バレイショそうか病の発生生態と防除 「そうか病」は収量に大きな影響は与えませんが,食用,食品加工用としての価値を著しく落とし, 被害のひどい「いも」では澱粉の含有量と品質の低下を起こします。以前に発病のみられた畑に バレイショを植え付ける場合には,下記の事項に注意して防除対策を行って下さい。 【病徴と診断】 本病はいもに発生します。初め,いもの表面に赤褐色のかさぶた状の斑点を生じ,後に拡大して 淡褐色∼灰褐色になって周縁部が盛り上がります。中央部はやや陥没した円形の病斑となって,灰 白色の粉状物質を形成します。病斑組織はコルク化して小突起や小亀裂を生じていわゆる 「そうか症状」となります。 【伝染経路と発病条件】 病原菌は,被害植物とともに土壌中で越冬します。罹病いもの植え付けや汚染土壌の飛散などに よって伝染します。若い塊茎ほど罹病しやすく,皮目・気孔・傷口から侵入します。比較的低温で 乾燥条件下で発生しやすいようです。 【防除のポイント】 ① 種いもは健全なものを用いて下さい。 ② 種いもの消毒は,植付前にアグリマイシン-100 の 40∼100 倍液,アタッキン水和剤の 40∼60 倍液,またはアグレプト水和剤の 60∼ 100 倍液に 5∼10 秒間種いもを浸漬するか,バクテサイド 水和剤の 50∼ 100 倍液,カセット水和剤の 30 倍液またはフロンサイド水和剤の 100 倍液に種い もを瞬時浸漬するか,あるいは,コサイドボルドーの 50∼ 100 倍液に 20 分間種いもを浸漬しま す。 ③ 植付前にアグリマイシン-100 の 40∼ 100 倍液またはアタッキン水和剤の 40 倍液を種いも 100kg 当たり 2.5∼ 3.0 リットル散布します。 ④ 種いもの植付け前にフロンサイド粉剤を 10a当たり 30∼ 40kg 全面土壌混和,または,ネビ ジン粉剤を 10a当たり 30kg 作条土壌混和か 10a当たり 60kg 全面土壌混和します。 ⑤ 植付け前に圃場を,クロ−ルピクリン,ドジョウピクリン,ソイリーン,テロン 92,バスアミ ド微粒剤などで土壌消毒を行います。 ⑥ 発病地はイネ科作物を含む3年以上の輪作を行い,中性またはアルカリ性土壌での栽培は避け て下さい。
© Copyright 2025 ExpyDoc