現 場 代 理 人 レポート 赤川二期農業水利事業 東1号幹線用水路(東岩本・黒川地区)補修工事 赤川二期地区は、山形県庄内平野の南部を流れる 赤川流域に位置し、鶴岡市他 1 市 1 町にまたがる大 きな水田地帯です。前歴事業の国営赤川土地改良事 業で造成された基幹水利施設が築後40年以上経過し、 様々な不具合が生じてきている中で、これらの施設 の長寿命化と水資源の有効活用を図るために、幹線 水路等の補修工事を行っています。このうち、本工 事は東 1 号幹線トンネル(L=4,099m)の断面修復 や内面補強および覆工背面空洞充填等により補修す るものです。 内面補強 空洞充填工は、対象となる空洞の形状や連続性等 の想定から注入量を予定していきます。しかし、空洞の捉え方の難しさから注入量が想定と異なる ことも多く、設計注入量を大幅に上回る注入量となることがあります。このことは、工程や事業費 に直結する難題であり、設計段階での事前予測の精度向上のために、施工で得られた情報を分析し 広く共有する事が大切です。施工に携わる者として、安全かつ確実な品質な成果を得ることを最優 先とし、今後の需要を踏まえ技術の蓄積で寄与したいと考えています。 最後に、本事業による地域全体のますますの発展を御祈願いたします。 監督職員からのエール 本工事は、水路の補修工事であるものの、約4.0kmの延長のほとんどがトンネル補修工で、 中でも覆工背面空洞への可塑性材注入工が大きな位置を占めています。 施工延長が単年度工事としては比較的長く、施工可能期間が非かんがい期間の約 6 か月に 限定されている中、注入工については、トンネル始点部と終点部に仮設ヤードを設置し、上 下流各2.0kmに分けて効率的に施工する計画としています。 注入量は、詳細な把握が困難な覆工背面の状況により大きく変化するため、日々の注入状 況の管理と分析を十分に行い、適切かつ効果的な施工を実施する必要があります。 現場代理人の岩浪氏は、トンネル工事、注入工事等の豊富な経験を活かし、緻密な工程管 理、適切な技術的提案をされ、順調に工事を進められました。これまで、地域への配慮やト ンネル内作業で移動に制約のある中で無事故・無災害を継続されていることに敬意を表し、 引き続き、安全管理と品質管理の徹底により無事に工事を完成しました。 監督職員 (写真左) 東北農政局 赤川農業水利事業所 環境専門官 佐藤 仲生 現場代理人 (写真右) 日本基礎技術株式会社 岩浪 正和 土地改良 293号 2016.4 ● 73
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