現場における安全対策・創意工夫について

現場における安全対策・創意工夫について
発注者
新庄河川事務所
施工者
國井建設株式会社
工事名
平成25年度 寒河江川流域東ノ沢砂防堰堤群工事
発表者
○現場代理人 小野 彰大
監理技術者 大沼 寛治
1.はじめに
本工事は、最上川水系砂防事業の一環である寒河江川流域東ノ沢における土石流から人家及び道路を
保全することを目的とする砂防堰堤建設を行う工事です。
施工箇所は、西村山郡西川町久保入間地内で県道より工事用道路を約350m入った所で、県道から現場
までの高低差が約50mの山中にあります。
今回の工事としては、堰堤の垂直壁から始まり、主堰堤、側壁の施工を行い、並行して法面保護工を行う工
であり、その施工にあたり安全対策・創意工夫について報告します。
2.スズメバチ対策
当現場が山中でスズメバチに遭遇し刺される懸念があったため、ペットボトルで簡単に作ることができ
るスズメバチトラップを製作設置し対応した。昨年は酒と酢と砂糖を混ぜたペットボトルを作成した。
今年はスズメバチ対策についていろいろ調べた結果、スズメバチを誘引させるものとしてカルピスを使
用すると効果が高いということがわかり、今回はカルピスと水を混ぜたものを使用した。その結果昨年よ
りも効果があり、今年も誰も刺されることはなかった。
スズメハチトラップ(設置時)
スズメハチトラップ(設置中)
3.転落墜落災害防止の安全対策
小段等からの転落・墜落災害が起きる危険性があったため、小段に鉄筋を打ち込みトラロープとワイヤー
で転落防止設備を行うことにした。トラロープだけでは人がロープによりかかった際にロープが切れた
り緩んだりして転落してしまう可能性があった。そのため、ワイヤーを併用する事により人がよりかかっ
ても転落する危険性を軽減し、転落・墜落災害を防止する事が出来た。
転落防止設備
トラロープとワイヤー
4.クレーン作業時の安全対策
昨年度にコンクリート打設を行った時は、クレーンオペレーターから作業箇所が直接目視できなかった
ため同時通話型無線機を使用し施工を行った。その時に無線機でのやりとりだけでは誘導者の声のみで
操作しなくてはいけないため、もし合図のミスをした場合にもオペレーターはそのまま操作してしまう
など、どうしても作業しづらいということがあった。
今回の工事ではそのような意見を参考にして、クレーンのブームの先にカメラを設置して車内からでも
作業箇所を目視できるようにした。映像は操作してズームすることもでき、同時通話型無線機を併用する
事によりオペレーターも作業箇所の状況を確認でき、さらにリモコン式バケットを使用しより安全に施
工する事ができた。
カメラ設置
5.終わりに
当現場は危険渓流に該当しており、土石流センサーの設置、避難経路の周知及び避難訓練の実施を行い
災害防止に取り組みました。又、昨年度の工事から学びさらに安全に施工できるように現場一丸となって
取り組むことができたと思います。
現在も除雪しながらの作業を行っております。現場内は工事用車両の交通も多く道路勾配も急なため、滑
落や接触等の危険が増えると思われます。作業時のこまめな除雪や融雪剤散布を行い現場内の徐行を徹
底して無事故でこの工事を終えることができるように努力したいと思います。