現 場 代 理 人 レポート 亘理・山元農地海岸特定災害復旧事業 鐙川防潮水門復旧(その2)工事 亘理郡亘理町は一級河川阿武隈川河口、宮城県の 南部に位置した田園農作地帯です。 鐙川防潮水門は農業排水路及び地区排水機能も担 い亘理町中心部から鳥の海に注ぐ鐙川排水路の流末 に防潮機能を目的に昭和30年代に建設されました。 その施設も、先の大震災で被災し早期の復旧が望 まれ、本工事は平成25年 7 月より着工し約 2 年、本 年 8 月に無事故無災害で竣工を迎えられたことに、 工事完了 関係者に厚く御礼を申し上げます。 工事に際しては、地震により沈下した支持層の確認のためボーリング調査を実施後、WILL工法で 基礎工事を施工。地下水位の高い条件下での土留め、スーパーウエルポイント工法の施工。冬期のコ ンクリート特殊養生の施工。水門設備受注者との施工調整。さらに復興工事における労務者の確保や 資材の調達が困難な状況での工程管理の難しさ。沢山の事を土木技術者として学ばさせて頂きました。 工事を監理、指導して頂きました亘理・山元土地改良建設事業建設所の皆様におきましては、様々 な協議事項に当たり迅速に検討・採用の有無を判断して頂きました。加えて、変更協議の際には品 確法に基づき設計変更確認会議を開催して頂き、工事請負者として納得して仕事を収めることがで きましたこと、誠に感謝しております。 監督職員からのエール 本工事は、東北地方太平洋沖地震及び地震後に襲来した津波により被災した鐙川防潮水門 の復旧を行うもので、防潮水門の全面改修と基礎地盤改良及び両岸の護岸工事を主要な内容 とし、平成25年 7 月に着手し平成27年 8 月までの 3 カ年に跨がる工事で既に完成しています。 本工事区域は、甚大な被害を受けた荒浜地区の鳥の海湾奥に位置しており、両岸には亘理・ 山元地区の排水路が隣接しています。工事施工に当たっては周辺水路からの湧水が多く、止 水対策として矢板護岸と併せスーパーウエルポイントを設置するなど受注者の迅速な対応に より水門施工が可能となりました。この他、多くの復興工事が実施されている関係からコン クリートの調達や型枠鉄筋工の労務者の確保にも苦労がありました。 また、ゲート等の関連工事と連携調整を確実に行うと共に漁業関係者への影響も無く、無 事故無災害で完成したことは受注者の努力の賜であると思います。 監督職員 現場代理人 東北農政局亘理・山元 株式会社鴻池組東北支店 土地改良建設事業建設所 鐙川水門復旧工事事務所 工事第三課長 白谷 光市 赤木 淳 土地改良 291号 2015.10 ● 83
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