解答例

電気電子回路 中間演習問題
問 Ⅰ, 抵抗 R(レジスタ),コイル L(インダクタ)、コ
ンデンサ C(キャパシタ)が並列に接続された回路が
L
ある。
R
C
(1)この回路のインピーダンス Z を求めよ。ただし、回
路にかかる電圧、電流の角周波数は ω とする。また、
虚数単位は j を用いて表せ。
解答例
各素子のインピーダンスは、R, jωL,1/jωC で、それらが並列接続されている場
合のインピーダンス Z は
Z=
1
1
1
+
+ jω C
R jω L
となる。複素数の解は分母を実数化して表示するので、
1
1 ⎞
⎛
− j ⎜ωC −
⎟
⎝
1
R
ωL⎠
Z=
=
2
1
1 ⎞ ⎛ 1 ⎞2 ⎛
⎛
1 ⎞
+ j ⎜ωC −
+
ω
C
−
⎟
⎟
⎝
R
ω L ⎠ ⎜⎝ R ⎟⎠ ⎜⎝
ωL⎠
となる。
(2)上で求めたインピーダンス Z の逆数、アドミッタンス Y(=1/Z)を計算で求めよ。
また、ω が 0 から∞まで変化したとき、Y が複素平面上でどのような軌跡を描
くか、図に描いて示せ。
解答例
アドミッタンス Y はインピーダンスの逆数で
Y=
1 1
= +
Z R
1 ⎞
⎛
j ⎜ωC −
⎟
⎝
ωL⎠
となる。ωC はω→∞で無限大に収束し、-1/ωL はω→0 でマイナス無限大に収
束するので、虚数部はマイナス無限大から
Im
ω=∞
プラス無限大の間の値をとる。
アドミッタン
角周波数 ω 0 = 1 / LC で虚数部は 0 となる
ス平面
Y=1/R+j(ωC-1/ωL)
ので、この時、Y の値は実軸上の 1/R の点
ω=ω0 1/R
になり、そこから上下に無限大に伸びる直
線状の軌跡を描く。
Re
ω=0
問 Ⅱ,オイラーの公式
exp ( jθ ) = cos (θ ) + j sin (θ )
をもちいて、複素数 C = a exp(jωt)が、複素平面(ガウス平面)上の、半径 a の
円周上を回る点であることを説明せよ。(a は実数)
説明は、単に式を描くのではなく、文章や絵を用いて、論理を十分に説明す
ること。
解答例
複素数 C = a exp(jωt)は、オイラーの公式を用いると、
C = a cos (ω t ) + jasin (ω t )
と表せる。t を止めて定数とすると、ωt = θ
I
とおけるが、このとき C は複素平面上の(a
cos(θ),a sin(θ))の点になるので、半径が a,
角度が実軸からプラス θ 方向の動径上の点
になる。この点は、θ が増加すると、半径
a の円周上を回る。θ = ωt と置きなおせば、
t と共に、θは角速度ωで増加するので、C
は角速度ωで回転する、半径 a の円周上の
点となる。
m
a sin(θ)
a
C
θ=ω
t
a cos(θ) Re