営農かわらばん6月号 平成27年第4号 【稲作情報:長岡地区】 平成27年6月5日 JA越後ながおか 5月上旬植え稲では生育過剰が心配されます! 茎数過多とならないよう遅れずに 中干し・溝切りを開始して下さい! 中干し・溝切りは、窒素吸収を抑え、適正生育量を確保し、生育後期の稲体を 健全に保ち、登熟を良好にするために、極めて重要な技術です。 平26の「こしいぶき」の乳白粒多発米 こしいぶきの品質 V 字回復が 求められています! 2.中干し・溝切りの効果 ① 無効茎の発生抑制による適正生育量の確保 ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⇒ 気象変動下でも品質安定 受光態勢の良化と下位節間伸長抑制による倒伏軽減 ⇒ 品質向上 土壌への酸素供給による根の健全化 ⇒ 根の活力維持 収穫時の機械作業が可能な地耐力の確保 ⇒ 秋のコンバイン収穫 溝切りによりフェ-ン等の緊急時の迅速なかん水が可能 ⇒ 緊急時対応 溝切りにより秋の長雨による停滞水の容易な排水が可能 ⇒ 長雨排水対策 ※中干しが遅く実施されると、乳白粒及び心白粒が多発しやすくなります。 3.中干し・溝切りの方法と点検 ①溝の間隔は2.5m程度、深さは10㎝以上を確保し、各溝の末端は必ず排水溝につなげる。 ②毎年苦労するほ場の柔らかいか所は、間隔を狭くして溝数を増やすと効果的です。 ③中干しの程度は田面に小さなヒビが入り、軽く足跡がつく程度まで行う。 田植え後 30 日をめやす に落水して中干しを開始 して下さい。 ④中干し溝の額縁点検 (収穫時地耐力確保、高温時の短時間かん水、秋の長雨対策) H26 こしいぶき 乳白粒 1.中干し・溝切り時期のめやす ◎中干し開始時期は、田植え後30日をめやすとする。 田植時期が遅い場合は、本格的な梅雨時期となることから、早めに中干しを開始する。 ◎中干し程度は、田面に小ヒビが入る程度とし、大ヒビの入る強い中干しは避ける。 特に、排水の良い圃場、用水確保が難しい圃場では大ヒビが入らないように注意する。 また、土壌が肥沃な地帯、生育量の大きな圃場では強めとする。 ◎中干し期間は2~3週間をめやすとする。 注)( )内は本/株 目標穂数 中干し開始のめやす 本/㎡ 茎数 時期 6 月 10 日 340(22) 240(15) 6 月 15 日 中干し終了 の晩限 7月5日 (2)エコ・5-5 こしいぶき 注)( )内は本/株 地 区 目標穂数 中干し開始のめやす 中干し終了 移植期 の晩限 (栽植密度) 本/㎡ 茎数 時期 長 岡 地 区 5 月 5~10 日 350(19) 210(12) 6 月 5~10 日 6月末 (60 株/坪) ◎中干しの開始のめやす時期がきたら、茎数に関係なく落水してください。 目標穂数の80%に達しないうちに中干しを開始しても、その後の間断灌水で良質茎を 確保することにより、登熟歩合や千粒重の向上が図られ、標準的な中干しの場合と同等 の収量を確保できます。 ①枕地・水口・土手下等、田面が軟ら ②圃場周囲の溝が崩れている場合、出穂期前 かくなりやすい所は、溝切り時に に再度、額縁溝切りで排水路を確保する。 1本追加して、土固めする。 ※ 溝は、必ず排水溝につなげましょう。 4.中干し終了後の飽水管理 中干し終了時期が生殖生長期以降になると、根域が縮小し、高温年では品質が 低下する場合があるので、出穂の1ヶ月前までには中干しを終了してください。 80 平成22年産米は、中干し終了時期が 遅くなり(7 月 10 日以降)、整粒歩合 が低くなりました。 75 整粒歩合(%) (1)エコ・5-5 コシヒカリ 地 区 移植期 (栽植密度) 長 岡 地 区 5 月 10~15 日 (50 株/坪) 5 月 20 日以降 70 65 60 H20,21 H22(高温年) 55 中干しが不十分であると、生育が過剰傾向となって倒伏が助長されます。 ⇒総籾数が過剰傾向となり、乳心白等の未熟粒や玄米タンパク質含有率が高くなります。 -60 -50 -40 -30 -20 中干し終了時期(出穂前日数) エコ・5-5 運動は第3ステージ。今年も新潟県 No.1「1 等米比率 90%以上」を達成しよう! 6.雑草対策について <<飽水管理の方法>> 別紙の「クリンチャー・バサグランの上手な使い方」を参考にしましょう! 除草剤名 適用雑草 使用量 使用時期 使用方法 備考 クリンチャー ノビエ 1 キロ粒剤 田面の高い部分がしっかり 湛水する程度に入水 水 位 自然に減水し、足跡や溝に 水が残っているうちに再び入水 自然減水 こんな状態は乾かし過ぎ !! 水田1年生雑草 3~4kg 移植後 15~50 日 マツバイ、ホタルイ、ミズガ /10a 但し収穫 60 日前まで ヤツリ、ウリカワ、オモダカ 補植苗は、いもち病の伝染源になります。 補植が終了したら直ちに圃場より除去して下さい! ■長岡地区エコ・5-5 運動参加圃場で使用できる葉いもち防除農薬 ● その後も過高温が続きそうな場合は、完全落水日を出穂後30日頃まで延ばしましょう。 薬剤名 5.ケイ酸肥料の散布について 【表①】玄米480kgの収量の場合(kg) 窒素 リン酸 加里 カルシウム マンガン ケイ酸 10.1 5.3 15.8 3.4 0.5 96.0 【表②】 ②ケイ酸の吸収は出穂期以降も全生 育期内の30%近くが吸収されます。 (2)ケイ酸肥料に期待できる効果 ①光合成の促進、②根の活力向上、 ③受光体勢の改善、④耐倒伏性の向上、 ⑤ふ割れ軽減、⑥カメムシ被害軽減 ⑦ごま葉枯れ病発生抑制 ⑧高温下の品質向上 (3)散布時期 6月末~7月上旬(幼穂形成期前) (4)主なケイ酸肥料 肥料名 けい酸加里プレミア34 ウォーターシリカ スーパーシリカ マルチサポート 10a施用量 20~40kg 15~30 20~40 20~40 (ケイ酸) 特徴 加里(20%)、苦土、ほう素を含む。 水口施用が可能な省力型肥料 ケイ酸に特化した低コスト肥料 ケイ酸と苦土を主体とした総合微量要素肥料 お申し込みは、JA地域営農センターにお申し出ください。 価格:4,090 円(税込) 散布時期・使用方法 ・葉いもち初発 10 日前(6/15 頃)~葉いもち初発 10 日後(7/5 1kg/10a 頃)に散布してください。 ・湛水状態(水深 3~5cm)で均一に散布し、4~5 日は湛水状態 オリブライト を保つ(使用回数:1 回) 250g/10a 250G ・散布後 7 日間は、落水及びかけ流しはしない。 ※オリブライトによるわたぼうしの墨黒穂病防除には、出穂 20 日前(7/5 頃)が散布適期 です。オリブライトを処理すると稲の葉に褐点が発生する場合がありますが、稲の生育・ 収量・品質には影響ありません。(250G は墨黒穂病防除には使えません) (2)斑点米カメムシ対策 ①水田内除草(ヒエ・ホタルイ)+②畦畔・農道管理(草刈り・体系除草)+③農薬散布 の組み合わせが必要です! ①カメムシを水田内に誘引しないよう、特にヒエ・ホタルイを水田内に残さないように しましょう! ②畦畔・農道の雑草は、カメムシの生息地になり、斑点米発生原因になります。草刈り または畦畔登録除草剤の散布により、畦畔・農道の除草をしてください。 ※ 農薬ラベルの使用方法を守って散布してください。 適用場所 穂肥診断には、 「葉色カラースケール」を活用しましょう! 使用量 オリブライト 1キロ粒剤 (1)水稲は、ケイ酸を積極的に吸収する「好ケイ酸植物」です。 ①水稲が一生の間に吸収するケイ酸 の量は、窒素の10倍、リン酸の 20倍、加里6倍にのぼります。 エコ・5-5 全 落水散布又は 品 種 で 使 用 ごく浅く湛水 できます。 して散布 (1)いもち病 この水管理を 繰り返す! 3~5 ㎝ 移植後 25 日~ノビエ 5 葉 湛水散布 期。但し収穫 30 日前まで 7.病害虫防除について 自然減水 水 位 3~5 ㎝ バサグラン 粒剤 1.5kg /10a イボ竹 2.1m カラースケール 農 道 畦畔等 除草剤名 10a 当り使用量 使用時期・回数 ラウンドアップ 200~1000 ml 希釈水量 (通常散布)50~100ℓ 収 穫前日まで・2回以内 マックスロード (スギナ)1500~2000 ml (少量散布)25~50ℓ バスタ液剤 500~1000 ml、希釈水量 100~150ℓ 収 穫7日前まで・2回以内 カーメックスD 150~300g、希釈水量 70~100ℓ カソロン(秋・春) ダイロンゾル ダイロンゾル:250ml + との体系処理の場合 希釈水量 100ℓ ザクサ液剤:800~1000ml ザクサ液剤 ※カーメックスD、ダイロンゾルは、いずれかを1回のみ使用できます。 ※バスタ液剤、ザクサ液剤は、いずれかを2回以内使用できます。 宮内地域営農センター ☎35-1683 お問い合せ先 上川西地域営農センター ☎27-7974 または支店の営農指導係へ 長岡地域営農センター ☎24-3981 日越地域営農センター ☎46-7823
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