稲を守り育てる ~中干し・田んぼに溝をほる~ 田植えを行ってから30日後位の稲の本葉が7枚位の時期に、田んぼの水を抜く「中 干し」という作業を行います。中干しを行うことで生育を抑え、茎葉の過繁茂を防ぎま す。葉の垂れ下がりを防ぎ、株内に光が良く届き、倒伏しにくい稲へと育てます。 また、田んぼの表面を乾かすことによって土壌中の有害なガスを排出し、新鮮な酸素 を供給して根が健全に育つ効果もあります。 中干し 田んぼの表面に小ヒビが入る程度に中干しを行います。 中干しの目的は過繁茂による無効分げつ(穂を付けない無駄な茎)の発生を抑制し、 新たな根の伸長の促進と活力維持、倒伏軽減や有害ガスの排出、収穫時に機械作業でき るように田面の硬度を高めるなど、様々な効果があります。 溝切り 田んぼに溝を切り、排水と入水の水管理をスムーズに行えるようにします。 重粘土質で排水が悪い土質では、落水しただけでは田んぼはなかなか乾きません。溝 を切ることで排水が促され乾きが早くなりますし、秋の長雨等による停滞水も容易に排 水することができます。 また、フェーンや夏の高温等の緊急時に灌水が必要となった時も、溝があることによ って迅速に水を張ることができます。 溝掘り機にはエンジンによって前に進みますが、生産者も一緒にぬかるむ田んぼの 中を歩いて進みます。10a当たり 400m 以上を行う重労働ですが、水管理を行う上で とても大切な作業です。
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