立谷沢4 現場での安全対策及び健康管理の工夫について 発注者 新庄河川事務所 施工者 株式会社新庄・鈴木・柴田組 工事名 立谷沢川流域肝煎地区渓流保全工工事 発表者 現場代理人 大場 智也 監理技術者 大場 智也 1.はじめに 本工事は、最上川水系砂防事業の一環として、立谷沢川の肝煎地区において渓岸の浸食を 防止するため護岸の施工を行うものである。 この工事においては、春から冬にかけ長期にわたる工事となるので第一に作業員の健康管理 に重点を置き施工しました。又、現場で安全に作業するための工夫も夏季から冬季にかけて 安全対策を考えて対処しました。その例を下記事項より紹介します。 2.作業員の健康管理の工夫 現在の建設業で働く多くの労働者が、高齢となっているのが現状です。当現場においても 主力となる作業員が高齢となっているので、健康管理を充実させ安全に作業させることが重 要であると考えました。そこで、現場事務所に血圧計及び体温計を常備し、各作業員が各自で 毎朝測定して作業員体調管理記録用紙に記入することとしました。 その効果としては、各作業員が自分で自分の健康状態を把握することにより安心して作業に 従事することが出来ました。又、健康の異常判断としても、日頃の値との変化で確認すること ができるので、異常の兆候の早期発見や作業員各自自分の健康に対する意識向上を図ることが できました。 血圧計及び体温計 血圧測定状況 体温測定状況 同左 同左 作業員体調管理記録用紙 記入例 3-1 現場での安全対策(夏季作業) 当現場では、6月から9月にかけて根固めブロック(6t型)の製作が主な作業となってい ました。 気温が高くなる時期の施工なので、熱中症予防として下記事項を実施しました。 (1)熱中症対策キット及びウォーターネットの常備 ・熱中症対策キットは、熱中症予防として常備しました。 ・ウォーターネットは、通常の気温の時は、休憩時等水分補給のため 各作業員に支給しました。又、気温が30度以上となる日は、休憩時 の間でも水分補給を取れるよう5分程度の小休憩を取らせました。 (2)熱中症指数標掲示 ・根固めブロック製作現場に、各作業員が作業時確認できる位置に 熱中症指数計を設置しました。その活用方法としては、作業開始前、 休憩後作業再開前、午前2回午後2回とし、計4回確認することにより 熱中症指数が高くなった時の予防を早期にできるようにしました。 熱中症指数標掲示 気温・湿度計 (3)休憩所整備(エアコン完備) ・休憩時暑さ対策として、エアコンを使用し快適に休憩できるようにしました。 (4)簡易休憩所設置 ・直射日光防止及び暑さ対策として簡易テントを設置し、休憩時活用しました。 (5)夏季作業時安全対策結果 ・(1)~(4)の熱中症対策の結果、当作業所では、熱中症で具合の悪くなる作業員が 1人も発生しないで完了できたので、大変効果があったと思います。 3-2 現場での安全対策(冬季作業) 当現場は、秋から本工事である流路護岸工施工に入り、冬期間が最盛期となる工程となっ ております。又、この地域は非常に強い風が吹くので、特に冬期間の暴風雪の安全対策に 努めました。その対策として下記事項を実施しました。 (1)工事用道路の目印棒設置 ・冬期間中、暴風雪により工事用道路が見えなくなるので目印棒を設置 することにより、路肩転落等の事故防止対策を行いました。 (2)工事用道路塩化カルシウム散布 ・冬期間、敷鉄板が凍結し工事車両及び運搬車両がスリップして路肩から の転落事故ぼうしとして塩化カルシウムを散布しました。 (3)暴風雪対策 ・暴風雪対策として、警報発令時は、作業を中止して看板等飛散物を点検し 飛散しないよう養生し対処しました。又、注意報発令時は、吹流しにより 風速を確認しながら、風速10m/s以上となったら作業を中止し、10m/s 以下の場合は、注意しながら作業を行いました。 (4)冬季作業時安全対策結果 ・飛散事故及び転落等の事故防止が出来ており、大変効果があったと思います。 4.終わりに 立谷沢流域の皆様には、工事のご協力、ご理解をいただきまして、この場を借りて御礼 申し上げます。最後になりましたがここまで無事故で工事を進めることができたのは、工事 に関わった皆様のご協力・ご指導のおかげだと思っています。ありがとうございました。
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