現 場 代 理 人 レポート 沖永良部農業水利事業 地下ダム止水壁(7工区)建設工事 沖永良部島は、鹿児島市から530kmに位置し、約 13,000人が住む農業中心の島です。 島の特徴は、南国特有の温暖な気候を利用し、さ とうきび・ばれいしょ等野菜の栽培とゆり・きく等 の花き栽培が盛んです。しかし、水源が乏しく用水 不足が恒常化しており農業振興の妨げになっていま す。本工事は、止水壁を築造し地下水を堰止めて貯 留し、安定した農業用水を確保する目的とした地下 止水壁の建設工事です。 止水壁工事は、 3 点式杭打ち機(DH608)を使用 してリーダー長30mに三軸減速機を使用したSMW工法による施工です。当工区の施工は、島内で 最も施工深度が深く、最長で65mを超える掘削長です。施工基面は、強固な琉球石灰岩が分布し、 安定した地盤での施工が可能です。現在、当社の技術力と専門工事会社の技術力を駆使し、屈曲部 での施工の工夫、多段に亘る孔曲り対策を実施しています。三軸施工の進捗は、当初予定していた 1 本/日をクリアーし、調整杭の発生を抑制すべく邁進しているところです。 竣工まで残り 1 年強、近くには、民家もあり騒音・振動・粉塵対策に留意した施工を継続し、事 業所・地元・現場と交流を深めて無事故・無災害にて完成させたいと思います。 監督職員からのエール 沖永良部土地改良事業の水源池となる全長2600mの地下ダム止水壁工事は、12の工区に分 割され既に 3 つの工区が完了、 4 つの工区が施工中、12月には 8 つ目の工区が契約し、まさ に沖永良部地下ダム工事の最盛期という状況にあります。その中で今回エールを送る 7 工区 は、平成26年 8 月から開始した工期 3 ヶ年の国債工事であり、現在 2 年目で止水壁工事も 終盤にさしかかっています。本工区の施工条件は、延長256.5m、屈曲部が多く、全工区の 中で平均施工深度が約60mと最も深いということもあり、偏心やラップ長といった施工管理 に苦労しているところです。しかし、介在粘土が多いという沖永良部特有の石灰岩に対する 経験値の上昇と現場関係職員の創意工夫によって、再施工杭の発生率も徐々に低下してきて います。 現場事務所長の横山氏は、課題に対し常に前向きに対応する率直な姿勢から監督職員の間 でも高い信頼を得ています。また平成27年度国営事業に係る安全管理対策協議会の会長も 担って頂いており、いつもの大きな声で現場を引き締め、竣工までの無事故達成を強く期待 するところです。 監督職員 (写真左) 九州農政局 沖永良部農業水利事業所 工事第 1 課長 生永 勝 現場代理人 (写真右) 株式会社フジタ 沖永良部地下ダム作業所 横山 俊一 土地改良 292号 2016.1 ● 83
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