【研究者プロフィール №163】 大分県立芸術文化短期大学 情報コミュニケーション学科 専任講師 野田 (ノダ 佳邦 ヨシクニ) 専門・キーワード等 情報リテラシー,知的財産,特許, 意匠,商標,著作権 1 . 私 は こ の よ う な学 生 で し た 。 当時はまだ今のように情報科学をメインとした学科は乱立していませんでしたので、基礎工 学部情報科学科に入学できたことが嬉しく、興味のある情報科学についてとことん学びました。 また、大学時代はとにかくお金に困っていて、奨学金や入学料・授業料の免除制度等を活用し ていました。金銭的事情から、少しでも早く社会に出たいという思いが強くありましたので、 学生生活を1年でも短くするために学部を3年で中退し大学院へ飛び級入学しました。大学院 では、関西出身のキャラクター豊かなメンバーに囲まれ、いじられながら、人生についての教 訓を頂きながら、常に楽しいことを見つけ、笑いありドラマありの充実した研究室生活を送る ことができました。大学院で過ごした2年間が私の人格形成に大きく影響を与えていると感じ ています。 また、社会人になってからも学び続けることをポリシーとして、社会人大学院生として経営学 を学んだり、法学部に通って法律を学んだりもしました。興味のある分野は理系から文系寄り にシフトしてきていますが、世の中で起きていることは理系と文系に割り切れないことが多い ため、様々な視点から見る必要性を感じています。 2 . こ の よ う な 研 究を し て い ま す 。 産業界・大学・行政が連携して「知」を生み出し地域貢献を行う産学官連携に関する研究を 行っています。産学官連携は、産業界や行政のニーズと大学にあるシーズのマッチングをどの ように行うか、立場の違う組織同士が連携する際にプロジェクトをどのようにマネジメントす るか、生み出された「知」をどのように管理・活用するか、契約を交わす上で実務的な課題を どうクリアするか、学生が参加する場合にどのようにして教育効果を向上させるかなど、様々 なトピックを含んでいます。産学官連携は主に理系の大学を中心に語られることが多いのです が、当然ながら芸術系・文系の大学にも求められている活動です。私は芸術系・文系の大学に おける産学官連携のあり方をテーマとして研究を行っています。また、産学官連携以外の研究 テーマとしては、知的財産の専門家として、知的財産教育についても考えていきたいと思って います。 -地域連携研究コンソーシアム大分 2015- 【研究者プロフィール №163】 3 . こ の よ う な 授 業を し て い ま す 。 情報収集・活用能力の向上を目的として課題演習を中心とした授業を行っています。スマホ は使うけれど、パソコンは苦手。SNSは毎日利用するけれど、メールはほとんどしたことが ない。分からないことはすぐに検索エンジンで調べるけれど、検索結果について精査したこと がない・・・など、思い当たる点のある学生も多いと思います。情報リテラシーの有無はデジ タルデバイドと呼ばれる情報格差を生み、経済的にも社会的にも差が生じてしまいます。授業 ではインターネットの基本的な仕組みなどはもちろんですが、課題演習を通じて様々な情報源 を知り、自分で考えながら必要な情報に効率的にアプローチするスキルを身に付けられるよう に心がけています。また、情報大爆発と言われる今の時代においては、溢れ返る大量の情報の 中から情報の信頼性を自分で判断し、必要な情報を取捨選択できる能力も求められます。さら に、自動車の危険性を知らずに車に乗ってはいけないのと同様に、情報化社会で生きていくた めには、法律を知ることや高いモラル意識を持つことが必要です。情報技術は社会の中のツー ルの1つに過ぎません。常に社会を意識した行動をとることができるよう、ビジネス的観点、 法律的観点、知的財産の観点も交えながら授業を行っています。 4 . 学 生 に 学 ん で ほし い こ と 。 学ぶことの楽しさを学んでほしいと思います。そして、社会に出てからも学ぶことを続けて ください。持論ですが、何歳になっても成長を止めず、何かに向かって活動し続け学び続けて いる人は、若く輝いて見えます。様々な専門分野が凝縮され、多様な分野の教員が身近にいる 芸文短大はとても良い環境だと思います。幅広い教養を身に付けることで人間の深みを形成し、 人生を大きく変えるきっかけをキャッチするためにアンテナを高くしましょう。 -地域連携研究コンソーシアム大分 2015-
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