事故防止の安全対策について 発注者 新庄河川事務所 施工者 株式会社

事故防止の安全対策について
発注者 新庄河川事務所
施工者 株式会社 バンダイ通信
工事名 新庄管内防災情報設備工事
発表者 現場代理人、主任技術者
長瀨哲也
1. はじめに
本工事を実施する上で当然ではあるが無事故及び無災害を目標に掲げ計画し実行することとした。
本工で特に発生が懸念される事故・災害が以下の3項目と考えた。
○交通事故・災害
施工箇所が 8 箇所と複数箇所であり、冬期間に移動作業を実施する為、安全への配慮が特に必要で
ある。
○感電事故・災害
庁舎内の分電盤内での作業がある為、安全への配慮が必要である。
○ネットワーク停止による設備事故
ネットワークの誤停止は業務に重大な影響を及ばす為、充分に注意すべき事項である。
2. 本工事は、東北地方整備局新庄河川事務所管内の河川及び砂防に関する防災情報収集・伝達を行う
ため、防災情報設備の設置を行うものであり、主となる施工内容は既設情報設備の撤去更新である。
交通事故・災害に関して。新庄管内の各出張所(合計 8 箇所)を移動する必要があり、最長で20
Km 以上を移動し作業しなくてはならない事も容易に予想された。さらに冬期時期の為路面状況に
より事故が起きるリスクも非常に高くなる。
冬期間に入る前に全ての施工を終了させることが交通事故・災害を回避する上で理想的ではあるが、
製作機器の納期の関係上により冬期の施工となってしまった為、工事関係者には安全訓練および
日々の TBM-KY 実施の中で常に注意を促した。交通事故においての最たる原因は運転者の慢心によ
るものだと私は考えるからだ。“雪道には慣れているから”“長年運転している自分が事故を起こす
はずがない”そういった慢心は日々見直させなければならない事項である。
また必要に応じて工事開始時刻を遅らせる、前日移動を指示する等、移動に要する時間に余裕を持
たせるように努めた。時間に余裕を持つことにより無理にスピードを出したりする必要もなくなり、
運転手にも安全運転に関して意識的余裕が生まれるのだ。もっとも初歩的な事項のように思えるが、
初歩的だからこそ十分に安全対策に取り組む必要がある事項である。
また、ハード面での配慮を怠らず、冬タイヤへの早期交換を促し、10 月下旬までには交換を実施さ
せ、11 月には夏タイヤでの工事車両の乗り入れを禁止した。併せて、冬用ワイパーの交換も実施さ
せ、これを確認し工事を行った。
感電に関する事項では、新設機器に伴い新たに既設分電盤ブレーカより受電したが、その際作業員
が感電する事、短絡させることによる他設備への障害が発生する事が懸念されため、分電盤内を絶
縁体シートを養生することを徹底した。また、その確認も確実に実施した。
作業者と事前打ち合わせを行い互いに理解したうえで、作業中もダブルチェックを行い誤りが無い
か確認しながら行った。
分電盤内の対象外のブレーカは簡易テープで「対象外」と表示し、対象ブレーカには「本工事作業
中」と表示することにより誤りのない作業を行えるよう努めた。人間の勘違いによるヒューマンエ
ラーが事故・災害の要因になる事を極力避けるために工夫した。
最後に装置切り替え作業に関しての事項である。本工事において拠点 IP 伝送装置(BBL3-SW)の
更新に伴い切り替え作業が必要となったが、本装置は本局と接続されている重要な装置であり停止
期間外での切断は重大な設備障害となるため絶対に避けなければならない事項であった。その為停
止期間に問題が発生しないよう、事前に撤去するケーブルはテープにて明示を行い、また必要数の
配線が揃っているか、接続先の機器に誤りがないか等、切り替え作業が迅速に行えるよう準備を実
施したうえで作業を行った。
以上、3 項目を重点的に対策してきたが、その他細かい作業に対しても事故・災害が起こる可能性
は十分に存在している。細かい注意点も日々の TBM・KY によって注意を促し、安全訓練等で作業
員の安全に対する意識力を高めることが無事故及び無災害につながる一つの対策だと考える。現在、
本工事は無事故・無災害で施工できている、今後も十分な安全対策を実施し無事故・無災害で着工
を迎えられるよう、日々邁進していく次第である。