【研究者プロフィール №169】 大分県立芸術文化短期大学 音楽科 講師 林 満理子 (ハヤシ マリコ) 専門:声楽,ソプラノ 1.私はこのような学生でした。 高校から音楽科に進みましたので、早い時期から音楽の道を志す仲間に囲まれて切磋琢磨す る環境に恵まれました。大学へ進学後は毎週の厳しいレッスンへ向けてより練習時間を取り、 音楽的な力は勿論、メンタル面もかなり鍛えられました。授業以外の時間では全国から集まっ た同級生と発声について議論し、演奏会に行っては意見交換をするなど、いつも音楽のことで 頭がいっぱいの毎日でした。寮に入っておりましたので、音楽学部のみならず美術学部の友人 からも様々な刺激を受けることができました。学生時代の学びや出会いは私にとって貴重な財 産となっています。 2.このような研究をしています。 私の専門は声楽(ソプラノ)ですので、 「声」について日々研究しています。1 つの作品を演 奏する際に、作曲家が何を求めているのかを考えながら、演奏表現のテクニックや声をどのよ うに用いるのかを追求しています。作品には歌曲、オペラ、宗教曲など様々ありますが、全て において「言葉」を表現しなければなりません。 「言葉」を表現するために発音のテクニックと して母音や子音の研究もしています。またオペラにおいては演技も求められますので、役の持 つ年齢やキャラクター、心情を表現するための舞台上での立ち方、動き方、表情についても研 究しています。 声は生まれ持った世界で 1 つの楽器です。その可能性をどこまで伸ばせるか探求し、挑戦し続 けています。 3.このような授業をしています。 担当する授業は主に声楽の実技ですので1対1のレッスンです。レッスンでは1人1人の学 生さんに合わせた選曲を行い、その作品を演奏するために声をどのように使うのか、どのよう な表現をしたら良いのかを毎週のレッスンで探求します。そのほか重唱や合唱も担当していま す。重唱や合唱では合わせる難しさがありますが、ソロの演奏では味わうことのできない美し さやスケールの大きさ、表現の多様さを体験できます。オペラの重唱では歌唱だけではなく演 技について考えます。役柄や場面に合わせた感情表現の追及はアンサンブルに留まらない面白 さがあります。 -地域連携研究コンソーシアム大分 2016- 【研究者プロフィール №169】 4.学生に学んでほしいこと。 学生時代は自分のことに時間を割ける貴重な時です。ですから、1つのことを掘り下げてじ っくり追求する体験を是非してもらいたいです。この体験は集中力、忍耐力が鍛えられ、また 自分と向き合う時間も増えます。自分と向き合い、自分を知ることができれば、他人への理解 にもつながります。そしてやり遂げることができた時、自信に変わります。自信は何事におい ても自分を勇気付けてくれる大切なものです。そして自信の持てないことへも可能な限り挑戦 してほしいと思います。それはもしかすると自信の持てることに変化するかもしれないからで す。 自分を知り、長所や短所を把握することは社会に出てから、また生きていく上でとても大切な ことです。学生時代の時間のある時だからこそ、自分の可能性を広げることに挑戦してほしい と思います。 -地域連携研究コンソーシアム大分 2016-
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