【研究者プロフィール №166】 大分県立芸術文化短期大学 国際総合学科 専任講師 許 (キョ 挺傑 テイケツ) 専門・キーワード等 言語学,異文化コミュニケーション研究, 日本語教育,中国語教育,会話分析 1 . 私 は こ の よ う な学 生 で し た 。 高校はバスケと恋の時代でした。成績はいたって普通,理系なのに,数学と物理が苦手,そ の代わり,英語が得意。英語が得意科目だったため大学も英語を専攻しようと思いましたが, 英語は専攻しなくてもある程度できれば十分であろうという気持ちと,新しい言語に挑戦して みたいという気持ちで,当時はまだそれほど学習者数が多くない日本語を大学の専攻としまし た。大学では,英語の勉強で得た経験を生かし,日本語という新しい言語と戦いながら,楽し い 4 年間をすごしました。教科書だけでなく,町の本屋さんにも頻繁に足を運び,ありったけ の金を使って,日本語の本を買っては読む,そういうような日々でした。その後,さらに日本 語の勉強をしたく,日本留学を決め,2006 年に来日することを果たしました。そして,修士課 程,博士課程と続き,本日に至ります。 2 . こ の よ う な 研 究を し て い ま す 。 会話分析(conversation analysis:CA)の手法を用いた異文化コミュニケーション研究,第二 言語習得,言語学などの研究,およびそれらの応用を目指す言語教育の研究(日本人に対する中 国語教育と中国人に対する日本語教育)等を中心に研究活動を行っています。 また,コミュニケーションや言語そのものの研究だけでなく,コミュニケーション様式や言語 使用の背後に潜む社会的・文化的要因などについて考えています。 3 . こ の よ う な 授 業を し て い ま す 。 勤務先では,中国語ⅠA/B,中国語ⅡA/B,中国語コミュニケーション,検定中国語演習,ア ジアの文化と社会,教養ゼミ,卒業研究などの授業を担当しています。語学系の授業では,基 礎知識の学習を重視しつつ,学生のコミュニケーション能力をいかに高めることができるかに ついて日々試行錯誤しています。教養系の授業やゼミ関係の授業では,中国事情をメインにし つつ,日本との比較も非常に重要視しています。 4 . 学 生 に 学 ん で ほし い こ と 。 学生に学んでほしいことは,物事を複眼的に見ることです。 急速な経済成長を背景 -地域連携研究コンソーシアム大分 2015- 【研究者プロフィール №166】 に,国際社会に圧倒的な存在感と影響力を見せる中国。日本との関係においても,政治におけ る困難は今後もある程度続くであろうと予想されますが,経済面では両国の連携をますます強 めていかなければいけないこととなるでしょう。そのような中,中国といかに付き合っていく べきか,その土地に暮らす人々の生活・文化・経済活動が日本にどのような影響を及ぼしうる かなどについて,1つの視点からではなく,複眼的に見ることが求められます。物事を複眼的 に見て初めて,より真実に近づくことができ,この厳しい世の中を生き延びていくための正し い判断ができるようになると思います。中国語という言葉の学習だけでなく,中国という異文 化に内在する論理,そして,それと比較することを通して初めて浮き彫りになりうる日本とい う自文化の内在論理についてもしっかり勉強してほしいです。 -地域連携研究コンソーシアム大分 2015-
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