下支 えになるとみている。 リスクとしては、第1に、財政改革の審議が遅れ、財政悪化に歯止めがかからない こと、第2に、政治スキャンダルの火種がくすぶっていること、第3に米利上げ観測の 再燃による新興国からの資金流出圧力が高まること、等が挙げられる。 ドルレアルとレアル円の推移 (日次:2014/7/1~2016/10/3) (1ドル=レアル) ドルレアル(左逆目盛) レアル円(右目盛) 2.0 (1レアル=円) 50 2.5 40 レ ア ル 高 3.0 30 3.5 20 4.0 4.5 14/07 レ ア ル 安 10 15/01 15/07 16/01 16/07 (年/月) 出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成 この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する 最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全 性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随 時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。 2 2016/10/4 金融商品取引法に係る重要事項 グローバル・マクロ・トピックス ■国内株式のリスク リスク要因として株価変動リスクと発行者の信用リスクがあります。株価の下落や発行者の信用状況の悪化 等により、投資元本を割り込むことがあり、損失を被ることがあります。 ■国内株式の手数料等諸費用について ○国内株式の売買取引には、約定代金に対して最大 1.134%(税込み)、最低 2,700 円(税込み)の委託手数料を ご負担いただきます。ただし、売却時に限り、約定代金が 2,700 円未満の場合には、約定代金に 97.2%(税込 み)を乗じた金額を委託手数料としてご負担いただきます。 ○株式を募集等により購入する場合は、購入対価のみをお支払いいただきます。 ○保護預かり口座管理料は無料です。 ■外国株式のリスク ○外国株式投資にあたっては、株価変動リスク、発行者の信用リスク、為替変動リスク(平価切り下げ等も含 む)、国や地域の経済情勢等のカントリーリスクがあります。それぞれの状況悪化等により投資元本を割り込 むことがあり、損失を被ることがあります。 ○現地の税法、会計基準、証券取引に関連する法令諸規則の変更により、当該証券の価格に大きな影響を与 えることがあります。 ○各国の取引ルールの違いにより、取引開始前にご注文されても、始値で約定されない場合や、ご注文内容が 当該証券の高値、安値の範囲であっても約定されない場合があります。 ○外国株式において有償増資等が行われた場合は、外国証券取引口座約款の内容に基づき、原則権利を売 却してお客さまの口座に売却代金を支払うことになります。ただし、権利売却市場が存在しない場合や売却市 場があっても当該証券の流動性が低い場合等は、権利売却ができないことがあります。また、権利が発生し ても本邦投資家が取り扱いできないことがあります。 ○外国株式の銘柄(国内取引所上場銘柄および国内非上場公募銘柄等を除く)については、わが国の金融商 品取引法に基づいた発行者開示は行われていません。 ■外国株式の手数料等諸費用について ○外国委託取引 国内取次手数料と現地でかかる手数料および諸費用の両方が必要となります。現地でかかる手数料および 諸費用の額は金融商品取引所によって異なりますので、その金額をあらかじめ記載することはできません。 詳細は当社の担当者までお問い合わせください。国内取次手数料は、約定代金 30 万円超の場合、約定代金 に対して最大 1.08%+2,700 円(税込み)、約定代金 55,000 円超 30 万円以下の場合、一律 5,940 円(税込み)、 約定代金 55,000 円以下の場合、約定代金に対して一律 10.8%(税込み)の手数料をご負担いただきます。 ○国内店頭(仕切り)取引 お客さまの購入単価および売却単価を当社が提示します。単価には手数料相当額が含まれていますので別 途手数料および諸費用はかかりません。 ○国内委託取引 当社の国内株式手数料に準じます。約定代金に対して最大 1.134%(税込み)、最低 2,700 円(税込み)の委託 手数料をご負担いただきます。ただし、売却時に限り、約定代金が 2,700 円未満の場合には、約定代金に 97.2%(税込み)を乗じた金額を委託手数料としてご負担いただきます。 ○外国証券取引口座 外国証券取引口座を開設されていないお客さまは、外国証券取引口座の開設が必要となります。外国証券 取引口座管理料は無料です。 外貨建商品等の売買等にあたり、円貨と外貨を交換する際には、外国為替市場の動向をふまえて当社が決 定した為替レートによるものとします。 商品ごとに手数料等およびリスクは異なりますので、当該商品等の契約締結前交付書面や目論見書または お客さま向け資料等をよくお読みください。 商 号 等 : みずほ証券株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第 94 号 加入協会 : 日本証券業協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人金融先物取引業協会、 一般社団法人第二種金融商品取引業協会 広告審査番号 : MG5690-161004-40 この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する 最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全 性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随 時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。 3
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